文献情報
文献番号
201415004A
報告書区分
総括
研究課題名
第三世代・第四世代膵島分離法を用いた臨床膵島移植の実施
課題番号
H25-難治等(免)-一般-103
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
野口 洋文(琉球大学大学院医学研究科 再生医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 霜田雅之(国立国際医療研究センター研究所 膵島移植プロジェクト)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
9,021,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究代表者は米国ベイラー研究所で、第三世代膵島分離技術を用いた膵島移植を臨床実施し、良好な成績を収めていた。本研究は、第三世代分離技術を用いた膵島移植を日本で臨床実施するとともに、現在開発中の第四世代分離技術(日本学術振興会科学研究費 基盤B 平成24年-26年)を完成させ、平成27年度に臨床実施することを目的としている。本申請は3年の研究計画であるが、平成26年度は2年目となる。
研究方法
平成25年度と同様、第三世代膵島分離法を用いて臨床膵島移植を実施する。
第三世代膵島分離法は申請代表者が京都大学所属時およびベイラー研究所所属時に中心となって研究開発した技術である。具体的には、1)膵管保護、2)二層法保存、3)新規臓器保存液、4)比重コントロールによる膵島純化、5)膵島追加純化、6)分離膵島低温保存、の6つの膵島分離技術の改変を行っている。平成26年度にヒト膵島分離を共同研究者の国立国際医療研究センターとともに、年間1-3例行う予定にしていた。
第三世代膵島分離法は申請代表者が京都大学所属時およびベイラー研究所所属時に中心となって研究開発した技術である。具体的には、1)膵管保護、2)二層法保存、3)新規臓器保存液、4)比重コントロールによる膵島純化、5)膵島追加純化、6)分離膵島低温保存、の6つの膵島分離技術の改変を行っている。平成26年度にヒト膵島分離を共同研究者の国立国際医療研究センターとともに、年間1-3例行う予定にしていた。
結果と考察
平成25年度は研究代表者が京都大学、千葉東病院、大阪大学でヒト膵島分離に参加し、計5回の臨床膵島分離を行い、移植を4回実施することができたが、平成26年度は2回の膵島分離と1回の移植にとどまっている。これは日本のドナー数が圧倒的に少ないことと、ドナー情報入手が困難であることが理由である。平成26年度にわれわれが得られたドナー情報は2例のみであり、これ以上の症例数を経験することは不可能であった。移植されたレシピエントの状態は良好で、必要インスリン量の減少と血糖不安定性の解消がみられた。
結論
本研究では平成25年度、26年度に第三世代膵島分離技術を用いた臨床膵島移植を日本で実施するとともに、現在開発中の第四世代分離法を最終年度の平成27年度に臨床実施することを目的としている。年間1-3例の移植を行う予定にしていたが、平成26年度は2回の臨床膵島分離を行い、移植を1回実施した。当初の計画の最低数は確保できたが、平成25年度より症例数が減少しており、ドナー数の増加につながる活動を根気強く続けていく必要がある。移植患者の膵島生着率は良好であり、早期に追加移植が可能であればインスリン離脱が達成できるレベルであった。今後も臨床膵島移植を積極的に行っていくとともに、平成27年度に新しい膵島分離法を導入できるように環境を整えていきたい。
公開日・更新日
公開日
2015-06-11
更新日
-