難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201415099A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-064
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
滝川 一(帝京大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 森安 史典(東京医科大学 消化器内科学分野)
  • 田妻 進(広島大学病院 総合内科・総合診療科)
  • 持田 智(埼玉医科大学 医学部)
  • 大平 弘正(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科)
  • 田中 篤(帝京大学 医学部)
  • 銭谷 幹男(東京慈恵会医科大学大学院 医学研究科)
  • 國土 典宏(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
21,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1) 自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、肝内結石症・硬化性胆管炎、劇症肝炎(FH)、門脈血行異常症の各疾患について、昨年まで本調査研究班・各分科会で作成した診断基準、治療指針、重症度判定基準の有用性・妥当性を検証し、改訂作業を行う。また、診断基準や治療指針が存在しない疾患については新たに策定する。
(2) さらに、これらの研究結果をひろく医師・社会に周知し、難治性の肝・胆道疾患の理解や予後の改善に寄与する。
研究方法
①各疾患について今まで行ってきた全国疫学調査の結果を解析する。また新たに全国疫学調査を行う。さらに、これらの結果を通して現在の各疾患の本邦における状況を把握する。
②各疾患の特殊例(小児例、急性型・重症型、他疾患合併例など)に対する調査研究を行う。
③これらを通じて、診療ガイドライン作成上重要なエビデンスを構築する。
④研究成果周知のため、一般向けの研究成果公開報告会を行う。
結果と考察
1) 自己免疫性肝炎(AIH)では引き続き全国調査を施行するとともに、現在臨床において問題となっている急性肝炎期AIHの診断および治療指針の策定のため臨床・病理学的解析を行っている。また、現AIH診療ガイドラインで採用されている重症度判定基準の妥当性について解析を行った。さらに最近増加している高齢者AIH、実態が明らかになっていない小児AIHやAIH患者のQOLについての調査を進めた。
2) 原発性胆汁性肝硬変(PBC)ではガイドライン作成に資するエビデンス作成のため、年次別の症候性PBCへの移行率の推移、血清ALP低値症例の予後および治療介入の状況という観点から全国調査結果の解析を行うとともに、重症例、ベザフィブラートの長期予後改善効果、NASH合併例についてそれぞれ調査研究を行った。
3) 肝内結石・硬化性胆管炎では、まず肝内結石については疫学調査結果の解析および診療ガイドライン作成に向けての準備を行い、硬化性胆管炎では全国調査の結果を解析し予後決定因子を同定するとともに、診断基準案の改訂、診療ガイドライン原案の作成を行った。
4) 劇症肝炎では急性肝不全,LOHFの全国調査を継続している。また2011年に発表した「我が国における急性肝不全の診断基準」に準拠した成因分類法を改訂するとともに、人工肝補助療法の標準化作業を継続している。さらに、急性肝炎・急性肝不全症例におけるプロトロンビン時間による治療介入時期の検討、成因不明ないし高齢者の急性肝不全症例の解析、劇症肝炎の予後予測システムの検討を行った。
5) 門脈血行異常症では2013年に作成した診療ガイドラインの改訂作業に着手するとともに、門脈血行異常症に関する全国調査を行うため一次調査を行った。門脈血行異常症患者が集積する「定点」医療機関における定点モニタリングを並行して行っている。さらに九州大学に設置された検体保存センターにおいて症例の臨床情報・検体を保存している。
結論
各分科会の調査研究により、本邦における各疾患の最新の実態が明らかになり、ガイドライン作成・改訂に大きく寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-06-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201415099Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
27,900,000円
(2)補助金確定額
27,900,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 10,349,722円
人件費・謝金 835,068円
旅費 2,658,344円
その他 7,630,531円
間接経費 6,438,000円
合計 27,911,665円

備考

備考
消耗品等必要経費が不足したため、自己負担しております。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-