抗毒素の品質管理及び抗毒素を使用した治療法に関する研究

文献情報

文献番号
201420050A
報告書区分
総括
研究課題名
抗毒素の品質管理及び抗毒素を使用した治療法に関する研究
課題番号
H25-新興-指定-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
一二三 亨(香川大学医学部附属病院 救命救急センター)
研究分担者(所属機関)
  • 銀永 明弘(化学及血清療法研究所)
  • 堺 淳(日本蛇族学術研究所)
  • 沢辺 京子(国立感染症研究所)
  • 新井 智(国立感染症研究所)
  • 阿戸 学(国立感染症研究所)
  • 柴山 恵吾(国立感染症研究所)
  • 山本 明彦(国立感染症研究所)
  • 小井土 雄一(災害医療センター)
  • 黒田 泰弘(香川大学医学部附属病院 救命救急センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,2000年に厚生労働研究班によって作製されたヤマカガシ抗毒素とオーストラリアより研究班担当者が個人輸入したセアカゴケグモ抗毒素を安定的に供給することで国民の健康に直接貢献するとともに,それぞれの咬傷受傷者へ投与することでの実証的データを用いてヤマカガシ抗毒素およびセアカゴケグモ抗毒素の安全性と有効性を明らかにすることにある。
研究方法
アンケート調査によってセアカゴケグモ・ヤマカガシ咬傷の臨床像の詳細を把握する。またセアカゴケグモ・ヤマカガシ抗毒素を安定供給するために臨床研究の枠組みを整備する。
結果と考察
 ヤマカガシ抗毒素を用いた臨床研究については,まずヤマカガシ抗毒素の品質評価試験,力価測定を行い,さらにヤマカガシ抗毒素を使用した臨床研究を行うための倫理委員会承認,保険の加入,臨床研究を開始した。これにより,ヤマカガシ抗毒素の配備施設が群馬県と熊本県の2施設から東京都,神奈川県,香川県,高知県の4医療機関を加えて,日本全体に数時間以内でヤマカガシ抗毒素を供給できる体制を整備した。また緊急性が極めて高いため,研究班内に24時間体制での連絡体制を整備した。さらに,過去40年間の本邦でのヤマカガシ症例の臨床像を検討し,その病態を明らかにして誌上報告した。
 セアカゴケグモ抗毒素を用いた臨床研究については,まずセアカゴケグモ抗毒素を使用した臨床研究を行うための倫理委員会承認,保険の加入,臨床研究を開始する体制を整備した。セアカゴケグモ抗毒素のオーストラリアからの輸入が制限されたために,輸入可能な抗毒素を研究班で個人輸入し,臨床研究を開始した。緊急時に対応するために,行政に24時間体制で対応可能な研究班の連絡先を伝達し,セアカゴケグモ抗毒素を過去咬傷事例が報告されている地域と首都圏を中心に大阪府,福岡県,東京都,神奈川県,香川県に配備し,体制を整備した。それに並行してセアカゴケグモ抗毒素の安定的な供給を行うために,国産化セアカゴケグモ抗毒素製造計画を立案し,製造を開始した。毒の採取,力価試験の開発を行い,2015年には馬への免疫化を行い,2015年度中には製剤化が完成する予定である。さらに過去5年間の本邦でのセアカゴケグモ咬傷の臨床像を解析し,誌上報告した。
結論
ヤマカガシ、セアカゴケグモ咬傷の臨床像を詳細に把握し、抗毒素の安定供給を行うための臨床研究の枠組みを整備した。

公開日・更新日

公開日
2015-04-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201420050Z