鉛及びヒ素などの食品汚染物質の実態調査ならびにその健康影響に関する研究

文献情報

文献番号
201426019A
報告書区分
総括
研究課題名
鉛及びヒ素などの食品汚染物質の実態調査ならびにその健康影響に関する研究
課題番号
H25-食品-一般-006
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
香山 不二雄(自治医科大学 医学部環境予防医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 貴彦(旭川医科大学 健康科学講座)
  • 野原 恵子(国立環境研究所 環境生理部 環境生理研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
6,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
胎児期および幼少時の低濃度の鉛曝露は中枢神経系の発達に悪影響を与え、IQ の低下が危惧され、JECFA、EFSAなどで耐容摂取量の再評価が予定されている。また、無機ヒ素曝露の影響評価のためのバイオマーカーの検索が喫緊の課題である。我が国の平均的な鉛及びヒ素の曝露量は低い。しかし、食生活や曝露経路およびヒ素の化学型分布が欧米とは大きく異なるため、我が国の曝露実態と影響評価が必要である。鉛及びヒ素曝露のハイリスク集団である胎児および小児の生体負荷量とその曝露源を確認し、健康影響および生体影響の可能性の有無について調査することを目的とする。
研究方法
【調査地域】鉛およびヒ素の露の比較的高い旭川市を選んだ。また、対照地区として栃木県下野市を選んだ。さらに、パキスタンのカラチ市は大気汚染や食品汚染から鉛曝露の高い地域、インダス川流域のシンド州Khairpurは地下水の飲水からのヒ素曝露の高い地域として調査地域とした。【実施計画】調査地域で妊婦をリクルートし、出生児及びその兄弟姉妹(18-60月齢)を被験者とする。25~27年度に旭川市では吉田貴彦が、下野市では香山不二雄が、パキスタンのカラチ市およびKhairpurではZafar Fatmiが、それぞれ50家族の被験者を募る。リクルートした妊婦の家庭で、妊娠後期の時期に、朝1番の井戸水または上水道中の鉛濃度を測定する。また、掃除機に汎用ゴミパックを取り付け1ヶ月のゴミを収集し、ハウスダスト中の鉛および総ヒ素濃度を測定する。兄弟姉妹の陰膳3日分をプールして収集する。生体負荷量としては、妊婦の尿および臍帯血清中、化学型別ヒ素、3価、5価のヒ素、MMA, DMA, TMA, アルセノベタイン、アルセノコリン等および臍帯全血中の鉛を、外部測定機関にて測定する。その兄弟姉妹(18~60月齢)の血中鉛、ヒ素濃度を測定する。また、早朝一番の水道水または井戸水を収集し、pHも測定しておく。陰膳および飲水からの鉛およびヒ素の曝露量を算出する。健康影響に関しては、井戸水からのヒ素曝露の高いパキスタン・シンド州Khairpurでの収集する生体試料との差を解析する。平成25、26年度に、それぞれ旭川市、下野市、カラチ市、シンド州Khairpurでの一部試料を利用して、野原により解析遺伝子の候補を検索し、平成27年度に影響のバイオマーカーと推定される遺伝子発現及びエピジェネティック変異の解析を実施する。
結果と考察
平成26年度は、①自治医大班では、自治医科大学付属病院産科、木村クリニック、樹レディスクリニック、和田マタニティクリニック、山中レディースクリニックにて、妊婦のリクルートを始めた。すでに、60家族の登録が終わり、30家族分の陰膳サンプル中の総ヒ素、無機ヒ素、鉛の測定を終えた。また、30家族分の飲料水中、無機ヒ素および鉛の測定を終えた。44家庭のハウスダストが収集が終わっている。31家族分の生体試料が収集が終わった。サンプルが揃って、分析を行う。
②旭川医科大学班では、マンパワー不足と産科クリニックとの距離、出産数の少なさなど、リクルートがうまく進んでいない。妊婦が6名、小児が6名の同意が取れ、サンプルの収集を行っている。以上のような状況で、旭川での目標を20家族とし、自治医大班で80家族のリクルートに増やし、全体で100家族にするように研究計画を変更し、自治医科大学遺伝子解析倫理審査委員会で承認された。
④パキスタンでの調査は、研究代表者の香山が、カラチに行き、サンプル調整の指導を行い、実際にハウスダスト等を持ち帰り、X線蛍光分析にて一部測定を行い、測定域であった。カラチでのリクルート数は、41家族、陰膳収集終了が21家族であり、Khairpur地域でのリクルート数は26家族である。出産数が多く、後2ヶ月で予定の各50家族のリクルートが終わり、サンプル収集も9月中に終了する予定である。
結論
サンプルの分析および解析が途中であり、まだ結論を出す段階ではない。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201426019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,918,000円
(2)補助金確定額
8,918,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,177,921円
人件費・謝金 1,579,092円
旅費 142,075円
その他 1,960,912円
間接経費 2,058,000円
合計 8,918,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
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