DPC(診断群分類)に係るデータの利活用に向けたサンプリングデータセットの整備に関する研究

文献情報

文献番号
201405025A
報告書区分
総括
研究課題名
DPC(診断群分類)に係るデータの利活用に向けたサンプリングデータセットの整備に関する研究
課題番号
H26-特別-指定-017
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・医療情報システム学)
  • 藤森 研司(東北大学大学院医学系研究科医療管理学分野)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンターがん対策情報センター情報システム管理課情報システム開発室・医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
1,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成22年6月22日の「新たな情報通信技術戦略工程表」で、レセプト情報等データベース及びDPCデータの第三者提供について提供形態の決定、ガイドライン策定に関する検討を行うこととなった。本研究はこれを受けてDPCデータの利活用に向けたサンプリングデータの試案及び活用体制について検討するものである。
研究方法
一般社団法人 診断群分類研究支援機構が収集しているデータを用いてサンプルデータセットを作成する手順の検討を行い、個人情報保護の観点から安全なデータセットを作成する方法論を確立したのち、以下の3種類のサンプリングデータを作成した。①症例数基準を設定してDPC別に作成した出来高換算コストデータ(中診療区分別)、②特定の分析目的のための医療行為情報を含むデータ(くも膜下出血)、③階層ランダムサンプリングを行った20%抽出データ。
結果と考察
1)症例数基準(100,50,30)以上のDPCを用いた出来高換算コストデータについては中区分1桁目の点数を四捨五入処理、様式1及びEFファイルを用いたDPCコードの振り直し、年齢の10歳階級刻みへの再コード化という一連の処理を行い個人の特定ができない仕様とした。しかしながら、都道府県情報・二次医療圏情報を加えると症例数と分類のカバー率が大幅に低下することが確認された2)特定の研究目的に使用するDPCデータセットについては、使用する情報を限定し、施設単位及び二次医療圏単位での集計を行わないことで、個人の特定が不可能なデータセットを作成することができた。ただし、このような作業で作成されるデータセットについては、研究目的を明確にしたうえで、データ切り出しに関する詳細な仕様が必要であり、オンサイトセンターで個別にデータ作成を行うことが望ましいと考えられた。3)20%ランダムサンプリングデータについては、E/Fファイルの情報をフルに用いることで個人の特定が可能になることが明らかとなった。他方、DPC定義表にある手術・処置等1,2の行為をE/Fファイルからマッチさせたデータでは個人の特定はできなかった。
結論
DPCデータの利活用のための サンプリングデータセットの仕様について検討した。利用目的に応じたデータ切り出し処理を行うことで個人情報保護に配慮したデータセットを作成することが可能であることが示された。しかしながら、このようなデータから得られる知見は厚生労働省がすでに公開している集計データを用いることで把握できるものが少なくなく、またDPC情報が本来持っている長所を生かすようなものでもない。したがって、その利活用を進めるためにはアメリカのRESDACを倣ってオンサイトでの分析を支援する組織の創設が適切であると考えられた。
結論:今回検討した方法論を用いることでDPCデータ利活用のためのサンプリングデータ作成が可能であることが示された。ただし、そのより一層の利活用を進めるためにはオンサイトでの分析を支援する組織の創設が必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-06-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201405025C

成果

専門的・学術的観点からの成果
平成22年6月22日の「新たな情報通信技術戦略工程表」で、レセプト情報等データベース及びDPCデータの第三者提供について提供形態の決定、ガイドライン策定に関する検討を行うこととなった。本研究はこれを受けてDPCデータの利活用に向けたサンプリングデータの試案及び活用体制について検討し、実施可能な提案を行った。
臨床的観点からの成果
DPCデータを用いて臨床研究が行えることを、脳神経外科領域を事例として実証的に検討した。
ガイドライン等の開発
本研究成果をもとに、DPCデータ活用のためのガイドライン作成が可能であると考えられる。
その他行政的観点からの成果
本研究成果をもとに、関係する審議会・委員会等でDPCデータ活用のあり方について検討が可能であると考えられる。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201405025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,340,000円
(2)補助金確定額
2,340,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,800円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 1,798,200円
間接経費 540,000円
合計 2,340,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2016-05-20
更新日
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