トラベラーズワクチン等の品質、有効性等の評価手法の検討に関する研究

文献情報

文献番号
201403021A
報告書区分
総括
研究課題名
トラベラーズワクチン等の品質、有効性等の評価手法の検討に関する研究
課題番号
H25-地球規模-指定-006
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
尾内 一信(川崎医科大学 小児科学)
研究分担者(所属機関)
  • 濱田 篤郎(東京医科大学病院 渡航者医療センター)
  • 渡邊 浩(久留米大学医学部 感染制御学講座)
  • 中野 貴司(川崎医科大学 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国においてトラベラーズワクチンのワクチンギャップを解消する必要性が指摘されており、そのためには、わが国の実情に適した臨床開発のためのガイドラインを作成する必要がある。今年度の研究では平成25年度に作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」を原案に更に検討を重ね、研究班としての最終案とQ&Aを作成することを目的とした。
研究方法
濱田篤郎研究分担者には、「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」に対するパブリックコメントとして、ワクチンメーカーからの意見聴取とコメントの整理をお願いした。中野貴司研究分担者には、ワクチンメーカーから意見、資料収集とその解析、さらに渡航者医療の現状調査、研究分担者や研究協力者による班会議での議論や情報交換を通して、平成25年度に作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」の研究班としての最終案の作成をお願いした。渡邊浩研究分担者には、「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」の研究班としての最終案のQ&Aの作成をお願いした。
結果と考察
(1) トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンスに関するパブリックコメント 
研究分担者 濱田篤郎、研究協力者 福島慎二
(研究要旨)平成25年度の本研究班で作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」に対するパブリックコメントとして、ワクチンメーカーからの意見聴取を行った。その結果、7つのワクチンメーカーから19の意見が寄せられた。この中には第Ⅲ相試験の内容に関する意見が多く、また感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドラインとの整合性に関する意見もあった。こうした意見を参考にして、研究班としての最終案である「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」を作成した。今後は一般国民からのパブリックコメントを得た上で、最終的な成果物を作成する必要がある。
(2) トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(案)の作成
研究分担者 中野貴司、研究協力者 田中孝明
(研究要旨)主に本邦以外の国や地域で発生・流行している感染症に対するワクチンを「トラベラーズワクチン」と呼ぶが、わが国では入手できる製剤が海外諸国と比べて少ない。それを解消するために、実情に適した臨床開発の考え方・留意点について明示する必要がある。本分担研究では、資料収集と調査、研究分担者や研究協力者による議論や情報交換を重ねて、国内外で発出されている関連の各種臨床開発ガイドラインを参考としながら「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」を作成した。今後、厚生労働省において、広く意見募集が予定されている。
(3)トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンスQ&Aの作成
研究分担者  渡邊 浩
(研究要旨)現在、我が国では海外で通常に使用されているワクチンの多くが国内で未承認であり、海外渡航者のためのワクチン接種の環境が十分に整っているとは言えない状況である。これまでの調査で個人輸入による輸入ワクチンの使用が年々増加していることが明らかとなった。本来は、国内承認製剤を使えることになるのが望ましく、「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイダンス」の作成が急がれる。本研究班では前年度に作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」を原案としてワクチン企業との意見交換を行い、最終的に「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」を作成、ワクチン企業7社からの意見等をもとにガイダンス解釈の一助としてQ&Aを作成した。今後、厚生労働省においてパブリックコメントの収集が予定されている。
結論
平成25年度に作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」に改正を加えて、「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」を作成し、その解釈の一助としてQ&Aも併せて作成した。今後、厚生労働省において、広くパブリックコメントの収集が予定されている。

公開日・更新日

公開日
2015-07-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-07-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201403021B
報告書区分
総合
研究課題名
トラベラーズワクチン等の品質、有効性等の評価手法の検討に関する研究
課題番号
H25-地球規模-指定-006
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
尾内 一信(川崎医科大学 小児科学)
研究分担者(所属機関)
  • 濱田 篤郎(東京医科大学病院 渡航者医療センター)
  • 渡邊 浩(久留米大学医学部 感染制御学講座)
  • 中野 貴司(川崎医科大学 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国においてトラベラーズワクチンのワクチンギャップを解消する必要性が指摘されている。そのためには、わが国の実情に適した臨床開発のためのガイドラインを作成する必要があり、本研究では「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(案)」を作成することを目的とした。
研究方法
濱田篤郎研究分担者には、平成25年度には渡邊研究分担者により収集された関連の各種トラベラーズワクチン臨床開発ガイドラインの情報整理と重要な項目を抽出したリストの作成をお願いした。平成26年度には「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」に対するパブリックコメントとして、ワクチンメーカーからの意見聴取とコメントの整理をお願いした。
中野貴司研究分担者には、平成25年度には濱田研究分担者、渡邊研究分担者によって収集、リスト化された参考資料を元にした班会議での議論と、平成24年度厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業「新興感染症ワクチン等の品質及び有効性評価手法の検討に関する研究(H24-特別-指定-013;研究代表者 山口照英)」の尾内分担研究より作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(素案)」を原案として行ったその他意見交換を反映した改定をお願いした。平成26年度はワクチンメーカーから意見、資料収集とその解析、さらに渡航者医療の現状調査、研究分担者や研究協力者による班会議での議論や情報交換を通して、平成25年度に作成した「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」の研究班としての最終案の作成をお願いした。
渡邊浩研究分担者には、平成25年度には「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(案)」作成のために必要な国内外で使用されている関連の各種トラベラーズワクチン臨床開発のガイドラインの情報収集をお願いした。また、平成26年度には「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」の研究班としての最終案のQ&Aの作成をお願いした。
結果と考察
平成25年度には渡邊研究分担者が「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(案)」作成の参考となる国内外の新規トラベラーズワクチン開発のガイドラインを検索し資料の収集を行い、濱田分担研究者がリスト化を行った。リストに含まれたのは19冊のガイドラインで、このうちワクチンの臨床開発全体に関するガイドラインが3冊、個々のワクチンのガイドラインが16冊だった。疾患別にはデング熱、日本脳炎、マラリア、コレラ、B型肝炎、黄熱、侵襲性髄膜炎菌感染症、腸チフス、狂犬病、A型肝炎、ダニ脳炎の11種類である。それぞれのガイドラインに記載された「免疫原性の判定」「既存ワクチンとの比較方法」「有効性や安全性の評価対象となる集団」などの重要項目を抽出し、リストを作成した。この資料を元に研究分担者や研究協力者による議論や情報交換を重ねて、中野研究分担者を中心として「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(素案)」を原案に「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(2014年3月改定案)」を作成した。
平成26年度には濱田研究分担者を中心に、このガイドライン案に対するパブリックコメントとして、ワクチンメーカーからの意見聴取を行った。その結果、7つのワクチンメーカーから19の意見が寄せられた。この中には第Ⅲ相試験の内容に関する意見が多く、また「感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドライン」(平成22年5月27日薬食審査発0527第5号)との整合性に関する意見もあった。こうした意見を参考にして、中野研究分担者を中心に、研究班としての最終案である「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」を作成した。また、その解釈の一助として、渡邊研究分担者を中心にQ&Aを作成し、詳細に記載した。今後、厚生労働省において、広くパブリックコメントの収集が予定されている。
結論
わが国においてトラベラーズワクチンのワクチンギャップを解消するために「トラベラーズワクチンの臨床開発ガイドライン(素案)」を改正し、さらにトラベラーズワクチン等の臨床開発にあたり、基本的な要件や承認申請で必要とされる資料は、「感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドライン」を踏襲する「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」およびQ&Aを作成した。今後、厚生労働省において、広く意見募集が予定されている。本ガイダンスが活用され、わが国においてトラベラーズワクチンの臨床開発が進み、ワクチンギャップが解消されることを切に期待する。

公開日・更新日

公開日
2015-07-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-07-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201403021C

成果

専門的・学術的観点からの成果
現段階ではなし
臨床的観点からの成果
現段階ではなし
ガイドライン等の開発
わが国におけるトラベラーズワクチンのワクチンギャップの解消を目的として「トラベラーズワクチン等の臨床開発ガイダンス(2015年3月改定案)」およびその解釈の一助としてQ&Aを作成した。その後、厚生労働省において、広くパブリックコメントが収集され、「トラベラーズワクチン等の臨床評価に関するガイダンス」が完成した。
その他行政的観点からの成果
厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長より「トラベラーズワクチン等の臨床評価に関するガイダンス」について、薬生審査発0407第1号、薬生審査発0407第2号として通知された。
その他のインパクト
濱田分担者がマスコミ取材を受け、新聞に掲載された。
(「渡航者ワクチン国内普及進まず」化学工業日報 2013年8月20日、「渡航者のワクチン」産経新聞 2013年8月20日、「海外渡航者のワクチン接種 共同配信 2013年9・10月」)
またホームページ「海外渡航とワクチン.org」http://www.tra-vac.org/index.htmlを作成し、海外渡航者に推奨されるワクチンや海外で注意する感染症の情報を掲載している。今後、本研究班の調査結果も掲載する予定である。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
17件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
30件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
41件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-24
更新日
2019-06-10

収支報告書

文献番号
201403021Z