自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生療法に関する医師主導治験

文献情報

文献番号
201432019A
報告書区分
総括
研究課題名
自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生療法に関する医師主導治験
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 良祐(公益財団法人先端医療振興財団 先端医療センター病院整形外科)
研究分担者(所属機関)
  • 松本 知之(神戸大学医学部附属病院)
  • 新倉 隆宏(神戸大学大学院医学研究科)
  • 川本 篤彦(先端医療振興財団 先端医療センター病院 再生治療ユニット)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
24,690,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、下肢難治性骨折(偽関節)患者に対する新たな再生治療法の確立を目指し、定着・普及(標準医療化)し実用化することを目的としている。
我々は動物実験による基礎研究成果を蓄積した後に、文部科学省「橋渡し研究支援推進プログラム」事業(第1期プログラム)の支援を受け、2009年9月4日付「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」承認のもと、「難治性骨折(偽関節)患者を対象とした自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生療法に関する第一・二相臨床試験」を開始した。2011年7月15日に最終の7症例目への治療をおこない、全ての観察期間を終了した。全7症例で平均16.1週において骨癒合が得られ、主要エンドポイントである術後12週におけるX線学的評価において、ヒストリカルコントロールの16%に対して71.4%の高率で骨癒合が得られ、その有効性が示唆された。
これらの試験結果に基づき、患者本人から採取したCD34陽性細胞を、下肢難治性骨折(偽関節)患者に移植することにより、骨癒合を促進する新しい治療法を標準医療化することを目的として、多施設共同での医師主導治験を計画する。
研究方法
医師主導治験の実施に向け、治験実施計画書や治験機器概要書の骨子について、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)との合意を目指す。また、治験機器提供企業と交渉を進め、情報の提供体制等を調整する。
このため、先端医療センター病院は神戸大学医学部附属病院と共同で業務をおこなう。先端医療センター病院は、治験調整事務局としてプロジェクトの総合的推進を担当し、神戸大学医学部附属病院は、主として臨床的な側面から、本治験に関する情報収集、実施計画の立案支援、被験者リクルート体制の整備、実施医療機関との調整などをおこなう。特に、PMDAとの治験相談の準備、実施医療機関との調整は、両施設の協力において推進する。
試験の目的:下肢難治性骨折(偽関節)患者を対象として、CD34陽性細胞分離機器およびコラーゲン使用軟組織注入材を用いた、自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生療法の安全性および有効性を検証すること。
治療の概要:患者に顆粒球コロニー刺激因子製剤(G-CSF製剤)を5日間、皮下注射し、CD34陽性細胞を骨髄から末梢血に動員する。最大5日間または5日以内でも白血球数が75,000個/μL以上に達するまで皮下注射を施行し、末梢血幹細胞を採取する(アフェレシス)。アフェレシス産物からCD34陽性細胞を分離し、アテロコラーゲンと混和し、通常の偽関節手術時に骨折部に移植する。手術後は少なくとも約2週間入院し、退院後24週までX線検査やCT検査などをおこない、安全性および有効性を確認する。
結果と考察
本事業は、平成26年度第四次公募に採択され、平成26年12月3日より開始した研究である。事業開始にあたり、対面助言準備面談(平成26年12月17日)を実施し、PMDAと当該試験のデザインについて検討をおこなった。当初は、多施設共同ランダム化比較臨床試験を医師主導治験として実施することを計画していたが、これまでのヒストリカルコントロールデータおよび先行臨床研究(ヒト幹臨床研究として2009年より実施)のデータを用いることで、多施設共同単群試験として実施することなどを検討した。準備面談での指摘を、治験実施計画書および治験機器概要書などに活かし、対面助言に必須な資料作成をおこない、これらの資料(ドラフト)を確認する為、第2回準備面談(平成27年2月25日)をおこなった。PMDAからのドラフトに対する指摘に対応し、資料を改訂し、平成27年3月23日には対面助言資料の搬入をおこなった。なお、平成27年4月15日に対面助言を実施する予定である。
基盤整備に関しては、現在参画が確定している先端医療センター病院および神戸大学医学部附属病院の実施体制の整備をおこなった。また治験機器提供企業とも情報を共有し、治験機器概要書の作成などをおこなった。今後参画する実施医療機関に対しても同様に調整をしていく予定である。
事業推進にあたっては、先行臨床研究の研究計画やその結果について、臨床的な観点から再検討をおこなった。また、治験機器や本治験にて必須で用いる医療機器や薬の取り扱いなどについて、製造販売企業やPMDAとの調整もおこない、計画の整備・構築することを重点的に展開した。
結論
初年度における事業立ち上がりとしては、スムーズに推進していると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201432019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
当研究グループは、自家末梢血CD34陽性細胞を移植すると、骨折部での未分化な状態での増殖と、その後の分化の過程を経て、新たな血管を再生しうるだけでなく、骨を再生しうる点で従来の治療法と比較して利点があることを前臨床研究で報告してきた。さらに、先行する初期臨床研究でも、本細胞治療が難治性骨折治癒を促進することを示唆する成績が得られた。本研究では、以上の成果を背景に、本細胞治療の有効性・安全性を検証することを目的とした医師主導治験を実施する。
臨床的観点からの成果
本研究では、下肢難治性骨折(偽関節)に対して骨癒合を促進する新しい治療法を標準化・実用化することを目的としており、患者のQOL向上および早期社会復帰を実現できれば医学的・社会的意義は大きいと考えられる。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
本研究は、文部科学省「橋渡し研究支援推進プログラム」事業の支援を受け実施したヒト幹細胞臨床研究(2009年)の成果を基に多施設共同の医師主導治験を計画するものである。
企業治験とは異なり、アカデミアが自ら治験を行える体制を整備したうえで、医師主導治験で革新的医療の開発をおこなうという点で国の施策に沿った成果であるといえる。
その他のインパクト
1)被験者募集および一般国民への情報提供としてホームページ作成(2016.6設置)
http://www.ibri-kobe.org/fracture/
2)被験者募集のためパンフレット作成(2016.5)
3)Nature OutlineのNature本誌およびWeb掲載(2017.10)

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
(第33回日本整形外科学会基礎学術集会(2018/10)
学会発表(国際学会等)
2件
Taiwan-Japan Regenerative Medicine Workshop(2018/11),ORS ISFR 2018(2018/11)
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
・TRI設立15周年&神戸医療産業都市20周年記念シンポジウム(2018/9) ・第5回再生医療産業化展(2019/2)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
2018-05-22

収支報告書

文献番号
201432019Z