文献情報
文献番号
201419023A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者保健福祉手帳の判定マニュアルの作成及び実態把握に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H24-精神-一般-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
宮岡 等(北里大学 1)医学部精神科学2)東病院精神神経科)
研究分担者(所属機関)
- 太田 順一郎(岡山市こころの健康センター)
- 山崎 正雄(高知県立精神保健福祉センター)
- 黒田 安計(さいたま市保健福祉局保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,039,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今年度の研究班の目的は、平成24年度、平成25年度の厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業(精神障害分野))「精神障害者保健福祉手帳の判定マニュアルの作成及び実態把握に関する研究」(研究代表者:宮岡等)の研究成果をもとに、「精神障害者保健福祉手帳の等級判定マニュアル」を策定することにある。これまでの研究をもとに作成した新たな「精神障害者保健福祉手帳の等級判定マニュアル(案)」(以下、新マニュアル案)の内容を評価・検討するために、精神障害者保健福祉手帳の等級判定業務を行っている全国の精神保健福祉センターにおいて、等級判定会議に提出された実際の診断書を新マニュアル案に沿って等級判定を試行してもらい、実際の等級判定結果と比較分析した。またアンケート調査結果を基に、昨年度に作成した新マニュアル案に修正を加え、新たなマニュアルとして完成させることを目的とした。
研究方法
「精神障害者保健福祉手帳の新等級マニュアル案に関する調査」を実施し、全国の精神保健福祉センター所長並びに精神障害者保健福祉手帳判定会議担当者宛に回答を依頼した。その結果を基に昨年度作成した新マニュアル案の修正を行った。
1.等級判定における判定基準に関する研究
全国の精神保健福祉センターに新マニュアル案を送付し、等級判定業務における新マニュアル案の考え方(等級判定基準)についてのアンケート調査(17問の設問)を実施した。その結果を基に新マニュアル案の第Ⅱ章「等級判定の考え方」、第Ⅲ章「診断書の書き方」の修正を行った。
2.等級判定の具体的な運用に関する研究
全国の精神保健福祉センターに新マニュアル案を送付し、各自治体で等級判定会議に提出された実際の診断書から最大で20例のケースを抽出し、新マニュアル案に沿って等級判定を試行してもらうとともに、等級判定結果と実際の等級判定結果をアンケート記載表に記載してもらった。また判定における意見の記載も求めた。両者の等級判定結果を比較分析し考察を行った。
3.手引き・指針に関する研究
他の2つの分担研究「精神障害者保健福祉手帳の等級判定における判定基準に関する研究」および「精神障害者保健福祉手帳の等級判定の具体的な運用に関する研究」の結果をもとに、新マニュアル案の全体の修正と昨年作成した「精神障害者保健福祉手帳Q&A(案)」の修正を行った。
1.等級判定における判定基準に関する研究
全国の精神保健福祉センターに新マニュアル案を送付し、等級判定業務における新マニュアル案の考え方(等級判定基準)についてのアンケート調査(17問の設問)を実施した。その結果を基に新マニュアル案の第Ⅱ章「等級判定の考え方」、第Ⅲ章「診断書の書き方」の修正を行った。
2.等級判定の具体的な運用に関する研究
全国の精神保健福祉センターに新マニュアル案を送付し、各自治体で等級判定会議に提出された実際の診断書から最大で20例のケースを抽出し、新マニュアル案に沿って等級判定を試行してもらうとともに、等級判定結果と実際の等級判定結果をアンケート記載表に記載してもらった。また判定における意見の記載も求めた。両者の等級判定結果を比較分析し考察を行った。
3.手引き・指針に関する研究
他の2つの分担研究「精神障害者保健福祉手帳の等級判定における判定基準に関する研究」および「精神障害者保健福祉手帳の等級判定の具体的な運用に関する研究」の結果をもとに、新マニュアル案の全体の修正と昨年作成した「精神障害者保健福祉手帳Q&A(案)」の修正を行った。
結果と考察
研究結果/1.等級判定における判定基準に関する研究
アンケート調査の結果の考察や昨年度作成した新マニュアル案と、旧マニュアルや、厚生労働省による通知などに示されていた等級判定の方針との比較検討を行い、新マニュアル案の中核部分である第Ⅱ章「障害等級判定の考え方」を修正した。またこれに伴って第Ⅲ章「診断書の書き方」についても修正した。
2.等級判定の具体的な運用に関する研究
等級判定結果に変化がなかったものを「不変」、新マニュアルに沿った等級判定で等級が上がったものを「上昇」、等級が下がったものや返戻・照会、非該当となったものを「下降」として整理した結果、不変だったものの割合は分類コードによって、64.6%から92.0%の幅があった。新マニュアル案が「生活能力の状態」によって等級判定することを基本とすることなど、新マニュアル案に沿って等級判定することで等級判定結果に変化がみられたものの他には、各分類コードの等級判定の考え方を新マニュアル案に明確にしたことで結果が変化しているものもみられた。他の分担研究の成果をもとに、参考症例集の修正を行った。
3.手引き・指針に関する研究
本研究班で作成中の新マニュアル案で示された新しい考え方や、これまで整理がされていなかった点を中心に、昨年度Q&A案を作成した。今回アンケート調査の結果を受けて、Q&A案に修正を加えた。
考察/今回のアンケート調査や新マニュアル案を使用しての等級判定を実施した結果をもとに、新マニュアル案の修正作業を行った。手帳の申請者数が年々増加している中、実用に耐える新しい等級判定マニュアルを使用することにより、今後の各自治体の手帳判定業務の効率化や課題の整理・改善につながるものと考えられる。
アンケート調査の結果の考察や昨年度作成した新マニュアル案と、旧マニュアルや、厚生労働省による通知などに示されていた等級判定の方針との比較検討を行い、新マニュアル案の中核部分である第Ⅱ章「障害等級判定の考え方」を修正した。またこれに伴って第Ⅲ章「診断書の書き方」についても修正した。
2.等級判定の具体的な運用に関する研究
等級判定結果に変化がなかったものを「不変」、新マニュアルに沿った等級判定で等級が上がったものを「上昇」、等級が下がったものや返戻・照会、非該当となったものを「下降」として整理した結果、不変だったものの割合は分類コードによって、64.6%から92.0%の幅があった。新マニュアル案が「生活能力の状態」によって等級判定することを基本とすることなど、新マニュアル案に沿って等級判定することで等級判定結果に変化がみられたものの他には、各分類コードの等級判定の考え方を新マニュアル案に明確にしたことで結果が変化しているものもみられた。他の分担研究の成果をもとに、参考症例集の修正を行った。
3.手引き・指針に関する研究
本研究班で作成中の新マニュアル案で示された新しい考え方や、これまで整理がされていなかった点を中心に、昨年度Q&A案を作成した。今回アンケート調査の結果を受けて、Q&A案に修正を加えた。
考察/今回のアンケート調査や新マニュアル案を使用しての等級判定を実施した結果をもとに、新マニュアル案の修正作業を行った。手帳の申請者数が年々増加している中、実用に耐える新しい等級判定マニュアルを使用することにより、今後の各自治体の手帳判定業務の効率化や課題の整理・改善につながるものと考えられる。
結論
新マニュアル案を全国の精神保健福祉センターで実際に試用することで、等級判定の考え方の総論的部分、各論的部分、そしてそれらに対応するQ&Aを修正し、実用に耐える新しい等級判定マニュアルを完成させた。
公開日・更新日
公開日
2015-05-20
更新日
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