利便性の高い五種混合ワクチンの開発に向けた研究

文献情報

文献番号
201420042A
報告書区分
総括
研究課題名
利便性の高い五種混合ワクチンの開発に向けた研究
課題番号
H25-新興-一般-020
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
森 康子(神戸大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 吉岡 靖雄(大阪大学 大学院薬学研究科)
  • 鶴田 宏樹(神戸大学 連携創造本部応用構造科学産学連携推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
29,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 現行の四種混合ワクチンにHHV-6Bワクチンを加えた利便性の高い五種混合ワクチン創生のために本年度はまずHHV-6Bワクチン開発のための研究を行った。
研究方法
HHV-6Bのワクチン原として候補としたのはHHV-6Bエンベロープ糖タンパク質複合体である。本構造タンパク質のワクチンとしての有効性を検討するため本年度は以下を行った。 
1. HHV-6B構造タンパク質の恒常的発現系およびその精製法の確立。
2. 精製されたHHV-6B構造タンパク質をマウスに免疫することによって構造タンパク質によって誘導される免疫能の解析。
3. HHV-6B構造タンパク質の立体構造解析のための精製方法および結晶化条件の検討。

結果と考察
1. HHV-6B構造タンパク質の発現系およびその精製系を確立することができた。今後は、ワクチンとして投与可能な構造タンパク質の発現系およびその精製法を検討していく必要がある。
2. 精製した構造タンパク質をマウスに免疫することによって中和抗体を誘導することができたことより、ワクチン原として使用できる可能性が見出された。今後は投与量や安全性について検討していく必要があると思われる。さらに安全かつ有効なアジュバントとの組み合わせを考えて、細胞性免疫の誘導についても検討していく必要があると思われる。
3. ナノシリカのサイトカイン産生のメカニズムを解析した。今後は安全性を明らかにし、HHV-6Bワクチンアジュバントとして有効であるかを解析する必要がある。
結論
HHV-6Bのワクチン原として候補としたのはHHV-6Bエンベロープ糖タンパク質複合体である。その免疫原性をマウスに免疫することによってその有効性を示した。さらに新規アジュバント候補を見出した。ワクチンアジュバントとしてナノシリカの有用性を見出した。さらにナノシリカの粒子サイズにより、サイトカイン産生が異なること、さらには、これまでに知られていなかった新たなメカニズムでサイトカインを産生し得る可能性を見出した。

公開日・更新日

公開日
2015-04-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201420042Z