新型インフルエンザ等発生時における予防接種の円滑な実施に関する研究

文献情報

文献番号
201420007A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザ等発生時における予防接種の円滑な実施に関する研究
課題番号
H26-新興行政-指定-005
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(川崎市健康安全研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 田辺 正樹(三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,885,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型インフルエンザ等対策特別措置法、新型インフルエンザ等対策政府行動計画、新型インフルエンザ等対策ガイドラインにより、新型インフルエンザ発生時における新たな予防接種制度が設けられた。重篤かつ感染の拡大が大きい新型インフルエンザ等発生時には、医療関係者等を対象とした「特定接種」、及び、全住民を対象とした「住民接種」が行われることとされており、ガイドライン等において接種順位の考え方が示されている。市町村が接種体制を構築するにあたって参考となるモデルを示し、通常と異なる予防接種の実施を可能な限り円滑に行い、新型インフルエンザ発生時の混乱の回避及び健康被害の減少を図るための準備の一環とすることが本研究の目的である。
研究方法
平成25年度厚生労働科学研究費補助金「新型インフルエンザ等発生時の市町村におけるワクチンの効率的な接種体制のあり方の検討」(研究代表者 和田耕治)の分担研究「市町村における新型インフルエンザ住民接種の体制に関する研究」(研究分担者 岡部信彦)の研究成果として、平成26年2月に発出された「市町村のためのにおける新型インフルエンザ等住民接種に関する集団的予防接種のための手引き」等を参考に、各市町村においては住民に対する集団的接種体制の構築に関する検討が行われている。そこで、住民接種に関して、市町村の検討状況につき調査を行い、現状把握を行った上で新たな課題等に関する検討を行うこととした。また、研究代表者岡部を座長とし、研究分担者・研究協力者からなる検討会を設け、具体的な接種体制を構築、あるいは訓練の実施を予定するなど先進的な取組みを行っている市町村をピックアップし、接種体制のモデル案を策定した。
結果と考察
特定接種に関しては、流通スキームを明らかにして、後述の住民接種に関する手引きに書き加えたが、特定接種(医療分野)の登録状況などについては、基本データが不十分であり、ワクチン配分のシミュレーション、新型インフルエンザ等対策に関する研修会の開催までには至らなかった。
住民接種に関しては、上記のような方法で検討を重ね、「新型インフルエンザ等発生時における住民接種体制構築に関する手引き」を策定した。手引きは単一の方法を示すのではなく、自治体によってさまざまな特性があることを考慮し、大規模市(川崎市・神戸市)、中規模市(相模原市)、小規模市(鈴鹿市・武蔵村山市)などにおけるモデル案を提示し、各市町村が住民接種体制を構築する際のそれぞれの実情に近いところを参考にすることができるようにした。
結論
手引きの内容は、検討時点で把握可能な情報をもとに、各市で検討したモデル例であり、手引きの内容が、各市町村における住民接種体制の構築を規定するものでない。
手引きは、新型インフルエンザ等対策ガイドラインや平成25年度厚生労働科学研究班手引きを補完する位置づけであり、各市町村においては、参考資料として活用されるようになれば幸いである。そのために、手引きについては自治体・医師会などへの配布、公的機関のホームページ掲載、国・自治体が行う研究会などでの紹介・、説明などの機会設定、学会等での研究発表を、本報告書作成時点で計画している。

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201420007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
人口規模の異なる5か所のモデル市において住民接種体制を具体的に検討し、その過程及び結果を手引きとしてまとめ、全国の市町村が実効性のある体制を計画するための参考資料として広く活用できるよう配慮した。
臨床的観点からの成果
集団接種会場の設定、医療従事者の確保、接種体制のシミュレーション等接種体制を検討するにあたっての課題が見えてきた。
ガイドライン等の開発
「新型インフルエンザ等発生時における住民接種体制構築に関する手引き(暫定版)」をまとめ、全国の都道府県、市町村及び特別区並びに都道府県医師会等に配布した。
その他行政的観点からの成果
2015年5月14日の大都市衛生主管局長会議の協議事項「新型インフルエンザ等対策に関する取組状況について」の検討において手引きを配布し、各自治体で具体的な取組みが進むよう説明を行った。
その他のインパクト
週刊保健衛生ニュース(2015年6月1日第1810号)に掲載された。また、2015年11月1日開催の平成27年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修(厚生労働省主催)において、研究分担者が講演を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201420007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,750,000円
(2)補助金確定額
3,750,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 405,131円
人件費・謝金 0円
旅費 418,766円
その他 2,061,134円
間接経費 865,000円
合計 3,750,031円

備考

備考
当初、アンケート調査や研修会の開催を検討していたため、調査に必要な人件費・賃金、研修会に必要な旅費を計上していたが、班会議を進めていくうちに、モデル例を増やした手引きを作成・周知することにより、それぞれの実情に近いところを参考として実現可能な体制構築に資することができるよう、方針変更することとした。
よって、人件費・賃金及び旅費をその他に用途変更し、差額(31円)は研究代表者が自己負担した。

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-