アンメットメディカルニーズ克服のための創薬と育薬

文献情報

文献番号
201337010A
報告書区分
総括
研究課題名
アンメットメディカルニーズ克服のための創薬と育薬
課題番号
H25-実用化(国際)-指定-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
槇野 博史(岡山大学医学部 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(国際水準臨床研究分野)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患、小児疾患、希少疾患といったアンメットメディカルニーズの高い疾患を対象に、新規の薬剤並びに医療機器の開発を行うために臨床研究中核病院整備事業にて構築したAROとしての機能を活用しアカデミアでありながら主体的に製品開発に関わるとともに世界に向けてエビデンスを発信し、新規治療法を国民へ還元することを目的とし、以下5試験を関連法規を遵守し実施する。
研究方法
分担研究1)同種造血幹細胞移植後の難治性慢性移植片対宿主病を対象としたタミバロテンの多施設共同医師主導臨床第1相試験(医師主導治験)
慢性GVHDに対する新たな治療法の確立のため、タミバロテンを使用した多施設共同医師主導臨床第2相非対照オープンラベル試験を実施する。主要評価項目を、タミバロテン治療終了時点(24週)での治療奏効維持生存率かつ奏効率(CR+PR)とし,症例数18例(岡山大学病院:3例)を実施する。
分担研究2)岡山大学方式の人工網膜の医師主導治験の準備と実施:生物学的安全性評価・製造・品質管理・第1相・第2相試験
有効な治療法のない網膜色素変性で失明した患者に対し、岡山大学方式の人工網膜を使用した治療法の確立のため、生物学的安全性評価、製造工程管理と品質管理を実施し、医師主導治験を計画、実施する。
分担研究3)乳癌に対するドセタキセル100mg/m2を用いた医師主導治験
進行・再発乳癌患者を対象とし、ドセタキセル100 mg/m2投与時の薬物動態、忍容性及び安全性を評価するための医師主導治験を実施する。また、ドセタキセルの有効性及び安全性、並びに薬物動態に影響を及ぼす可能性のあるバイオマーカーを評価する。
分担研究4)歯科用局所麻酔剤アーティカインを用いた医師主導治験
世界標準治療薬で、日本の既存の治療薬とは異なる特長を有するアーティカインを日本に導入するため、健康成人男性日本人ボランティアを対象としたアーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩注射剤(1:100,000)の第1相試験を実施する。
分担研究5) 抗マラリア薬、抗C型肝炎薬のFIMの実施とフェーズ3に向けた剤型改善に関する研究
新規抗マラリア化合物N-251を経皮吸収型製剤として最適化をはかり、マラリア流行地でフェーズ1からシームレスにフェーズ3を実施できるよう準備するとともに、難治性C型肝炎患者に対する医師主導治験を実施する。
結果と考察
分担研究1)岡山大学病院の治験審査委員会の承認を得、治験届を提出した。平成25年12月11日に治験薬の納入を完了し、治験進行中である。多施設共同試験に向け、5施設を選定し、各施設においてIRB申請準備中である。
分担研究2)人工網膜の生物学的安全性評価において、細胞毒性試験、遺伝毒性試験(復帰突然変異、染色体異常試験)、眼刺激試験、急性毒性試験、埋植試験で毒性がないことを確認した。また、光電変換色素による細胞毒性試験、遺伝毒性試験、急性全身毒性試験、28日反復投与全身毒性試験、感作試験で毒性がないことを確認した。さらに、製造工程管理と品質管理を確立し、治験実施計画書を作成し、PMDA薬事戦略相談事前面談を終えた。
分担研究3)エンドポイントの適切な評価ができるデザインとなるよう、生物統計家、薬物動態専門家、薬事担当と共同で治験実施計画書を作成、また治験結果を適切にデータ収集するためのEDCシステムの構築、データの信頼性を担保するためにQA、QC体制を構築した。
分担研究4)アーティカインの薬事承認取得に必要な海外の本製剤製造企業及び製造販売承認申請をする日本の企業と交渉を実施し、本製剤の医師主導治験を行う共同研究の同意を得た。
分担研究5)日本薬局方収載の種々の溶媒と基剤の検討の結果を基に、N-251経皮吸収型製剤を作製し、マウスマラリアモデルにN-251(150mg/kg)を一日2回、3日間連続塗布した結果、投与期間に比例して血中感染率は減少し、血中からマラリア原虫が再度出現すること無く完治するという結果を得た。また、マウス肝ミクロソーム、及びヒトの肝ミクロソームを用いたN-251の分解能について検討した結果、N-251は肝臓の代謝酵素により1時間で80%程度分解し、時間依存的に分解することが判った。一方、ヒトの肝ミクロソームでは、マウスより分解能が弱く、反応1時間後でも40%以上のN-251が残っていることが判った。さらに、臨床試験のフィールド確保のためにインドネシアのハサヌディン大学と臨床試験のための研究協議を行った。
結論
各研究は、臨床研究中核病院整備事業の基盤を活用し、当初計画にほぼ準じた進捗状況で研究が進んでいる。次年度は、データマネージメントセンターの強化を中心とした品質管理体制をさらに充実させる予定であり、外部委託に頼らないARO体制を構築する予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201337010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
70,000,000円
(2)補助金確定額
70,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 33,973,420円
人件費・謝金 130,587円
旅費 1,934,010円
その他 33,961,983円
間接経費 0円
合計 70,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
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