文献情報
文献番号
201424039A
報告書区分
総括
研究課題名
医療従事者の業務範囲拡大に関する研究(診療放射線技師、臨床検査技師)
課題番号
H26-医療-指定-026
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
北村 聖(東京大学 大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
チーム医療を推進するための方策として、法律改正に係る事項として診療放射線技師・臨床検査技師の業務範囲の見直しが検討結果(※1)として出された。平成25年11月8日に社会保障審議会医療部会において報告され、その改正法案を平成26年通常国会に提出する見込となった。
※1 平成25年11月8日に社会保障審議会医療部会資料より
<改正の内容>
○診療放射線技師
診療検査技師が実施する検査等に伴い必要となる以下の行為を、診療の補助として追加。
①造影剤の血管内投与に関する業務
②下部消化管検査に関する業務
③画像誘導放射線治療(image-guided radiotherapy : IGRT)に関する業務
○臨床検査技師
以下の行為については、それぞれ検査と一貫して行うことにより、高い精度と迅速な処理が期待されることから診療の補助として医師の具体的指示を受けて行うものとして、臨床検査技師の業務範囲に追加。
➀微生物学的検査等(インフルエンザ等)における検体採取
②微生物学的検査等(細菌・真菌検査等)における検体採取
③微生物学的検査等(糞便検査)における検体採取
業務範囲の見直しにあたり、追加された行為等を安全かつ適切に行うために必要な教育及び既に資格を持っている者に対する研修等を行う必要がある。このため本研究では、追加された行為等を安全かつ適切に行うための教育や研修の内容について有識者の意見を踏まえ、教育・研修の基準案を作成する。
また、臨床検査技師については、平成24年10月に日本臨床衛生検査技師会及び日本耳鼻咽喉科学会から要望があった味覚検査・嗅覚検査について、簡単な検査で侵襲性も低く、安全性も確認できていること、また、時間がかかることから臨床検査技師が当該検査を行うことは必要との意見があり、臨床検査技師が行うことができる生理学検査に追加する見込であることから、当該検査に係る教育内容についても併せて研究を行う。
※1 平成25年11月8日に社会保障審議会医療部会資料より
<改正の内容>
○診療放射線技師
診療検査技師が実施する検査等に伴い必要となる以下の行為を、診療の補助として追加。
①造影剤の血管内投与に関する業務
②下部消化管検査に関する業務
③画像誘導放射線治療(image-guided radiotherapy : IGRT)に関する業務
○臨床検査技師
以下の行為については、それぞれ検査と一貫して行うことにより、高い精度と迅速な処理が期待されることから診療の補助として医師の具体的指示を受けて行うものとして、臨床検査技師の業務範囲に追加。
➀微生物学的検査等(インフルエンザ等)における検体採取
②微生物学的検査等(細菌・真菌検査等)における検体採取
③微生物学的検査等(糞便検査)における検体採取
業務範囲の見直しにあたり、追加された行為等を安全かつ適切に行うために必要な教育及び既に資格を持っている者に対する研修等を行う必要がある。このため本研究では、追加された行為等を安全かつ適切に行うための教育や研修の内容について有識者の意見を踏まえ、教育・研修の基準案を作成する。
また、臨床検査技師については、平成24年10月に日本臨床衛生検査技師会及び日本耳鼻咽喉科学会から要望があった味覚検査・嗅覚検査について、簡単な検査で侵襲性も低く、安全性も確認できていること、また、時間がかかることから臨床検査技師が当該検査を行うことは必要との意見があり、臨床検査技師が行うことができる生理学検査に追加する見込であることから、当該検査に係る教育内容についても併せて研究を行う。
研究方法
本研究については、診療放射線技師と臨床検査技師の業務範囲の追加される行為等に必要な教育内容を検討することから、どちらの職種にも対応可能な医学教育の専門である主任研究者(北村聖)が、研究総括を担当する。診療放射線技師と臨床検査技師はそれぞれ必要な教育内容を検討することとし、それぞれの医学の専門である研究協力者(診療放射技師担当:本田宏、臨床検査技師担当:諏訪部明)が各職種のとりまとめを行う。とりまとめを行った後、研究総括である主任研究者やチーム医療の観点から見られる者も含めた研究協力者による確認後、研究結果のとりまとめを行う。
まず、既に行為を行っている他の医療従事者(医師、看護師等)の教育・研修内容についての資料を収集し、現在の診療放射線技師・臨床検査技師の現在の教育内容との比較を行う。
加えて、追加される行為について医学的な見識を持った専門家や、実際に行為を行う診療放射線技師・臨床検査技師の代表者により適切な教育・研修について検討する。この際、現在行われている診療放射線の造影剤の投与等については、合併症等の事例の情報収集を行い、その行為等の注意点を参考にする。
このような検討を踏まえ、それぞれの職種に追加されるべき教育内容について必要な単位数、必要な教育体制、必要な教育機器等の基準案をまとめる。
まず、既に行為を行っている他の医療従事者(医師、看護師等)の教育・研修内容についての資料を収集し、現在の診療放射線技師・臨床検査技師の現在の教育内容との比較を行う。
加えて、追加される行為について医学的な見識を持った専門家や、実際に行為を行う診療放射線技師・臨床検査技師の代表者により適切な教育・研修について検討する。この際、現在行われている診療放射線の造影剤の投与等については、合併症等の事例の情報収集を行い、その行為等の注意点を参考にする。
このような検討を踏まえ、それぞれの職種に追加されるべき教育内容について必要な単位数、必要な教育体制、必要な教育機器等の基準案をまとめる。
結果と考察
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号)が、平成27年4月1日より施行されるため、平成26年9月29日に開催されたチーム医療推進方策検討ワーキンググループに本研究を報告した。(参考資料参照)
その後、本研究を踏まえた研修内容を制定する平成27年2月12日付で「診療放射線技師学校養成所指定規則及び臨床検査技師学校養成所指定規則の一部を改正する省令」が公布された。
本研究では、学校養成所における単位数として、93単位を95単位へ増加させること、既免許取得者に対する追加研修として、16時限(1時限=50分)の研修カリキュラムとし、医療安全上の配慮を重視してとりまとめた。
今回拡大される業務内容は初めて業務範囲に追加されることから同様の先行研究は無かった。このため、平成27年4月以降、業務が拡大されることとなるが、この研修内容により、適切に業務が行えるのか、特に医療安全上の問題点の有無について、検証を行っていく必要があると考える。
その後、本研究を踏まえた研修内容を制定する平成27年2月12日付で「診療放射線技師学校養成所指定規則及び臨床検査技師学校養成所指定規則の一部を改正する省令」が公布された。
本研究では、学校養成所における単位数として、93単位を95単位へ増加させること、既免許取得者に対する追加研修として、16時限(1時限=50分)の研修カリキュラムとし、医療安全上の配慮を重視してとりまとめた。
今回拡大される業務内容は初めて業務範囲に追加されることから同様の先行研究は無かった。このため、平成27年4月以降、業務が拡大されることとなるが、この研修内容により、適切に業務が行えるのか、特に医療安全上の問題点の有無について、検証を行っていく必要があると考える。
結論
本研究を踏まえて、診療放射線技師・臨床検査技師の業務拡大が適切に行われ、一層のチーム医療の推進につながることを期待する。
公開日・更新日
公開日
2015-05-25
更新日
-