文献情報
文献番号
201409048A
報告書区分
総括
研究課題名
国立がん研究センターPhaseIセンター早期開発研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-実用化(臨床)-指定-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
大津 敦(国立研究開発法人国立がん研究センター 先端医療開発センター)
研究分担者(所属機関)
- 安永 正浩(独立行政法人国立がんセンター 東病院臨床開発センター 新薬開発分野)
- 土井 俊彦(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 先端医療科)
- 安井 博史(静岡県立静岡がんセンター 消化器内科)
- 室 圭(愛知県がんセンター中央病院 薬物療法部)
- 仁科 智裕(国立病院機構四国がんセンター 内科)
- 高橋 俊二(公益財団法人がん研究会有明病院 総合腫瘍科)
- 山口 研成(埼玉県立がんセンター 消化器内科)
- 朴 成和(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
- 廣中 秀一(千葉県がんセンター 臨床試験推進部)
- 土原 一哉(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター TR分野)
- 桑田 健(独立行政法人国立がん研究センター 東病院臨床開発センター 臨床腫瘍病理分野)
- 佐藤 暁洋(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 臨床試験支援室)
- 藤原 康弘(独立行政法人国立がん研究センター 企画戦略局)
- 落谷 孝広(独立行政法国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 竹下 文隆(独立行政法国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 小野 麻紀子(独立行政法国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 松田 範昭(株式会社スリー・ディー・マトリックス 事業開発部)
- 小林 智(株式会社スリー・ディー・マトリックス 事業開発部)
- 細田 雅人(インタープロテイン株式会社 本社)
- 小松 弘嗣(インタープロテイン株式会社 事業開発本部)
- 肥塚 靖彦(インタープロテイン株式会社 研究開発部)
- 松崎 尹雄(インタープロテイン株式会社 分子設計部)
- 田村 研治(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院 乳腺・腫瘍内科)
- 米盛 勧(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院 乳腺・腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
123,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
早期・探索的拠点整備事業で整備を進める基盤を用いて、アカデミア・ベンチャー発シーズの臨床導入(研究事業1. 3. 4.)、未承認薬を用いた早期臨床開発試験(研究事業2.5.)を実施すし、わが国での早期臨床開発のモデルを確立する。
研究方法
研究事業1.(抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤)
アカデミア施設で開発した抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成26年度は、抗TFモノクローナル抗体(mAb)作製とその特性評価、抗がん剤の付加、エピルビシン内包ミセル表面への抗TF抗体の付加体の抗腫瘍効果の評価を引き続き行う。
研究事業2.(TAS102)
未承認抗がん剤を用いた胃癌に対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成26年は総括報告書の作成を行う。がん幹細胞理論に基づく切除不能胃癌を対象としたスルファサラジンのPOC臨床試験の結果をまとめ、その結果を踏まえてスルファサラジンとシスプラチンの併用での臨床試験を開始する。
研究事業3.(RPN2核酸製剤)
わが国で発見した乳癌の新しい標的RPN2を阻害する核酸製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成26年度は、First in humanのプロトコールの作成、並行して治験薬の安定性試験の継続を行い、医師主導治験を開始する。
研究事業4.(経口VEGF阻害剤)
抗体薬と同じ作用機序を持つ低分子化合物の最適化および前臨床試験を実施する。平成26年度も昨年度に引き続きリード化合物から誘導体の合成と最適化を引き続き行う。
研究事業5.(Olaparib)
未承認抗がん剤を用いた乳がんに対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成26年度は、平成24年度に開始した医師主導治験を継続して実施する。
アカデミア施設で開発した抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成26年度は、抗TFモノクローナル抗体(mAb)作製とその特性評価、抗がん剤の付加、エピルビシン内包ミセル表面への抗TF抗体の付加体の抗腫瘍効果の評価を引き続き行う。
研究事業2.(TAS102)
未承認抗がん剤を用いた胃癌に対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成26年は総括報告書の作成を行う。がん幹細胞理論に基づく切除不能胃癌を対象としたスルファサラジンのPOC臨床試験の結果をまとめ、その結果を踏まえてスルファサラジンとシスプラチンの併用での臨床試験を開始する。
研究事業3.(RPN2核酸製剤)
わが国で発見した乳癌の新しい標的RPN2を阻害する核酸製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成26年度は、First in humanのプロトコールの作成、並行して治験薬の安定性試験の継続を行い、医師主導治験を開始する。
研究事業4.(経口VEGF阻害剤)
抗体薬と同じ作用機序を持つ低分子化合物の最適化および前臨床試験を実施する。平成26年度も昨年度に引き続きリード化合物から誘導体の合成と最適化を引き続き行う。
研究事業5.(Olaparib)
未承認抗がん剤を用いた乳がんに対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成26年度は、平成24年度に開始した医師主導治験を継続して実施する。
結果と考察
平成26年度は未承認薬を用いた医師主導治験2試験(研究事業2,5)が順調に推移し、1試験は総括報告書の作成、1試験は登録を終了した。また、前臨床段階にあるシーズ(研究事業1,3,4)についても、アカデミア発シーズのFirst in human試験を1試験開始し、さらに他のシーズでは企業への導出が決定しGMP製造を開始するなど、一部に遅れがあるものも大きな進捗を見せている。また、企業・規制当局との産官学連携での新薬開発に関するシンポジウムを4年連続で開催し、産官学の研究者など360名を超える参加者のもとでがん新薬開発に関する多方面の議論を行った。
結論
アカデミア発のシーズ開発、未承認薬を用いた早期臨床開発共にほぼ順調に研究が進捗した。個々の開発を進めると共に、得られた経験・ノウハウ・問題点を蓄積されつつあり、医師主導治験を恒常的に実施するプラットフォームが形成された。また、産官学連携での問題共有・解決の場についてもできつつある、最終的には政策提言へつなげることを目的とする。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
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