症例集積性向上等に貢献できる治験ネットワーク活性化に関する研究

文献情報

文献番号
201409041A
報告書区分
総括
研究課題名
症例集積性向上等に貢献できる治験ネットワーク活性化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-医療技術-指定-014
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
山本 学(公益社団法人日本医師会治験促進センター 研究事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 栗山 猛(独立行政法人国立成育研究センター)
  • 土田 尚(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,425,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者追加 土田尚(平成27年10月6日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
複数の治験実施医療機関があたかも1つの治験実施医療機関のように治験を受託できる治験ネットワークを確実に運営し、促進していくために、症例集積性や事務手続きの効率化、迅速化等の点で優良な治験ネットワークに求められる要件を定める。また、「治験等の効率化に関する報告書」に記載されている内容の実効性について評価し、さらに検討が必要とされている項目(共同IRB普及への具体的な方法や効率的な活用について等)や、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が治験ネットワーク(事務局を含む)、参加医療機関、治験依頼者に課している内容(共同IRBや患者紹介システム、医師等のインセンティブ、治験ネットワーク事務局機能の強化等)、疾患に応じた治験ネットワーク構築のための具体的な方策等を検討し、提案する。
研究方法
平成25年度の研究において、治験NWに参加する医療機関の実態や治験NWに対する要望と、実際に治験NWを運営する治験NW事務局の支援内容等を比較検討することを目的に、治験NW参加医療機関への実態調査と、治験NW事務局へのヒアリング及び書面調査を実施した。その結果を基に治験NWの客観的評価法の確立と、症例集積や治験活性化に貢献し得る治験NWを育成するために、「治験NWに求められる要件」、「共同IRB、患者紹介システム、医師のインセンティブ、治験NW事務局機能の強化、さらに疾患に応じた治験NW構築のための具体的な方策等」、「治験NWが症例集積性を向上させるために必要な事項」を検討し、提案する。
結果と考察
治験NWは病診連携のように既存の枠組の延長で自然に出来上がるものではなく、参加医療機関の体制を、治験NWとして機能するために再構築する作業と考える。再構築には治験NWの現状分析と目標設定をする必要があり、自己評価シートが役立つことになる。
重複する業務を統一し、煩雑な手順を効率化するには、共同IRBの活用方法や各種手順や様式の標準化が必要であり、具体的な例示をあげることで、未対応の治験NWにとって導入しやすくなるものと思われる。更に、症例集積性に直接的に影響を与える患者紹介について、金銭的及び非金銭的インセンティブの観点で具体策を提示することで、被験者紹介システム構築を考える治験NWの参考になるものと考える。これらの内容は、治験NWが「あたかも1医療機関のように機能する」ために、いずれも重要な取組みである。
治験NWが効果的に機能するには、前述の通り参加医療機関の体制整備が必要であり、その為には治験NW事務局の積極的なマネジメントと、参加医療機関の長による強力な支援が不可欠である。なお、治験NWは疾患別治験NW等、異なる形態の組織があり必要な対応も一律ではないため、特徴に応じた留意点等も紹介している。
結論
治験NWの症例集積性、効率化さらにデータ品質向上の状況を図る指標は存在しなかったが、当研究班で作成した「治験ネットワーク自己評価シート」並びに各種業務手順書、治験NWのマネジメントツール、対応可能な契約形態の案の提示、患者紹介に関する考え方は、各治験NWの実力を客観視し、内外に可視化するために有効な手段であると考える。
各治験NWが優良な治験NWになるためには、主体的かつ継続的に自己評価を行い、参加医療機関の長の支援と治験NW事務局の積極的なマネジメントの元、強みはより強化し、弱点は改良していくことが必要である。また治験依頼者は、この自己評価結果を確認することで、治験NWの特性や実績を把握し、積極的な活用を検討していただけることを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-04
更新日
-

文献情報

文献番号
201409041B
報告書区分
総合
研究課題名
症例集積性向上等に貢献できる治験ネットワーク活性化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-医療技術-指定-014
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
山本 学(公益社団法人日本医師会治験促進センター 研究事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻村信正(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
  • 長谷川彰(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
  • 栗山 猛(独立行政法人国立成育医療研究センター)
  • 土田 尚(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
平成25年度 研究分担者変更 辻村信正(平成25年4月1日~平成25年6月30日)→長谷川彰(平成25年7月1日以降) 平成26年度 研究分担者追加 土田尚(平成27年10月6日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
複数の治験実施医療機関があたかも1つの治験実施医療機関のように治験を受託できる治験ネットワークを確実に運営し、促進していくために、症例集積性や事務手続きの効率化、迅速化等の点で優良な治験ネットワークに求められる要件を定める。また、「治験等の効率化に関する報告書」に記載されている内容の実効性について評価し、さらに検討が必要とされている項目(共同IRB普及への具体的な方法や効率的な活用について等)や、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が治験ネットワーク(事務局を含む)、参加医療機関、治験依頼者に課している内容(共同IRBや患者紹介システム、医師等のインセンティブ、治験ネットワーク事務局機能の強化等)、疾患に応じた治験ネットワーク構築のための具体的な方策等を検討し、提案する。
研究方法
平成25年度
これまで治験NW事務局に関する調査や治験NWを利用する側の治験依頼者に対する調査は多く行われてきたが、広く治験NWに参加する医療機関に対する調査は行われていない。そこで、治験NWに参加する医療機関の実態や治験NWに対する要望と、実際に治験NWを運営する治験NW事務局の支援内容等を比較検討することを目的に、治験NW参加医療機関への実態調査と、治験NW事務局へのヒアリングを実施する。また、参考として、ヒアリングを実施しない治験NW事務局に対しては書面調査を実施する。
平成26年度
平成25年度の研究において、治験NWに参加する医療機関の実態や治験NWに対する要望と、実際に治験NWを運営する治験NW事務局の支援内容等を比較検討することを目的に、治験NW参加医療機関への実態調査と、治験NW事務局へのヒアリング及び書面調査を実施した。その結果を基に治験NWの客観的評価法の確立と、症例集積や治験活性化に貢献し得る治験NWを育成するために、「治験NWに求められる要件」、「共同IRB、患者紹介システム、医師のインセンティブ、治験NW事務局機能の強化、さらに疾患に応じた治験NW構築のための具体的な方策等」、「治験NWが症例集積性を向上させるために必要な事項」を検討し、提案する。
結果と考察
治験NWは病診連携のように既存の枠組の延長で自然に出来上がるものではなく、参加医療機関の体制を、治験NWとして機能するために再構築する作業と考える。再構築には治験NWの現状分析と目標設定をする必要があり、自己評価シートが役立つことになる。
重複する業務を統一し、煩雑な手順を効率化するには、共同IRBの活用方法や各種手順や様式の標準化が必要であり、具体的な例示をあげることで、未対応の治験NWにとって導入しやすくなるものと思われる。更に、症例集積性に直接的に影響を与える患者紹介について、金銭的及び非金銭的インセンティブの観点で具体策を提示することで、被験者紹介システム構築を考える治験NWの参考になるものと考える。これらの内容は、治験NWが「あたかも1医療機関のように機能する」ために、いずれも重要な取組みである。
治験NWが効果的に機能するには、前述の通り参加医療機関の体制整備が必要であり、その為には治験NW事務局の積極的なマネジメントと、参加医療機関の長による強力な支援が不可欠である。なお、治験NWは疾患別治験NW等、異なる形態の組織があり必要な対応も一律ではないため、特徴に応じた留意点等も紹介している。
結論
治験NWの症例集積性、効率化さらにデータ品質向上の状況を図る指標は存在しなかったが、当研究班で作成した「治験ネットワーク自己評価シート」並びに各種業務手順書、治験NWのマネジメントツール、対応可能な契約形態の案の提示、患者紹介に関する考え方は、各治験NWの実力を客観視し、内外に可視化するために有効な手段であると考える。
各治験NWが優良な治験NWになるためには、主体的かつ継続的に自己評価を行い、参加医療機関の長の支援と治験NW事務局の積極的なマネジメントの元、強みはより強化し、弱点は改良していくことが必要である。また治験依頼者は、この自己評価結果を確認することで、治験NWの特性や実績を把握し、積極的な活用を検討していただけることを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

総合研究報告書
その他
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-06-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201409041C

成果

専門的・学術的観点からの成果
治験NWの症例集積性、効率化を図る指標は存在しなかったが、当研究班で作成した「治験ネットワーク自己評価シート」並びに各種業務手順書、治験NWのマネジメントツール、対応可能な契約形態の案の提示、患者紹介に関する考え方は、各治験NWの実力を客観視し、内外に可視化するために有効な手段であると考える。優良な治験NWになるためには、主体的かつ継続的に自己評価を行い、参加医療機関の長の支援と治験NW事務局の積極的なマネジメントの元、強みはより強化し、弱点は改良していくことが必要である。
臨床的観点からの成果
革新的な新規医薬品等を開発するためには治験の実施が必須であり、その治験を効率的に実施する方法の1つに治験NWがある。その治験NWの客観的評価法の確立と、症例集積や治験活性化に貢献し得る治験NWを育成するために、「治験NWに求められる要件」、「共同IRB、患者紹介システム、医師のインセンティブ、治験NW事務局機能の強化、さらに疾患に応じた治験NW構築のための具体的な方策等」、「治験NWが症例集積性を向上させるために必要な事項」を提案した。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
我が国で活動している治験NWと治験依頼者が参加する「平成26年度治験ネットワークフォーラム」及び「平成26年度治験推進地域連絡会議」で本研究成果の報告を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
平成26年度治験ネットワークフォーラム ほか
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
2019-05-21

収支報告書

文献番号
201409041Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,425,000円
(2)補助金確定額
2,425,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,838円
人件費・謝金 356,800円
旅費 785,530円
その他 1,277,832円
間接経費 0円
合計 2,425,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-