歯科専門職の資質向上を実現するために具有すべき条件に関する研究

文献情報

文献番号
201424021A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科専門職の資質向上を実現するために具有すべき条件に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-015
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西原 達次(九州歯科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 荒木 孝二(東京医科歯科大学大学院)
  • 一戸 達也(東京歯科大学)
  • 田上 順次(東京医科歯科大学大学院)
  • 福泉 隆喜(九州歯科大学)
  • 藤井 規孝(新潟大学大学院)
  • 前田 健康(新潟大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
2,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 高齢社会を迎えた我が国において、様々な基礎疾患等を有する高齢の患者等に対応できる歯科医療人の育成などが求められている。
 一方、歯学部入学定員割れや入学者の偏差値の低下などの社会的情勢の変化に伴い、歯科医師の資質向上という視点で、学部教育、歯科医師国家試験、歯科医師臨床研修、生涯研修という、歯科医師のキャリアパスに沿った継続的なスキルアップを図る必要がある。本研究では、2年間の研究期間の間に、円滑に歯科医師の資質向上を図るための課題を明らかにし、課題解決のための方策について検討を行うことを目的としている。
研究方法
 本研究においては、卒業前の学部教育におけるCBTなどの成績から、歯科医師国家試験にいたるまで、それぞれのステージの現況を示す各種の指標を調査し、歯科医師養成課程並びに歯科医師の資質向上に関する課題について検討した。具体的には、次のように検討を行った。
1)対象施設
 研究代表者及び研究分担者が所属する公立歯科大学1校、国立大学歯学部2校、私立歯科大学1校、計4校を調査対象施設とした。
2)調査対象
 平成24年3月、平成25年3月、平成26年3月に、上記の各大学を卒業した学生が、それぞれ平成22年、平成23年、平成24年に受験したCBTの成績を調査対象とした。
3)層化基準
 上記の学生の層化基準は、国試の合否とし、それぞれ第105回、第106回、第107回国試の合否によって層別化した。
4)比較項目
 国試の合否によって層別化した上記の学生のCBTの成績のうち、①全体正答率、②基礎分野(旧コアカリD及びE領域)の正答率、③総得点に対する基礎分野(旧コアカリD及びE領域)の得点の構成割合について、国試合格群と国試不合格群の差異を比較した。
5)検定方法
 前述の国試合格群と国試不合格群の比較は、両群間で、平均値及び標準偏差の比較並びに有意差の検定を行った。有意差の検定には、対応のないt検定を用いた。
結果と考察
 歯科医師国家試験の制度改善に資するため、学部教育(なかでもCBTの成績)と歯科医師国家試験との関連を中心に調査・検討を進めており、歯科医師国家試験の合否で層別化した場合、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点及び基礎領域の得点が、不合格者のそれより有意に高いことを明らかにした。また、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点に占める基礎領域の得点の構成割合は、不合格者のそれと比較して、有意差がないことなどを明らかにした。
結論
 学部教育(なかでもCBTの成績)と歯科医師国家試験の成績が、総得点においても基礎領域においても同様の傾向を示したことから、歯科医師国家試験出題基準の見直しにおいて、CBTの出題範囲との調整など、今後の検討に値するものである。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201424021Z