地方衛生研究所における病原微生物検査の外部精度管理の導入と継続的実施のための事業体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201429016A
報告書区分
総括
研究課題名
地方衛生研究所における病原微生物検査の外部精度管理の導入と継続的実施のための事業体制の構築に関する研究
課題番号
H26-健危-一般-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(富山県衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 調  恒明(山口県環境保健センター)
  • 平田 宏之(名古屋市衛生研究所)
  • 平田 輝昭(福岡県保健環境研究所)
  • 岸本 壽男(岡山県環境保健センター)
  • 山本 容正(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 岡野 素彦(北海道立衛生研究所)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所)
  • 大石 和徳(国立感染症研究所)
  • 木村 博一(国立感染症研究所)
  • 石岡 大成(国立感染症研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,531,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地方衛生研究所の微生物検査の技術水準を維持するために、外部精度管理の手法を導入し、地方衛生研究所全国協議会として継続的に実施することの妥当性評価を目的として研究を行った。
研究方法
本年度は1)感染症検査の精度管理に関する地衛研の実態についてのアンケート調査、2)ウイルスおよび細菌の外部精度管理モデル調査、3)外部精度管理実施要綱案の作成、そして4)病原体検査の施設指針案について検討した。
結果と考察
1)アンケート調査から、80%の地衛研が感染症検査可能としたものは、二類感染症2疾患、三類5疾患、四類5疾患、五類4疾患、五類定点13疾患であった。ウイルス感染症では鳥インフルエンザH7N9、H5N1、季節性インフルエンザ、重症熱性血小板減少症候群、中東呼吸器症候群、麻疹、風疹、デング熱で、ほか感染性胃腸炎とA型肝炎であった。細菌性感染症では、三類感染症とレジオネラ、そしてA群溶連菌感染症であった。外部精度管理が必要と思われる検査の方法や技術については、病原体の分離同定とゲノムないし分子生物学的検査法、そして血清抗体価測定があげられた。病原体検出マニュアルが検査法の主な根拠であった。今後外部精度管理が行われるなら、積極的にないし余裕があれば参加したいこと、および結果が不十分とされた場合、研修等が必要とされた。2)ウイルスおよび細菌の外部精度管理モデル調査では、ノロウイルスのプラスミッドDNAを試料としたリアルタイムPCRとサルモネラ菌の分離同定を便検体で行った。精度管理を行う前に、対象感染症、試料作製と送付、検査方法、解析方法と評価、費用、およびその他について検討して実施した。ウイルスでは、今回、基準を外れた所もみられたが、標準曲線を描く陽性対照プラスミッドの取扱いに問題がある可能性が事後調査で考えられた。細菌では一部に検出できなかった機関があったが増菌培養が原因である可能性が考えられた。また検体送付に課題が残った。3)今までの報告書等の調査結果から実施要綱案を作成し今後さらに検討することになった。また過去に精度管理システムについて詳細に検討した報告書がみつかり、以後参考にすることにした。4)環境からの汚染による疑陽性のリスクを最小限にするための施設指針の案を作成した。ほか感染症検査の精度管理に関する諸事項について検討し考察した。
結論
本年度の結果を踏まえて、次年度には実施要項案が提示できる。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201429016Z