文献情報
文献番号
201415058A
報告書区分
総括
研究課題名
進行性大脳白質障害の疾患概念の確立と鑑別診断法の開発
課題番号
H26-難治等(難)-一般-023
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
山本 俊至(東京女子医科大学 統合医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 森本 昌史(京都府立医科大学 小児科)
- 折居 建治(岐阜大学 医学部 小児科)
- 土井 宏(横浜市立大学 医学部 神経内科学)
- 田中 竜太(筑波大学 医学医療系 小児科)
- 山下 博史(京都大学 医学部 臨床神経学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
1,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究においては、希少難病である進行性大脳白質障害についての本邦における実態把握を行い、疾患概念の確立を行うとともに、正確かつ効率的な鑑別診断法を開発し、より効率的に診断して医療レベルを向上させることが目的である。
研究方法
本症患者においては、感染症による高熱や頭部外傷を契機に、突然運動機能障害やてんかんなどを生じ、階段状に症状が進行して数カ月のうちに寝たきりの状態となってしまうこともある。小児期に発症する場合もあれば、壮年期までまったく普通に日常生活を送ることができる場合もある。疾患背景としてミトコンドリア異常などの代謝異常によるものも含まれるが、臨床症状や画像パターンだけで鑑別が困難な疾患が複数含まれる。このように希少である上に多様性があり、根本的な原因に辿り着くことが困難な例も多く、実際さまざまな解析を行っても既知の診断に合致せず、原因不明のままである例も少なくない。
そこで本研究では、日本小児神経学会と日本神経学会に協力を依頼して本邦における実態を把握するための全国調査を行い、各疾患の疾患概念を確立させるとともに、診断の根拠となるMRI画像を収集してデータベースを構築して公開し、さらに鑑別診断のための効率的な診断法を開発する。既知の疾患概念に合致しない患者については新たな疾患概念を確立し、その原因遺伝子の探索も行う。個々の鑑別診断のためのアルゴリズムや診断基準を作成してホームページでも広く公開するとともに学会においても提言する。全国調査で得られた患者情報は、将来の治験などに備えて患者登録に誘導するとともに患者家族会の設立を支援し、患者家族相互に自律的に情報交換ができるよう支援する。このような活動により、厚生労働行政の向上に資することを目指す。
そこで本研究では、日本小児神経学会と日本神経学会に協力を依頼して本邦における実態を把握するための全国調査を行い、各疾患の疾患概念を確立させるとともに、診断の根拠となるMRI画像を収集してデータベースを構築して公開し、さらに鑑別診断のための効率的な診断法を開発する。既知の疾患概念に合致しない患者については新たな疾患概念を確立し、その原因遺伝子の探索も行う。個々の鑑別診断のためのアルゴリズムや診断基準を作成してホームページでも広く公開するとともに学会においても提言する。全国調査で得られた患者情報は、将来の治験などに備えて患者登録に誘導するとともに患者家族会の設立を支援し、患者家族相互に自律的に情報交換ができるよう支援する。このような活動により、厚生労働行政の向上に資することを目指す。
結果と考察
日本小児神経学会の共同研究支援を受け、全国の小児神経専門医の在籍する医療機関、あるいは重症心身障害児施設、全577施設を対象に一次調査を行った。その結果、324施設より回答があった(56%)。この結果を集計したところ15例程度の患者の存在を明らかにできた
その一方、全国一次調査で25例の未診断例が存在することが明らかになった。
その一方、全国一次調査で25例の未診断例が存在することが明らかになった。
結論
全国の実態がほぼ把握できたため、診断基準の策定を行うとともに、二次調査を通じて未診断例の診断を支援していく予定である。
公開日・更新日
公開日
2017-03-31
更新日
-