新たな専門医研修のモデルプログラム作成に関する研究

文献情報

文献番号
201405010A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな専門医研修のモデルプログラム作成に関する研究
課題番号
H26-特別-指定-027
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
八木 聰明(一般社団法人日本専門医機構)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 俊一(近畿大学医学部)
  • 千原 幸司(静岡市立静岡病院)
  • 木村 昭夫(国立国際医療研究センター)
  • 新川 秀一(みやぎ県南中核病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,981,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国においてはこれまで、各領域の学会が独自に運用してきた学会認定専門医が乱立して認定基準が統一されておらず、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになっており、患者から信頼される医療を確立していくためには、専門医になるための研修を受ける専攻医が、各診療領域で標準的な医学・医療レベルを獲得するためのプログラム策定が今後の専門医養成に求められる大きな課題である。
 新たな専門医の仕組みでは、専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」として考え、中立的機関が専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行うこととし、専門医の養成プロセスの標準化を図ることが求められている。今後、新たに専門医と専門研修プログラムの評価・認定を統一的に行う日本専門医機構が認定することにより、新たな専門医の速やかな養成の開始及び標準化に資することを目的とする。
研究方法
日本専門医機構が作成する専門研修プログラムの基準等を踏まえ、基本診療領域について標準的なモデルプログラムを作成し、そのモデルプログラムの妥当性について、基幹研修施設へのヒアリング等により検証することによって、各診療領域のモデルプログラムを横断的に比較し、個々の特性を明確化する。
結果と考察
研究計画に従い班会議を3回行った。会議を行う間に各分担研究者によるモデルプログラムに関する一部の基幹研修施設関係者からのヒアリングを行い、プログラム実施に向けた問題点等について検討を行った。
耳鼻咽喉科や救急救命領域については、プログラムの目的や、実施方法が極めて明確であることが判明した。但し、救急救命領域のように専門研修が他科(例えば、脳神経外科、腹部外科等)に及ぶ場合には、受け入れ体制を含め、その研修をどのように行うかについては、解決すべき具体的問題として残った。また、内科や外科のようにサブスペシャルティへの連続が主体である専門研修プログラムの問題点が明確になった。すなわち、外科専門医、或いは内科専門医に求められる標準的医療とは、という問題点が一層クローズアップされた感がある。今後、速やかに解決しなくてはならない点である。
結論
本研究によって作成された専門研修プログラムの標準的なモデルを提示することにより、各基幹研修施設は、平成27年度中に速やかに具体的な研修プログラムを作成することができ、これらの研修プログラムの認定を機構が行い、新たな専門医の育成を早期に開始することができる。また、初期臨床研修医は、それぞれの診療領域で提示されたモデルプログラムを参考にして専攻医に応募できるなど、自らのキャリアパスを早期に検討することができ、新たな専門医の速やかな養成・確保に資することができる。これらの専門研修プログラムの標準化による新たな専門医育成の結果が、医療の標準化及び専門医の質の一層の向上に寄与し、患者から信頼される医療を確立することができる。

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201405010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
今後の専門医を考える上に有用であり、社会(患者)にとって、よりよい専門医を育成するための一部を示すことが出来たことは、今後、専門研修プログラムを作成していく医療機関や地域の医療提供体制を検討している自治体が基礎資料と活用することができ、意義深い。学術的という側面からは、日本専門医機構において、各診療領域の専門研修プログラムの基準等が示されない中で作成されたモデルプログラムであり、意義について評価し難い。
臨床的観点からの成果
特になし
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
今後の日本における専門医育成や医療提供体制考える上で有意義である。患者から信頼される医療を確立していくためには、専門医の質の一層の向上や医師の診療における適切な連携を進めるべきであり、専門医になるための研修を受ける専攻医が、各診療領域で標準的な医学・医療レベルを獲得するためのプログラム策定が、今後の専門医養成に求められる大きな課題である。専門研修プログラムのあり方は、質の高い専門医を養成するための根幹であり、即ち、患者への標準的医療が確実に施行できる専門医を育成するための第一歩である。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
2019-06-20

収支報告書

文献番号
201405010Z