診療の補助における特定行為等に係る研修の体制整備に関する研究

文献情報

文献番号
201424042A
報告書区分
総括
研究課題名
診療の補助における特定行為等に係る研修の体制整備に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-医療-指定-029
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
春山 早苗(自治医科大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 淺田 義和(自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター)
  • 阿部 幸恵(東京医科大学病院 シミュレーションセンター)
  • 大湾 明美(沖縄県立看護大学)
  • 亀崎 豊実(自治医科大学 地域医療学センター)
  • 波多野 浩道(鹿児島大学 医学部)
  • 本多 正幸(長崎大学 医歯薬学総合研究科)
  • 本田 芳香(自治医科大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究目的は看護師が就労する地域や施設の規模による受講機会や研修内容の格差を最小限にするための方策を検討することであり、2つの研究課題を設定した。研究課題1はへき地や離島を含む地域で働く看護師の高度臨床実践能力の向上に資する遠隔教育の手法等の検討であり、研究課題2は高度な専門知識及び技能をもって行う必要のある行為について、各医療機関等において実施される研修のあり方(特に実習等の指導に関わること)の検討である。
研究方法
研究課題1では看護職を対象としたICT教育・研修の実態と課題を明らかにするために、特定機能病院全83施設、へき地医療拠点病院全258施設及びへき地医療拠点病院以外で単科ではない100床以上400床未満の病院全459施設の計800施設に対し、郵送自記式質問紙調査を実施した。また、医療以外の分野・医療分野・看護分野における遠隔教育等に関する文献検討等を行った。研究課題2では、効果的な指導を行えるための指導者に対する研修内容・方法を検討するために、医師・看護師を対象とした研修等の実情に詳しい有識者9名による会議を3回開催した。また、診療の補助に係る看護師の育成に既に取り組んでいる医療機関や団体3カ所を対象に教育上の課題等についてヒアリングを行った。
結果と考察
ICT教育等の実態と課題に関する調査の結果、ICT教育等を実施しているのは特定機能病院では約7割、へき地医療拠点病院及び100床以上400床未満の病院では約4割であった。未実施群におけるICT教育等にかかわる教育対象者の課題は、特定機能病院では「パソコンが苦手な看護職が多い」が約5割であり、へき地医療拠点病院及び100床以上400床未満の病院では「個人的にネット環境が整っていない看護職は利用しにくい・利用しない」が約5割であった。組織上・実施上の課題は、病院種別に関わらず「運用・管理の経費が大きい」、「ICT環境が整っていない」の順に多く、その他、へき地医療拠点病院では「活用・運用・管理できる人材がいない」が約5割あった。文献検討は看護師を対象とした遠隔教育等に関する23文献を詳細に検討した。その結果、受講者のモチベーションの維持や受講者へのフィードバック、受講者同士の交流の機会の設定・促進等が課題としてあげられていた。有識者会議では、指導者研修の期間や形式、プログラム等を検討した。ヒアリング結果から明らかになった課題には、受講者のモチベーションを維持するための指導者のサポート役割、研修修了者のフォローの方法、受講者が所属する施設スタッフの理解等があった。
結果から、へき地医療拠点病院や小中規模病院が指定研修機関又は実習協力施設となり、当該看護師やへき地で働く看護師が身近な所で研修(の一部)を受講できるようにするためには、第一に、ICTによる研修を実施するための環境整備に関する方策が必要である。第二に、eラーニングに不慣れな受講者等のために、ICT教育にかかわる学習環境整備のための受講者への支援方策が、特にへき地医療拠点病院や小中規模病院において必要と考えられる。第三に、学習目標の達成度に関する受講者へのフィードバックやモチベーションの維持を含めた個々の受講者へのフォローが課題であることから、受講者個々の学習目標到達状況及び進度に合わせたICT教育にかかわる学修支援方策が必要である。第四に、eラーニングの手法に精通した人材及び経費の確保等のICT教育の運用・管理にかかわる負担を軽減するための方策が、特に、へき地医療拠点病院や小中規模病院において必要と考えられる。最後に、特定行為研修は新たな制度であり、対応する教育用コンテンツが殆どない中、コンテンツ作成に関する時間の確保や負担の軽減が課題にあり、ICT教育用のコンテンツ作成のための方策が必要であると考えられた。以上の結果に基づいて、講義部分に焦点を当てた「就労継続支援型の看護師の特定行為研修の実施にあたっての手引き」と、手引きをより具体化した「特定行為におけるICTを活用した教育例集」を作成した。また、ヒアリング結果も参考に有識者会議で検討した結果に基づき、「看護師の特定行為研修に係る実習等の指導者研修の開催の手引き」を作成した。
結論
看護師が就労する地域や施設の規模による受講機会や研修内容の格差を最小限にするための方策として、A.ICTによる研修を実施するための研修機関側の環境整備に関する方策、B.ICT教育にかかわる学習環境整備のための受講者への支援方策、C.受講者個々の学習目標到達状況及び進度に合わせたICT教育にかかわる学修支援方策、D.ICT教育の運用・管理にかかわる負担を軽減するための方策、E.ICT教育用のコンテンツ作成のための方策が必要であり、特にA、B、Dはへき地医療拠点病院や小中規模病院に対し必要となる方策と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201424042Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,200,000円
(2)補助金確定額
5,200,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 153,006円
人件費・謝金 1,172,304円
旅費 979,230円
その他 1,695,460円
間接経費 1,200,000円
合計 5,200,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
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