患者の自覚症状による副作用確認システムに関する研究

文献情報

文献番号
201427040A
報告書区分
総括
研究課題名
患者の自覚症状による副作用確認システムに関する研究
課題番号
H25-医薬-指定-004
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、患者のヘルスリテラシーを高め、患者自身が自覚症状を医薬品に関連付けて、医師や薬剤師に相談できるような仕組みを検討している。
研究方法
検討1:平成26年度は患者が自覚症状を医薬品に関連付けて医療者へ相談する仕組みの1つとしてタブレット端末用アプリ(以下、アプリ)を作成した。さらに、そのアプリの機能性や有用性、課題について、薬剤師、福祉職、Web上で生活者に対してアンケート調査を実施した。
検討2:「愁訴用語集」に集積されている用語に対する自然語を紐づけることで、「愁訴用語集」に自然語が加わった自然語データベースを作成した。
結果と考察
アプリの機能性(文字の大きさ、使いやすさ等)に関しては使いやすい、わかりやすいということが確認された。アプリを使用することで医師や薬剤師に相談しやすくなるかどうかに関しては、副作用の検索結果の表示の仕方(内容やレイアウト)によってより相談を促せる可能性が考えられた。一方、検索結果の表示の仕方に加えて、副作用・相互作用の説明、症状の入力方法に関しては、「検索結果の情報量が不適切」、「副作用・相互作用の説明がわかりにくい」、「感じている症状が選択できない」などの課題があげられた。
また、アプリは、患者の自覚症状について、非医療者に親和性の高い言語の利用可能なデータベースとして、症状名を正規化して作成された「愁訴用語集」を搭載している。しかし、「愁訴用語集」を搭載しただけでは、用語集に集積されている用語でしか症状を検索することができず、患者が症状を検索することを考慮すると、患者が、医師や薬剤師に症状伝えるときに使われるような馴染みのある言葉(これを自然語と定義する)で検索できる必要性があると考えられた。そこで、「愁訴用語集」に集積されている用語に対する自然語を紐づけることで、「愁訴用語集」に自然語が加わった自然語データベースを作成した。
結論
患者、福祉職、および薬局薬剤師に対して、副作用確認システムに求められる要件について調査を行った結果、アプリの機能性(文字の大きさ、使いやすさ等)に関しては使いやすい、わかりやすいということが確認された。アプリを使用することで医師や薬剤師に相談しやすくなるかどうかに関しては、副作用の検索結果の表示の仕方(内容やレイアウト)によってより相談を促せる可能性が考えられた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201427040Z