文献情報
文献番号
201409038A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性固形癌に対する腫瘍選択的融解ウイルスTelomelysinを用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-医療技術-一般-010
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 俊義(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 白川 靖博(岡山大学病院)
- 香川 俊輔(岡山大学病院)
- 田澤 大(岡山大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
Telomelysin(OBP-301)は、腫瘍特異的なhTERTプロモーターを用いた遺伝子改変アデノウイルス製剤であり、がん細胞のみで選択的に増殖して腫瘍融解を引き起す。Telomelysinはウイルスの生活環に由来する巧妙な分子機構を基盤とする遺伝子改変生物製剤であり、従来の抗癌治療とは全く異なる作用機序を有することから独創性の高いシーズである。
本研究では、難治性固形癌である進行食道癌および頭頸部癌患者を対象に、臨床研究として3回のTelomelysinの内視鏡的腫瘍内投与と6週間の放射線治療の併用の安全性および臨床効果を検討することを目的とする。平成26年度の研究計画では、食道癌患者の症例集積を推進し、レベル1(10e10 virus particle; vp)の登録終了と安全性、臨床効果の評価を達成目標とした。
本研究では、難治性固形癌である進行食道癌および頭頸部癌患者を対象に、臨床研究として3回のTelomelysinの内視鏡的腫瘍内投与と6週間の放射線治療の併用の安全性および臨床効果を検討することを目的とする。平成26年度の研究計画では、食道癌患者の症例集積を推進し、レベル1(10e10 virus particle; vp)の登録終了と安全性、臨床効果の評価を達成目標とした。
研究方法
1)適応患者を選定して臨床研究に登録する。具体的には、原発巣あるいは転移巣が組織学的又は細胞診により食道癌であると確認され、外科的切除や根治的な化学放射線療法が何らかの理由(高齢、低肺機能、腎機能障害など)で受けることが困難な患者が対象となる。岡山大学病院 遺伝子治療臨床研究審査委員会 安全・効果評価・適応判定部会にて審査・承認の後に治療を実施する。
2)Telomelysinの体内動態および体外排泄を検討するために、薬剤投与前、および投与後30、60、90分、24時間後、退院時、退院1ヶ月後の血液と薬剤投与前、24時間後、退院時の唾液、喀痰、尿を採取する。また、薬剤投与前と退院3ヶ月後の生検組織を採取する。
2)Telomelysinの体内動態および体外排泄を検討するために、薬剤投与前、および投与後30、60、90分、24時間後、退院時、退院1ヶ月後の血液と薬剤投与前、24時間後、退院時の唾液、喀痰、尿を採取する。また、薬剤投与前と退院3ヶ月後の生検組織を採取する。
結果と考察
平成25年11月29日より、標準治療の対象とならない高齢や併存症を有する食道癌患者へのレベル1(10e10 vp)のTelomelysin投与を開始し、平成27年3月までに53~92歳の7症例に治療が実施された。3例目でGrade 4のリンパ球減少を認めたため、実施計画書に基づきレベル1で3症例を追加することとした。また、5例目は治療中に腫瘍進行がみられたので脱落症例とし、さらに1例追加して計7症例となった。
有害事象としては、一過性発熱(57.1%)、食道炎(42.9%)、放射線肺臓炎(42.9%)、白血球減少(71.4%)などが40%以上で観察された。Grade 2以上のリンパ球減少は全例に認められ、うち2例はGrade 4となったが、放射線治療の中断などで回復がみられた。
臨床効果としては、内視鏡的には7例中5例で腫瘍縮小が認められ、3例では退院後1ヶ月から3ヶ月の生検組織にて悪性細胞の存在が認められなかった(完全奏功、complete response; CR)。他の2例は、1例は肉眼的には腫瘍は消失し、病理結果を待っている段階であり、1例は部分奏功(partial response; PR)であった。本治療前に抗癌剤が使用され不応であった2例では、1例が不変(stable disease; SD)であり、1例は進行(progression disease; PD)で治療を完遂できずに脱落症例となった。
有害事象としては、一過性発熱(57.1%)、食道炎(42.9%)、放射線肺臓炎(42.9%)、白血球減少(71.4%)などが40%以上で観察された。Grade 2以上のリンパ球減少は全例に認められ、うち2例はGrade 4となったが、放射線治療の中断などで回復がみられた。
臨床効果としては、内視鏡的には7例中5例で腫瘍縮小が認められ、3例では退院後1ヶ月から3ヶ月の生検組織にて悪性細胞の存在が認められなかった(完全奏功、complete response; CR)。他の2例は、1例は肉眼的には腫瘍は消失し、病理結果を待っている段階であり、1例は部分奏功(partial response; PR)であった。本治療前に抗癌剤が使用され不応であった2例では、1例が不変(stable disease; SD)であり、1例は進行(progression disease; PD)で治療を完遂できずに脱落症例となった。
結論
放射線併用Telomelysinウイルス療法の臨床研究を実施し、安全性と臨床的有効性を示唆するデータを集積することが可能であった。
公開日・更新日
公開日
2015-05-27
更新日
-