文献情報
文献番号
201427057A
報告書区分
総括
研究課題名
一般用医薬品及び一般用検査薬の地域医療における役割等に関する研究
課題番号
H26-医薬A-指定-004
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 邦彦(公益社団法人日本医師会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,089,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、昨年度の「一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究」の成果を踏まえ、平成14年中間報告の見直しを目的として、意識調査結果の解析や医師・薬剤師等の専門家の意見を集約することにより、スイッチOTC医薬品及び一般用検査薬のあり方等について新たな将来像を提案することを目的とする。
研究方法
検討1.一般用医薬品及び一般用検査薬に関する意識調査
対象:日本医師会会員から無作為に抽出した医師 調査項目:年齢、性別、一般用医薬品・一般用検査薬に対する認識、制度の理解状況、生活習慣病薬のスイッチOTC化に関する認識など 調査方法:郵送によるアンケート方式で実施 解析方法:収集された調査結果を集計し、記述統計を中心に集計解析
検討2.一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究報告のとりまとめ
欧米等の一般用医薬品等の承認制度などの情報及び前年度に行った生活者及び薬剤師に対する先行調査と検討1の結果を踏まえて、研究班会議で議論し、その結果をとりまとめる。
対象:日本医師会会員から無作為に抽出した医師 調査項目:年齢、性別、一般用医薬品・一般用検査薬に対する認識、制度の理解状況、生活習慣病薬のスイッチOTC化に関する認識など 調査方法:郵送によるアンケート方式で実施 解析方法:収集された調査結果を集計し、記述統計を中心に集計解析
検討2.一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究報告のとりまとめ
欧米等の一般用医薬品等の承認制度などの情報及び前年度に行った生活者及び薬剤師に対する先行調査と検討1の結果を踏まえて、研究班会議で議論し、その結果をとりまとめる。
結果と考察
医師に対する意識調査の結果、一般用医薬品および一般用検査薬の拡大について、医師として生活者の健康管理がかえって不適切になることへの不安の声が大きいことが明らかになった。また、かかりつけ医がいる生活者は健康に対する意識が高い傾向が見られた。医療とセルフケアとの不可分な連続性の性質を前提として、一般生活者がどのような健康管理を選択するとしても、かかりつけ医と医薬品を供給する薬剤師等の連携がなされることが一般用医薬品等を有効活用する上で重要であると考える。
「一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究報告」の要点として、承認審査に先立つスイッチOTC医薬品の候補品目の選定について、多様な主体からの提案を認めることとし、専門家を中心とした一般消費者も含めた場において、提案者等のヒアリングを行うほか、パブリックコメントの実施等を通じて、広く一般からの意見提出が可能な仕組みを設けるなど、従来の薬事・食品衛生審議会における意思決定の仕組みを改善しつつ、より透明性を確保することが重要と考える。また、スイッチOTC医薬品等の安全性確保のための新たな評価手法として、一般消費者が医薬品の有効性・安全性等について正しく理解し行動することができるのかどうか事前に検証するために、添付文書理解度調査を医薬品の開発段階で実施すべきであると考える。
「一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究報告」の要点として、承認審査に先立つスイッチOTC医薬品の候補品目の選定について、多様な主体からの提案を認めることとし、専門家を中心とした一般消費者も含めた場において、提案者等のヒアリングを行うほか、パブリックコメントの実施等を通じて、広く一般からの意見提出が可能な仕組みを設けるなど、従来の薬事・食品衛生審議会における意思決定の仕組みを改善しつつ、より透明性を確保することが重要と考える。また、スイッチOTC医薬品等の安全性確保のための新たな評価手法として、一般消費者が医薬品の有効性・安全性等について正しく理解し行動することができるのかどうか事前に検証するために、添付文書理解度調査を医薬品の開発段階で実施すべきであると考える。
結論
今後のスイッチOTC医薬品のスキームとして重要な点は、多様なニーズの反映と透明性を持った対応である。また、承認審査や申請資料の見直しも必要で、特に添付文書理解度調査等の導入により一般消費者に理解されるOTC医薬品を目指すことが大切である。
公開日・更新日
公開日
2015-06-29
更新日
-