「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201410010A
報告書区分
総括
研究課題名
「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究
課題番号
H25-次世代-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(山梨大学 大学院医学工学総合研究部社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学 看護学部)
  • 山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター)
  • 仲宗根 正(沖縄県宮古福祉保健所)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学 医学部 健康社会医学)
  • 玉腰 浩司(名古屋大学 医学部 保健学科)
  • 原田 正平(国立成育医療研究センター研究所)
  • 荒木田 美香子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部)
  • 田中 太一郎(東邦大学 医学部社会医学講座)
  • 松田 義雄(国際医療福祉大学 産婦人科学 周産期医学)
  • 上原 里程(宇都宮市保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
15,635,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、健やか親子21の指標に関する調査と次期健やか親子21(以下、健やか親子21(第2次))に関連する資料を収集し、それらを分析して健やか親子21の最終評価および健やか親子21(第2次)策定に資することである。
研究方法
研究内容は次の3点である。
1. 健やか親子21(第2次)のベースラインに関する調査・解析を実施する。
  ①平成26年度追加調査(乳幼児健康診査時の調査)データによるベースライン解析
  ②人口動態統計、患者調査、21世紀出生児縦断調査などの個票データを活用した解析

2. 健やか親子21(第2次)の推進のための情報利活用の環境整備に関する研究を行う。
  ①健やか親子21(第2次)の新公式ホームページの構築:(健やか親子21関連の最新情報およびアーカイブ情報)
  ②情報の利活用に資する新たなデータベースの構築:(母子保健情報、地域・団体の取り組み、身体発育、妊婦の喫煙率など乳幼児健診のデータの解析結果等に関するデータベース)
  ③市町村の妊婦健康診査、乳幼児健診の情報利活用システムの運営

3. 都道府県および市町村における健やか親子21(第2次)推進のための方略、特に情報の利活用についての提言を行う。
結果と考察
1.健やか親子21(第2次)の指標に関するベースライン値設定のための追加調査を行い、調査結果を国の検討会へ提出した。ベースライン値および目標値が新しく設定されたもの、また再設定された指標は、基盤課題A:15指標(5つの参考指標を含む)、基盤課題B:8指標(4つの参考指標を含む)、基盤課題C:8指標(1つの参考指標を含む)、重点課題①:4指標、重点課題②:10指標であった。今後は「健やか親子21(第2次)」の推進および、母子保健分野のより一層の発展のために、母子保健情報の利活用の仕組みの充実と母子保健事業への新たなシステムの提供を進めていく。

2.健やか親子21のホームページは、母子保健に関する有用情報の提供を含め適切に運営され、14年間で88万件を超えるアクセス数を得ている。取り組みのデータベースは、全国の事業を参照しながら事業計画を立案するためのツールとして活用されている。また、母子保健・医療情報データベースは、専門職における利用度の高いツールとして好評を得ている。一方、健やか親子21(第2次)の新ホームページを作成し、平成27年度からも現行の各ツールを維持すること、また母子保健情報システムの市町村版を作成し、ホームページ上から当システムのダウンロードが可能となる準備ができた。

3.母子保健情報の利活用では、母子手帳・妊婦健診・乳幼児健診などの連結データの活用から、幼児の健康状況や家族の生活習慣の市町差異、ハイリスク母児への早期発見に関する情報収集・介入方法の示唆を与える課題を抽出できた。また、健やか親子21(第2次)に関する県型保健所の目標設定とその達成に対する課題の抽出、子どもの発達障害を懸念したり、育てにくさを感じている母親の援助希求の意向内容が把握できた。
結論
1.健やか親子21(第2次)の指標に関するベースライン値設定のための追加調査を行い、調査結果を国の検討会へ提出した。

2. 健やか親子21(第2次)の推進のための情報利活用の環境整備として、新公式ホームページの作成と公開、旧ホームページ内のデータアーカイブ化、新たな自治体の取り組みのデータベースの構築と運営、全国必須問診項目に対する母子保健情報入力システムの開発と運営準備を完了した。

3.母子保健情報の利活用からは、幼児の健康状況や家族の生活習慣の市町差異、ハイリスク母児への早期発見に関する情報収集・介入方法の示唆を与える課題を抽出、また健やか親子21(第2次)に関する県型保健所の目標設定とその達成に対する課題の抽出、子どもの発達障害の懸念や育てにくさを感じている母親の援助希求の意向内容を把握した。

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201410010Z