食品中の微生物試験法の開発及びその実効性・妥当性評価に関する研究

文献情報

文献番号
201426033A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中の微生物試験法の開発及びその実効性・妥当性評価に関する研究
課題番号
H26-食品-一般-003
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
五十君 静信(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 松岡 英明(東京農工大学大学院 共生科学技術研究院)
  • 荻原 博和(日本大学 生物資源科学部)
  • 鎌田 洋一(岩手大学 農学部)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 )
  • 伊豫田 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法を検討し、統一した方向性を持ち、科学的根拠のある信頼性の高い標準試験法プロトコールの作成を進めた。今後リスク評価の結果を受けて作成される食品の微生物基準に利用可能な試験法となるように国際的に互換性のある試験法を提供する。
研究方法
国立医薬品食品衛生研究所のホームページに公開している標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法の策定を行った。さらに、作成された標準試を精度高く実施するために必要な導入時の検証、微生物標準品の設定、試験精度の管理験法を精度高く実施するために必要な導入時の検証、の検討を行った。食中毒起因細菌の試験に関する基礎的研究も進めた。“標準法検討委員会”を組織し、食中毒起試験法作成過程は国立医薬品食品衛生研究所web上に公開し広く意見を求めた。当該微生物の試験法作成は、それぞれの作業部会を組織し、本研究班の代表、分担、協力研究者が具体的な標準法作成の作業にあたった。各作業部会は、“食品からの細菌標準試験法作成方針”に従い “標準法検討委員会”の評価を受けながら作業を進めた。
結果と考察
平成26年度は、食品微生物の専門家21人で構成する“標準試験法検討委員会”を組織した。この委員会は年度中に5回開催し、セレウス菌、エルシニア、毒素であるセレウリドなどの試験法案について議論した。衛生指標菌試験法は、国際的な標準法であるISO法を参照法として標準試験法を検討した。メソッドバリデーションに関する情報収集を行うと共に、AOACインターナショナルの新しい考え方も取り入れて検討した。それぞれの試験法プロトコール案の策定は、作業部会単位で進めた。セレウス菌(荻原博和)、エルシニア(岡田由美子)、セレウリド(鎌田洋一)、衛生指標菌(伊豫田淳、日本食品分析センター、日本冷凍食品検査協会)に関して作業部会単位で検討を進めた。ウェルシュ菌標準試験法についても他の研究班に協力して試験法を検討した。検討委員会は“食品からの細菌標準試験法作成方針”に従い、試験法策定を進めた(五十君靜信は総括および検討委員会運営)。妥当性確認に関しては、松岡英明が担当し五十君が協力し作業部会で検討を進めた。これらの作業部会から提案された試験法案は親委員会で方向性を確認し、検討に合わせてステージを上げ、試験法の策定を行った。これらの検討内容は情報として国立医薬品食品衛生研究所のホームページに公開し、一般の方々に広く意見を求めた。さらに、学会・講演会、原著論文等で標準試験法や妥当性確認に関する情報提供を行った。
結論
本年度は、原案の作成と作業部会案作成に向けての検討(ステージ1~2)を行った。H26年度は“標準法検討委員会”を5回開催し、それぞれの試験法作成が適切に行われていることを確認すると共に、食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法を検討しその手法の確立を行った。他の研究班で検討したウェルシュ菌標準試験法の定量法は最終試験法とした。妥当性確認については、比較対照表を基に、AOACインターナショナルで新たに提案されたガイドラインを参考にして、ISO 16140に示された項目との異同について検討し、ガイドライン案の内容を確認し、原案作成を行った。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201426033Z