新規医薬品・医療機器等の創出、難治性疾患の治療法の開発および最適な治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201409052A
報告書区分
総括
研究課題名
新規医薬品・医療機器等の創出、難治性疾患の治療法の開発および最適な治療法の確立に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H24-実用化(国際)-指定-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 典宏(北海道大学 北海道大学病院 臨床研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 久住一郎(北海道大学大学院医学研究科 神経病態学講座 精神医学分野)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学研究科 内科学講座 循環病態内科学分野)
  • 宝金 清博(北海道大学病院 脳神経外科)
  • 井口 晶裕(北海道大学病院 小児科)
  • 西尾 妙織(北海道大学病院 内科Ⅱ)
  • 白石 秀明(北海道大学病院 小児科)
  • 大西 俊介(北海道大学病院 消化器内科)
  • 秋田 弘俊(北海道大学大学院医学研究科 内科学講座 腫瘍内科学分野)
  • 玉木 長良(北海道大学大学院医学研究科 病態情報学講座 核医学分野)
  • 白土 博樹(北海道大学大学院医学研究科 病態情報学講座 放射線医学分野)
  • 沖 栄真(つがる西北五広域連合つがる総合病院)
  • 深尾 敏幸(岐阜大学大学院医学系研究科 小児病態学)
  • 渡邉 健二(鹿児島市立病院 小児科)
  • 酒井 規夫(大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)
  • 山口 清次(島根大学医学部 小児科)
  • 石毛 美夏(和田 美夏)(日本大学医学部 小児科学系 小児科学分野)
  • 河上 早苗(市立八幡浜総合病院 小児科)
  • 越智 史博(市立八幡浜総合病院 小児科)
  • 中馬越 清隆(筑波大学 医学医療系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
69,231,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交替 河上早苗(平成26年8月1日~平成26年9月30日)⇒越智史博(平成26年10月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
画期的医薬品等の創出、小児疾患・難治性疾患に対する治療法の開発、最適治療の確立を目指し、臨床研究中核病院整備事業による基盤を活用し10件の研究テーマについて治験又は臨床試験を実施する。
研究方法
研究1(新規培養法による自己骨髄間質細胞による脳梗塞の再生医療)PMDA薬事戦略相談対面助言の結果を踏まえ、品質基準の確定、非臨床試験の追加等を行った。さらに臨床試験に関する対面助言を行い治験開始の準備を行った。研究2(臨床応用を目指した慢性炎症制御に基づく新規心血管病治療法の開発)細胞製剤としての製法の確立、品質基準の決定、非臨床試験の追加実施を行い、さらに臨床試験に関するPMDA相談を行った。研究3(小児難治性白血病に対するボルテゾミブ併用化学療法)小児難治性白血病に対するボルテゾミブ治療法の安全性確認と薬物血中濃度の測定のための探索的臨床試験を継続した。研究4(常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)患者の肝嚢胞に対する球状塞栓物質による治療法開発)巨大肝嚢胞を有するADPKD患者を対象に、球状塞栓物質の安全性と有効性を検討する臨床試験と医師主導治験を開始した。研究5(統合失調症ならびに双極性障害患者における糖脂質代謝障害と抗精神病薬使用時の代謝能変化に関する研究)第二世代抗精神病薬の使用ガイドラインの作成を目標に多施設共同臨床試験を実施中である。研究6(ベザフィブラートによるミトコンドリア脂肪酸代謝異常症(FAOD)の治療)本剤の本疾患への適応を取得するため、医師主導治験を継続した。研究7(重症クローン病に対する同種卵膜間葉系幹細胞による新たな治療法の開発)PMDA薬事戦略相談に基づき、製造法の確立と品質の確認を行い、臨床試験計画骨子の作成を行った。研究8(HER2過剰発現・遺伝子増幅陽性腫瘍あるいはHER2遺伝子変異陽性腫瘍に対する個別化治療の開発)非小細胞性肺癌、唾液腺癌を対象に病理組織学的解析、遺伝子解析によりHER2陽性症例を鑑別した。研究9(TPを標的とした腫瘍診断薬[123I]IIMU注射薬の開発)TPを標的とした腫瘍診断薬[123I]IIMUの健常人を対象とするFIH試験を開始した。研究10(スポットスキャン陽子線治療装置を用いた悪性腫瘍に対する放射線治療法の確立)スポットスキャン法を用いた陽子線治療装置について安全性探索的試験を開始した。
結果と考察
研究1:PMDA薬事戦略相談に基づき立案した非臨床試験実施計画に従い試験を開始した。臨床試験実施計画に関するPMDA薬事戦略相談の事前面談を実施し、骨子を固めた。研究2:非臨床試験の結果、反復投与による毒性を示唆する所見は認めなかった。臨床試験及びCPCの治験薬GMP準拠施設に関するPMDA薬事戦略相談を実施した。研究3:探索的臨床試験に5例が登録された。現在のところ安全性に問題は認められなかった。また、それぞれの症例について薬物血中濃度測定を行った。研究4:5例のADPKD患者に対して塞栓治療を実施した。現在までのところ、重篤な有害事象は認められず安全性は確認された。PMDA薬事戦略相談で薬事承認時のデータパッケージについて議論を行い、医師主導治験を開始した。研究5:登録された症例の性別、年齢、病名、抗精神病薬の内訳について中間解析を実施した。研究6:現在までに有効性試験に7例が登録された。内2例は継続試験に移行した。これまでのところ、重大な有害事象は認められなかった。さらに3施設でIRB承認が得られ、治験開始の準備が整った。研究7:治験薬GMPに準拠した細胞製剤を製造するための手順書などの書類を作成し、本プロトコールの手順に従って細胞製剤を製造した。製造した細胞の品質および非臨床試験を行い、安全性および有効性を確認した。臨床試験プロトコールを作成した。研究8:肺癌に対しては、HER2陽性の判定と特異的遺伝子の探索を目的とした観察研究を開始し、53例を登録した。また、介入研究ではHER2陽性患者3例を登録した。唾液腺癌に関してはPMDA薬事戦略相談を経て、治験届を提出した。研究9:TPを標的とした腫瘍診断薬[123I]IIMUの健常人を対象とするFIH試験を開始し、スクリーニング検査を11名に施行した。スクリーニング検査の結果、2名の適格者を選抜したが、製造上のトラブルおよび被験者側の要因のため、[123I]IIMU注射液の投与には至らなかった。研究10:目標症例100例に対し48例を登録し、安全性の評価を行った。現時点では陽子線治療によるGrade 4以上の有害事象は認められなかった。
結論
各研究事業とも臨床研究中核病院整備事業の基盤を活用し、これまでに4件の医師主導治験、1件のFIH試験を開始するなど、当初計画にほぼ準じた進捗状況で研究が進んでいる。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201409052Z