文献情報
文献番号
201424015A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機能情報による患者受療行動への影響に関する調査と検討
課題番号
H26-医療-一般-009
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
鋪野 紀好(千葉大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 生坂 政臣(千葉大学 医学部附属病院)
- 大平 善之(千葉大学 医学部附属病院)
- 上原 孝紀(千葉大学 医学部附属病院)
- 野田 和敬(千葉大学 医学部附属病院)
- 鈴木 慎吾(千葉大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,077,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療に関する情報について実態把握が求められる中、本研究では医療機能情報提供制度(以下、医療情報ネット)の普及状況、患者受療行動への影響を与える情報を調査した。
研究方法
本研究は、千葉大学医学部附属病院総合診療部(以下、大学病院)・市中病院・診療所を受診した初診患者を対象として行った。具体的には、大学病院の所在地である千葉県内の診療所(千葉市)、市中病院(千葉市、木更津市、いすみ市)、および大学病院を受診した20歳以上の初診患者(紹介状の有無は問わない)で、かつ、本研究に同意を得られた者を対象とした。
対象者に対し、研究の概要を記載した説明書および調査票を配布し、記入させた。調査票の内容は、研究代表者、研究分担者および本研究に協力頂く診療所、市中病院の担当医師で検討の上、決定した。
年齢、性別、有症期間、インターネットの利用状況、紹介状の有無、受診理由、医療情報ネットの認知度・認知した情報源・需要、利用したことがある場合は利用頻度・満足度・利用した情報と医療機関の実情・患者の受療行動に与える影響が大きい医療機能情報とその理由、今後提供して欲しい情報等、調査票の各項目について集計し、医療情報ネットの認知度や利用状況の実態、医療情報ネットを利用し大学病院・市中病院・診療所を受診した患者間における差および有症期間の違いによる差について比較検討を行った。
対象者に対し、研究の概要を記載した説明書および調査票を配布し、記入させた。調査票の内容は、研究代表者、研究分担者および本研究に協力頂く診療所、市中病院の担当医師で検討の上、決定した。
年齢、性別、有症期間、インターネットの利用状況、紹介状の有無、受診理由、医療情報ネットの認知度・認知した情報源・需要、利用したことがある場合は利用頻度・満足度・利用した情報と医療機関の実情・患者の受療行動に与える影響が大きい医療機能情報とその理由、今後提供して欲しい情報等、調査票の各項目について集計し、医療情報ネットの認知度や利用状況の実態、医療情報ネットを利用し大学病院・市中病院・診療所を受診した患者間における差および有症期間の違いによる差について比較検討を行った。
結果と考察
対象者は937名であり、775名[男性352名(45.5%)、女性423名(54.5%)、平均年齢52歳]から有効回答を得た(回収率86.0%、有効回答率96.2%)。医療情報ネットを認知していた者は80名(10.3%)に留まった。医療情報ネット利用歴のある者は36名(4.6%)であり、利用された情報の中では、かんたん検索34件、目的別検索17件、疾病事業別12件の順に多かった。その細目ではいずれも「医療機関」が最多であった。医療情報ネットの満足度は「大変役に立った」が11名(30.6%)、「おおむね役に立った」が12名(33.3%)、医療情報ネットの制度需要は「おおいにそう思う」が114名(14.7%)、「そう思う」が410人(53.0%)と肯定的意見が多数を占めた。さらに実際の利用者での制度需要は「おおいにそう思う」が8名(22.0%)、「そう思う」が21名(58.3%)とさらに高かった。
結論
医療情報ネットの普及率が低いことが今回の調査で明らかとなった。そのため利用者も限られているのが実態である。医療情報ネットの需要は高いため、医療情報ネットの普及が今後の最大の課題となる。普及のためにはインターネットや新聞、テレビなどの媒体を用いて幅広い年齢層に認知させる必要がある。さらに今後は全国区を対象とした調査と検討が必要と考えられた。
公開日・更新日
公開日
2015-05-21
更新日
-