HIV感染症の医療体制の整備に関する研究

文献情報

文献番号
201421031A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症の医療体制の整備に関する研究
課題番号
H25-エイズ-指定-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 俊広(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 統括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 政弘(独立行政法人国立病院機構九州医療センター AIDS/HIV総合治療センター )
  • 岡 慎一(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 豊嶋 崇徳(北海道大学病院 輸血部)
  • 田邊 嘉也(新潟大学医歯学総合病院 感染管理部)
  • 中谷 安宏(石川県立中央病院 免疫感染症科)
  • 横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター エイズ治療開発センター)
  • 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
  • 白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センター)
  • 藤井 輝久(広島大学病院 輸血部)
  • 宇佐美 雄司(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 歯科口腔外科)
  • 池田 和子(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 山中 京子(大阪府立大学 人間社会学部)
  • 潟永 博之(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 田中 千枝子(日本福祉大学 社会福祉学部保健福祉学科)
  • 吉野 宗宏(独立行政法人国立病院機構姫路医療センター)
  • 照屋 勝治(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 杉浦 亙(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 エイズ対策研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
89,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はブロック拠点病院、各県の中核拠点病院、拠点病院や地域の一般医療機関、福祉・介護施設、行政などとの連携を深め、継続可能で格差のない均てん化されたHIV医療体制及び地域としての包括的な医療構築を目的とする。
研究方法
1)各ブロック拠点病院のHIV医療体制整備研究・・8ブロックおよび首都圏が、その地域において目的と期待される成果が明確な研修会を実施し、病院連携、病病・病診連携を促す。
2)専門職種による横断的なHIV医療体制整備・・医科診療体制整備・歯科診療体制整備・HIV医療包括ケア整備において基礎データ収集と課題の抽出と解決のためのアプローチを行う。
3)HIV医療体制整備の構築支援・・費用対効果に関する研究・全身管理のための研究・エイズ診療支援ネットワーク構築に関する研究・挙児希望にかかるカウンセリング体制整備に関する研究を行なう。
結果と考察
HIV医療体制現状把握のための基礎資料を収集(「拠点病院診療案内」等)し診療スタッフ配置やチーム医療を目指した診療体制整備等状況を把握した。各ブロックおよび首都圏においては、例年100以上の研修会講演会を開催し、一般医療機関や福祉・介護施設においてHIV患者の受け入れが促進され、在宅医療導入なども促されてきている。透析医療および介護福祉ネットワークの構築が一部地域ですすんだ。HIV診療可能な歯科開業医間のネットワークはブロック拠点病院のある都道府県ではほぼ整備された。包括ケア整備では、MSWのためのミニマムスタンダードを定めテキストを作成した。メンタルヘルス増進をめざしエイズ中核相談事業活用ガイドを作成し、HIVカウンセリング体制立ち上げの際の具体例を提示した。HIV検査受診群はいきなりエイズ群に比べて費用対効果が高いこと、わが国のHIV検査はMSMとうハイリスクグループに対して効果的に提供されている可能性も示唆された。全身管理の研究では、患者家族対応も含めた包括的医療を実施(ACC)した。薬剤耐性検査ガイドラインはver.8を作成配布した。生殖カウンセリング構築ではガイドラインを作成した。
結論
HIV治療の進歩により長期生存が可能となり、それに伴う高齢化と種々の合併症の問題が新たに出現してきており、拠点病院levelでの対応だけでは困難になってきている。研修会等情報提供を継続し一般病院や施設などへ患者受け入れ促進を目標としてきたが、いまだ不十分な状況である。地域全体として包括的医療ケアが実践できるよう医療体制整備に向けた活動継続が必要ある。

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201421031B
報告書区分
総合
研究課題名
HIV感染症の医療体制の整備に関する研究
課題番号
H25-エイズ-指定-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 俊広(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 統括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 豊嶋 崇徳(北海道大学病院 血液内科)
  • 岡 慎一(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 田邊 嘉也(新潟大学医歯学総合病院 感染管理部)
  • 中谷 安宏(石川県立中央病院 免疫感染症科)
  • 横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター エイズ治療開発センター)
  • 白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センター)
  • 藤井 輝久(広島大学病院 輸血部)
  • 山本 政弘(独立行政法人国立病院機構九州医療センター AIDS/HIV総合治療センター)
  • 宇佐美 雄司(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 歯科口腔外科)
  • 池田 和子(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 山中 京子(大阪府立大学 人間社会学部)
  • 田中 千枝子(日本福祉大学 社会福祉学部保健福祉学科)
  • 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
  • 潟永 博之(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター )
  • 杉浦 亙(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
  • 照屋 勝治(独立行政法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 吉野 宗宏(独立行政法人国立病院機構姫路医療センター 薬剤科)
  • 前田 憲昭(医療法人社団皓歯会阪急グランドビル診療所)
  • 上田 幹夫(恵寿金沢病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 エイズ対策研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国では血液製剤による薬害HIV感染を除いて累計24,000人を越える患者報告がなされている。全ての患者により良質な格差のない医療提供するために、本研究はHIV医療体制の現状把握のための基礎資料を収集し、ブロック拠点病院、各県の中核拠点病院、拠点病院や地域の一般医療機関、福祉・介護施設、行政などとの連携を深め、継続可能で格差のない均てん化されたHIV医療体制及び地域としての包括医療構築を行うことを目的とする。
研究方法
研究内容により大きく3つに分け、研究を実施した。1)各ブロック拠点病院のHIV医療体制整備研究 8ブロックおよび首都圏が、その地域において目的と期待される成果が明確な研修会を実施し、病院連携、病病・病診連携を促す。2)専門職種による横断的なHIV医療体制整備 医科診療体制整備・歯科診療体制整備・HIV医療包括ケア整備において基礎データ収集と課題の抽出と解決のためのアプローチを行う。3)HIV医療体制整備の構築支援 費用対効果に関する研究・全身管理のための研究・エイズ診療支援ネットワーク構築に関する研究・挙児希望にかかるカウンセリング体制整備に関する研究など、後方的な分野での情報収集と研究活動も合わせておこなった。
結果と考察
HIV医療体制現状把握のための基礎資料を収集(「拠点病院診療案内」等)しチーム医療を目指した診療体制整備状況を把握した。各ブロックおよび首都圏においては、100以上の研修会講演会を開催し、一般医療機関や福祉・介護施設においてHIV患者の受け入れが促進され、在宅医療導入なども促されてきている。透析医療および介護福祉ネットワークの構築が一部地域ですすんだ。HIV診療可能な歯科開業医間のネットワークはブロック拠点病院のある都道府県ではほぼ整備された。包括ケア整備では、MSWのためのミニマムスタンダードを定めテキストを作成した。メンタルヘルスの増進をめざしエイズ中核相談事業活用ガイドを作成し、HIVカウンセリング体制立ち上げの具体例を提示した。HIV検査受診群はいきなりエイズ群に比べて費用対効果が高いことが示唆され、わが国のHIV検査はMSMとうハイリスクグループに対して効果的に提供されている可能性も示唆された。全身管理の研究では、患者家族対応も含めた包括的医療を実施(ACC)した。薬剤耐性検査ガイドラインはver.8を作成配布した。生殖カウンセリング構築ではガイドラインを作成した。
結論
HIV治療の進歩により長期生存が可能となり、それに伴う高齢化と種々の合併症の問題が新たに出現してきており、拠点病院levelでの対応だけでは困難になってきている。継続し一般病院や施設などへ患者受け入れ促進を目標としてきたが、不十分な状況である。地域全体として包括的医療ケアが実践できるよう医療体制整備に向けた活動継続が必要ある。

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-05-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201421031C

成果

専門的・学術的観点からの成果
全国のHIV診療拠点病院に関する基礎資料・統計を当班が継続的に収集している。得られた情報に基づき効果的な研修会・症例検討会・職種連携会議等を全国で年間100回以上実施しており、これは本研究班独自の成果である。HIV医療の均てん化、格差のない医療体制の構築へ向けた取り組みは、診療レベルの向上に貢献していおり、患者にとっても非常に重要な利点であると考える。病病、病診連携の活性化、地域における包括的医療がさらに進めば患者の利便性等さらに社会的な意義は増すと考えられる。
臨床的観点からの成果
HIV診療においては多部門の包括的連携が不可欠であるが、本研究では研究分担にこれら部門の専門家を据え、HIV医療の均てん化のための最良の診療を全国にフィードバックしている。併せて、全国各地で研究分担を中心とした「出張研修」を数多く実施し、これらの取り組みがチーム医療を促進し地域でのHIV医療体制モデルとなっている。現在、HIV診療の重要課題は長期治療と患者加齢に伴う合併症であり、その対応を一般医療機関でもできるよう各部門で研究している。
ガイドライン等の開発
薬剤耐性のガイドラインVer8、生殖医療カウンセリングガイドライン
その他行政的観点からの成果
研究分担の「費用対効果分析」において、HIVの早期発見・早期治療のためのHIV検査は費用対効果が高い施策であること、また、ハイリスク群への効果的なHIV検査の提供により費用対効果をさらに高めることが可能であることを検討し、政策提言を行った。
その他のインパクト
北海道ブロック分担では「北海道HIV透析ネットワーク」を立ち上げ、HIV患者の円滑な透析医療受入れ推進のモデルを提示した。

発表件数

原著論文(和文)
50件
原著論文(英文等)
62件
その他論文(和文)
23件
その他論文(英文等)
30件
学会発表(国内学会)
342件
学会発表(国際学会等)
30件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
2016-10-03

収支報告書

文献番号
201421031Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
116,350,000円
(2)補助金確定額
116,350,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 22,813,665円
人件費・謝金 7,422,775円
旅費 21,085,469円
その他 38,181,435円
間接経費 26,850,000円
合計 116,353,344円

備考

備考
利息、自己負担

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-