高齢者介護サービスの質の包括的評価に関する研究

文献情報

文献番号
201401004A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者介護サービスの質の包括的評価に関する研究
課題番号
H25-政策-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
池上 直己(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 石橋 智昭(ダイヤ高齢社会研究財団)
  • 高野 龍昭(東洋大学 ライフデザイン学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
7,470,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、わが国においてアセスメントデータを二次利用したサービスの質の評価体制の実現可能性を探るため、インターライ方式を対象として利用者の状態変化に基づく客観的な質の評価モデルの構築を目指している。3年計画の2年目である本年度は、第一にQI算出のためのデータベースを拡大すること、第二にデータベースに蓄積されたアセスメントデータの入力パターンを分析し、ダウンロードはされたが、QIを算出できなかった利用者データの特徴を明らかにすること、第三にアセスメントデータからリスク調整済みのQI値を試行的に算出することをそれぞれ目的とする。
研究方法
データベースを拡大するために、研修を行って研究参加事業所を増やした。次に、これら事業所からダウンロードされたデータにおいて、QIを算出するための要因を規定し、試行的にQIを算出した。
結果と考察
研究参加事業所は昨年度の10法人、39事業所より、15法人231事業所に大幅に増加した。これら事業所のうち、データをダウンロードできたのは8法人39事業所の1,480件分であった。このうち施設は老健・特養合わせて5事業所に留まったため、居宅の23事業所は2時点のデータがなかったため、それぞれ除外した。次に、入力利用者数が10人未満の9事業所、次いでQIの平均入力率が15%未満の4事業所を除外した。この過程により、4法人8事業所の347件の利用者入力データに基づいてQIを試行的に計算した。なお、介護支援専門員(以下、ケアマネと略)によっても入力率の相違があったが、10人以上の利用者を入力したのは全体の4分の1に過ぎなかった。
リスク調整したQI値を試行的に算出した結果、各QIの値には幅があるものの、質を評価するために利用できることが確認できた。また、事業所によって、ADL、認知機能、うつの傾向の各構成比が大きく異なることが明らかになり、リスク調整の必要性が明らかになった。
結論
次年度では、第1に研究参加からの時間が経過することから、アセスメントの入力数を増やすとともに、2時点のデータが入力されている割合を高める。第2に、本年度明らかになった入力率の低いアセスメント項目や入力数の少ないケアマネに対して、注意を喚起して入力率を高め、算出できる利用者データを増やす。第3に、施設系事業所の数が増えるので、施設においてもリスク調整の適切性を居宅と同様に検証する。最後に、各事業所において、質が低いと評価された事業所において、質を低くした利用者のうち、リスクが低いにも拘わらず、分子に該当した利用者を抽出して、そのIDをケアマネにフィードバックする。そしてケアマネに対して、これら利用者のケアプランの点検を依頼し、各利用者レベルにおいて質を改善する方法を検討する。

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

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その他

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201401004Z