子ども家庭総合研究事業の企画と評価に関する研究

文献情報

文献番号
199800348A
報告書区分
総括
研究課題名
子ども家庭総合研究事業の企画と評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
上村 一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 子ども家庭総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成11(1999)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子ども家庭総合研究の着実な進展を図るため、当該分野における専門家及び行政担当官からなる委員会を設け、適切な研究課題の設定、最適な研究者の選考、公正な研究費の配分及び研究成果の的確な評価を実施するための企画と評価に関するの研究を行うためのものである。平成9年8月、「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」が策定され、国民の保健・医療・福祉・生活環境など国民生活の向上に資することを目的とする厚生科学研究においても、厳しい財政事情の下、限られた国の財政資金の重点的・効率的配分及び研究者の創造性が十分に発揮されるような柔軟かつ競争的で開かれた厚生科学研究の推進を図りつつ研究に国費を投入していくことに関し、広く国民の理解と支持を得ることが必要である。
このため、厚生省所管課及び各研究機関並びに各種法人(評価実施主体)が行う研究課題の評価及び研究機関の評価について、外部評価の実施、評価結果の公開、研究費等の研究開発資源の配分への適切な反映等を行うこととし、研究評価について一層効果的な実施を図ることが必要であるそのため、当会としては、乳幼児の障害の予防、母性並びに乳幼児の健康の保持増進等について効果的・効率的な研究の推進を図るため、及び少子化等最近の社会状況を見据えて、児童を取り巻く環境やこれらが児童に及ぼす影響についての総合的・実証的な研究に取り組むことにより、母子保健の推進及び子育て支援を総合的・計画的に推進するための児童家庭福祉の向上に資することとしたものである。
研究方法
実施主体は、評価の客観性・公正さ・信頼性を確保するために、第三者を評価者とした外部評価を実施することを原則とし、評価者は当該研究分野及びそれに関連する分野の専門家から選任するものとした。また、厚生科学研究の現状について国民の理解を得るとともに、評価の透明性・公正さを確保するため、評価に係る諸情報を積極的に公開することとした。ただし、個人情報・企業秘密や未発表の研究成果・知的財産権の取得等に係る事項については、それらを保護する観点から十分な配慮が必要となる。
1.研究計画書(公募分)の基本事項の整理・点検チェック及び申請事項の入力等
分類整理(母子保健分野・児童福祉分野~公募番号順)、基本事項のチェック、申請事項の入力
公募研究課題の応募状況(平成10年4月15日付け官報告示)
提出期間:平成10年5月11日から5月15日まで
2.評価委員会小委員あてに評価の割り振り評価依頼、評価票回収、集計、評価委員会あて送付
3.平成10年度研究報告書原稿の収集、点検、整理及び印刷製本の発注及び印刷製本費の割当
4.平成10年度研究報告書の発送=行政機関、都道府県及び福祉系大学の図書館及び国立病院等
☆「子ども家庭総合研究事業の企画と評価に関する研究」の研究者等
~社会福祉法人恩賜財団母子愛育会理事長 
(研究組織)
総括及び心理学的・社会環境学的研究の企画及び評価
日本子ども家庭総合研究所研究企画・情報部長      
母子保健学的研究の企画及び評価  熊本大学名誉教授         
保育学的研究の企画及び評価    名古屋市立大学人文社会学部教授
結果と考察
公募研究課題及び応募数                            
(1)母子保健施策の推進に関する研究 (応募数)
○ 母子保健事業の効果的な展開に関する研究(10120101)              14件
○ 効果的な検診及び検査(マススクリ-ニング)事業の実施に関する研究(10120102)       10
(2)母子医療体制に関する研究
○ 障害の防止に向けた新生児医療及びその後の支援の在り方に関する研究(10120201)  3
○ 周産期医療体制に関する研究(10120202)                     2
○ 妊産婦の健康管理及び妊産婦死亡の防止に関する研究(10120203)          4
(3)生涯を通じた女性の健康に関する研究
○ 年代に応じた女性の健康管理及び健康支援に関する研究(10120301)         9
○ リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)から見た
子宮内膜症等の対策に関する研究(10120302)                   2
(4)生殖補助医療に関する研究
○ 生殖補助医療の実態把握及び適応に関する研究(10120401)             2
○ 生殖補助医療の経済的又は社会倫理的側面に関する研究(10120402)         0
○ 生殖補助医療の安全性に関する研究(10120403)                  3
(5)遺伝に関する相談体制の構築に関する研究(10120501)                5
(6)子どもの心身の健康づくりに関する研究
○ 心身症、神経症等の実態把握及び対に関する研究策(10120601)           7
○ 虐待の予防、早期発見及び再発防止に向けた地域における連携体制の構築に関する研究
(10120602)  3
○ 要観察児等いわゆるハイリスク児の育児支援及び療育体制の
確立に関する研究(10120603)                          7
○ 望ましい生活様式に関する研究(10120604)                   10
(7)小児難病又は小児慢性疾患の効果的療育支援治療方法に関する研究(10120701)    25
(8)小児保健医療体制に関する研究
○ 小児医療における問題点の把握及び対策に関する研究(10120801)          7
○ 乳幼児死亡の防止に関する研究(10120802)                    5
(9)児童福祉施設の情報開示及び入所児童の権利擁護の在りに関する研究(10120901)    1
(10)被虐待児童の処遇及び対応に関する総合的研究(10121001)              4
(11)保育に関する研究
○ 長時間保育における乳幼児の心身におよぼす影響及び保育所処遇の在り方に関する研究
(10121101)  3
○ 諸外国における保育制度の現状及び課題に関する研究(10121102)          2
計                  128件
事前評価小委員(母子保健分野) 11名
(国立小児病院小児医療研究センタ-長)
(埼玉医科大学総合医療センタ-小児科教授)
(東京大学医学部産婦人科教授)
(九州大学医学部産婦人科教授)
(京都大学医学部公衆衛生学教授)
(横浜市港北保健所所長)
(熊本大学名誉教授・江津湖療育園施設長)
(昭和大学医学部産婦人科教授)
(自治医科大学公衆衛生学教授)
(東京大学医学部小児科教授)
(宮城大学看護学部教授)
事前評価小委員(児童福祉分野) 3名
(名古屋市立大学教授)
(駒沢大学教授)
(東海大学教授)
事前評価小委員(行政委員)   6名
(厚生省大臣官房厚生科学課課長補佐)
(厚生省大臣官房障害福祉保健部企画課課長補佐)
(厚生省児童家庭局母子保健課課長補佐)
(厚生省児童家庭局企画課児童福祉専門官)
(厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課課長補佐)
(厚生省保健医療局エイズ疾病対策課課長補佐)
合  計          20名
5.評価委員会審議資料等の作成その他
評価結果(評点)の集計及び評点の高い順に並べたリストの作成
研究計画書を高順位に整理した資料を厚生省へ送付~平成10年7月2日
6.厚生省における採択課題等の決定
厚生科学審議会  平成10年7月27日    採択件数     33件
交付予定額    416,075千円 (別途、指定研究5件)
7.平成11年度新規公募研究分の事前評価
評価小委員会委員あて評価依頼   平成11年2月25日~3月9日
8.平成11年度継続研究分中間評価
評価委員会委員あて評価依頼  平成11年3月4日~委員会開催日:3月17日(厚生省)
9.平成10年度研究報告書の送付先
厚生省及び子ども家庭総合研究事業の各主任研究者のほか
都道府県の行政機関(107)
都道府県立図書館(63)
医系及び福祉系大学の図書館(148)
国立病院(80)
その他(39)     計(437)
結論
本研究事業は、今日の社会的要請に応じた研究事業を実施するもので、その活用を十分に図る必要があり、今後ともより充実に、かつ効果的に推進するためにも継続して実施する必要があるものと考える。

公開日・更新日

公開日
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研究報告書(紙媒体)