文献情報
文献番号
201415018A
報告書区分
総括
研究課題名
重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための安心安全のナノ医療製剤(希少疾病用医薬品)の実用化臨床試験
課題番号
H24-難治等(難)-一般-009
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
江頭 健輔(九州大学大学院医学研究院 循環器病先端医療研究開発学)
研究分担者(所属機関)
- 砂川 賢二(九州大学大学院医学研究院 循環器内科学)
- 中野 覚(九州大学大学院医学研究院 循環器病先端医療研究開発学)
- 的場 哲哉(九州大学病院 循環器内科)
- 中西 洋一(九州大学大学院医学研究院 呼吸器内科学)
- 戸高 浩司(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
- 桑原 良宇(興和株式会社 製品戦略センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
179,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
重症肺高血圧症はQOLの悪化をもたらす予後不良の希少難治性疾患である。現行の治療薬の有効性は限定的であり、より低侵襲かつ効果的で安全安心な医薬品の実用化が強く求められている。
本研究の目的は重症肺高血圧症の予後とQuality of Life(QOL)を改善する低侵襲かつ安全・安心なピタバNP製剤を希少疾病用医薬品として実用化(国内での薬事承認を最終目標)するための臨床試験を行い、Proof of Concept(POC)を取得することである。
本研究の目的は重症肺高血圧症の予後とQuality of Life(QOL)を改善する低侵襲かつ安全・安心なピタバNP製剤を希少疾病用医薬品として実用化(国内での薬事承認を最終目標)するための臨床試験を行い、Proof of Concept(POC)を取得することである。
研究方法
本研究開発は研究代表者の江頭が統括し、以下の課題を推進する:
①ピタバNP注射製剤を用いたGLP準拠非臨床試験(用法・用量、薬物動態など)と第I相治験(単回静脈内投与試験、反復投与試験)
②POC取得のための探索的第II相試験の準備
③ピタバNP吸入投与の治験を実施するための非臨床試験(製剤の最適化と安全性試験)
・分担研究者の中西は、ARO次世代医療センター長として、医師主導治験のための倫理審査・臨床試験計画立案・薬事・試験物製造や管理などの業務支援を行う。
・興和㈱はピタバスタチン内服製剤(リバロ錠)の研究開発・販売の実績があり、ピタバスタチンに関する豊富な情報・経験を有することから、本研究開発について提携し、ピタバNP注射製剤の製造、吸入製剤の設計・開発及び安全性試験等を担当する。
・医師主導治験は文科省の橋渡し拠点である九州大学病院高度先端医療センター@九州大学病院で行う。
・承認申請資料のデータマネージメントなどはPMDA審査官の経験を持ち、レギュラトリーサイエンスの専門家である戸高が担当する。
・承認に支障が生じないよう、医師主導治験の実施に際しては規制当局である医薬品医療機器総合機構(PMDA)と適宜情報交換する。
①ピタバNP注射製剤を用いたGLP準拠非臨床試験(用法・用量、薬物動態など)と第I相治験(単回静脈内投与試験、反復投与試験)
②POC取得のための探索的第II相試験の準備
③ピタバNP吸入投与の治験を実施するための非臨床試験(製剤の最適化と安全性試験)
・分担研究者の中西は、ARO次世代医療センター長として、医師主導治験のための倫理審査・臨床試験計画立案・薬事・試験物製造や管理などの業務支援を行う。
・興和㈱はピタバスタチン内服製剤(リバロ錠)の研究開発・販売の実績があり、ピタバスタチンに関する豊富な情報・経験を有することから、本研究開発について提携し、ピタバNP注射製剤の製造、吸入製剤の設計・開発及び安全性試験等を担当する。
・医師主導治験は文科省の橋渡し拠点である九州大学病院高度先端医療センター@九州大学病院で行う。
・承認申請資料のデータマネージメントなどはPMDA審査官の経験を持ち、レギュラトリーサイエンスの専門家である戸高が担当する。
・承認に支障が生じないよう、医師主導治験の実施に際しては規制当局である医薬品医療機器総合機構(PMDA)と適宜情報交換する。
結果と考察
【研究成果の概要と当初の研究計画との比較】
・薬理薬効試験(モノクロタリン誘導肺血圧症ラットモデル):平成25年度に「進行し確立した肺高血圧病態をピタバスタチン封入ナノ粒子製剤が改善する」ことを明らかにした。平成26年度は、その主たるメカニズムが抗炎症作用(活性化単球動員抑制など)に起因することを明らかにした。
・薬物動態試験:当初の研究計画は完了した。追加交付によって、複数の病態動物モデル(肺高血圧症モデル、心筋梗塞モデル、脳梗塞モデルなど)を用いて、ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤を静脈内投与した際の肺組織などにおける薬物動態を明らかにした。
・臨床試験:平成25年度に実施した非臨床データ及び毒性試験の結果を基にして、PMDAと薬事戦略相談ならびに対面助言を実施し、平成26年7月に治験計画届を提出した。平成26年9月に第I相臨床試験(医師主導治験;単回静脈内投与)を開始し、12月に完了した。
・平成27年度以降に実施する治験薬製造関連業務(治験薬製造、包装、製造設備の整備、など)ならびに治験支援業務(PMDA相談、第I相反復投与試験、第II相試験)を実施した。
・上記の研究成果によって、薬理薬効試験、薬物動態試験、臨床試験を予定通りに進めることができた。さらに、主に追加交付によって平成27年度に実施予定の業務を前倒しで実施できたことから、年度をまたぐこと無く平成27年度予定の臨床試験の準備を進めることができた。
【特許と医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換】
1.特許1(スタチン封入ナノ粒子含有医薬組成物):
日本特許登録、中国特許登録、EU特許登録、米国登録予定
2.特許2(肺疾患治療薬):
日本特許登録、中国特許登録、香港特許登録、EU特許登録、韓国特許登録、米国登録予定
3.医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換:
平成27年度に実施する第Ⅰ相試験(医師主導治験;第I相反復投与試験)の薬事戦略相談を前倒しで実施した。
・薬理薬効試験(モノクロタリン誘導肺血圧症ラットモデル):平成25年度に「進行し確立した肺高血圧病態をピタバスタチン封入ナノ粒子製剤が改善する」ことを明らかにした。平成26年度は、その主たるメカニズムが抗炎症作用(活性化単球動員抑制など)に起因することを明らかにした。
・薬物動態試験:当初の研究計画は完了した。追加交付によって、複数の病態動物モデル(肺高血圧症モデル、心筋梗塞モデル、脳梗塞モデルなど)を用いて、ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤を静脈内投与した際の肺組織などにおける薬物動態を明らかにした。
・臨床試験:平成25年度に実施した非臨床データ及び毒性試験の結果を基にして、PMDAと薬事戦略相談ならびに対面助言を実施し、平成26年7月に治験計画届を提出した。平成26年9月に第I相臨床試験(医師主導治験;単回静脈内投与)を開始し、12月に完了した。
・平成27年度以降に実施する治験薬製造関連業務(治験薬製造、包装、製造設備の整備、など)ならびに治験支援業務(PMDA相談、第I相反復投与試験、第II相試験)を実施した。
・上記の研究成果によって、薬理薬効試験、薬物動態試験、臨床試験を予定通りに進めることができた。さらに、主に追加交付によって平成27年度に実施予定の業務を前倒しで実施できたことから、年度をまたぐこと無く平成27年度予定の臨床試験の準備を進めることができた。
【特許と医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換】
1.特許1(スタチン封入ナノ粒子含有医薬組成物):
日本特許登録、中国特許登録、EU特許登録、米国登録予定
2.特許2(肺疾患治療薬):
日本特許登録、中国特許登録、香港特許登録、EU特許登録、韓国特許登録、米国登録予定
3.医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換:
平成27年度に実施する第Ⅰ相試験(医師主導治験;第I相反復投与試験)の薬事戦略相談を前倒しで実施した。
結論
特許戦略:EUならびに韓国の特許が登録された。今年度、米国特許の最終審査があるので適切に対応する。産学連携を加速するために、本特許の九州大学の権利を連携企業に譲渡する手続きを進める。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換:
平成27年度に実施する第Ⅰ相試験(医師主導治験;第I相反復投与試験)の薬事戦略相談を実施し、対面助言と治験届提出の予定を相談した。したがって、平成27年度内に同試験を実施できる。
治験薬製造ならびに治験支援業務など:製剤の安定性試験を継続して進めた。また、平成27年度以降に実施する治験薬製造関連業務ならびに治験支援業務を前倒しで実施した。これによって、本事業の出口戦略(第Ⅰ相反復投与試験、第Ⅱ相試験、企業へのライセンスアウトなど)を加速できる。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)との情報交換:
平成27年度に実施する第Ⅰ相試験(医師主導治験;第I相反復投与試験)の薬事戦略相談を実施し、対面助言と治験届提出の予定を相談した。したがって、平成27年度内に同試験を実施できる。
治験薬製造ならびに治験支援業務など:製剤の安定性試験を継続して進めた。また、平成27年度以降に実施する治験薬製造関連業務ならびに治験支援業務を前倒しで実施した。これによって、本事業の出口戦略(第Ⅰ相反復投与試験、第Ⅱ相試験、企業へのライセンスアウトなど)を加速できる。
公開日・更新日
公開日
2017-03-31
更新日
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