文献情報
文献番号
201336001A
報告書区分
総括
研究課題名
国立がん研究センターPhaseⅠ センター早期開発研究
課題番号
H23-実用化(臨床)-指定-001
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
大津 敦(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索研究センター/東病院臨床開発センター)
研究分担者(所属機関)
- 松村 保広(独立行政法人 国立がん研究センター 東病院臨床開発センター 新薬開発分野)
- 安永 正浩(独立行政法人 国立がん研究センター 東病院臨床開発センター 新薬開発分野)
- 土井 俊彦(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索研究センター 先端医療科/東病院 消化管内科)
- 安井 博史(静岡県立静岡がんセンター消化器内科)
- 室 圭(愛知県がんセンター中央病院 薬物療法部)
- 仁科 智裕(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 内科)
- 高橋 俊二(公益財団法人がん研究会有明病院 総合腫瘍科)
- 山口 研成(埼玉県立がんセンター 消化器内科)
- 朴 成和(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
- 廣中 秀一(千葉県がんセンター 臨床試験推進部)
- 土原 一哉(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター TR分野)
- 落合 淳志(独立行政法国立がん研究センター 東病院臨床開発センター 臨床腫瘍病理分野)
- 佐藤 暁洋(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 臨床試験支援室)
- 藤原 康弘(独立行政法人国立がん研究センター 企画戦略局)
- 落谷 孝広(独立行政法人国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 竹下 文隆(独立行政法人国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 小野 麻紀子(独立行政法人国立がん研究センター 研究所 分子細胞治療研究分野)
- 松田 範昭(株式会社スリー・ディー・マトリックス 事業開発部)
- 小林 智(株式会社スリー・ディー・マトリックス 事業開発部)
- 細田 雅人(インタープロテイン株式会社本社)
- 小松 弘嗣(インタープロテイン株式会社 事業開発本部)
- 肥塚 靖彦(インタープロテイン株式会社 研究開発部)
- 松崎 尹雄(インタープロテイン株式会社 分子設計部)
- 田村 研治(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院 乳腺・腫瘍内科)
- 米盛 勧(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院 乳腺・腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(早期・探索的臨床試験研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
123,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国発の創薬・早期臨床開発を目指し、早期・探索的拠点整備事業で整備を進める基盤を用いて、アカデミア・ベンチャー発シーズの臨床導入(研究事業1. 3. 4.)、製薬企業と共同での未承認薬を用いた早期臨床開発(研究事業2.5.)を実施する。それによって、わが国での産官学連携の早期臨床開発のモデルを確立する。
研究方法
研究事業1.(抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤)
アカデミア施設で新たに開発した抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成25年度は、抗TFモノクローナル抗体(mAb)作製とその特性評価、抗TF抗体への抗がん剤の付加、エピルビシン内包ミセル表面への抗TF抗体の付加体の抗腫瘍効果の評価を行う。
研究事業2.(TAS102)
未承認抗がん剤を用いた胃癌に対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成25年度は、平成24年度に登録終了した試験の追跡を行うと共に、更に高容量での拡張コホートを実施する。
研究事業3.(RPN2核酸製剤)
わが国で発見した乳癌の新しい標的RPN2を阻害する核酸製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成25年度は、GLP安全性試験を継続して実施し、サルへの反復投与を含む中核の安全性試験を完了する。治験薬のGMP製造を開始し、治験プロトコールを作成してFIH医師主導治験の準備を行う。
研究事業4.(経口VEGF阻害剤)
抗体薬と同じ作用機序を持つ低分子化合物の最適化および前臨床試験を実施する。平成25年度も昨年度に引き続きリード化合物から誘導体の合成と最適化を行う。
研究事業5.(Olaparib)
未承認抗がん剤を用いた乳がんに対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成25年度は、平成24年度に開始した医師主導治験を継続して実施する。
アカデミア施設で新たに開発した抗体付加抗がん剤内包ミセル製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成25年度は、抗TFモノクローナル抗体(mAb)作製とその特性評価、抗TF抗体への抗がん剤の付加、エピルビシン内包ミセル表面への抗TF抗体の付加体の抗腫瘍効果の評価を行う。
研究事業2.(TAS102)
未承認抗がん剤を用いた胃癌に対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成25年度は、平成24年度に登録終了した試験の追跡を行うと共に、更に高容量での拡張コホートを実施する。
研究事業3.(RPN2核酸製剤)
わが国で発見した乳癌の新しい標的RPN2を阻害する核酸製剤の製剤化・前臨床試験を実施する。平成25年度は、GLP安全性試験を継続して実施し、サルへの反復投与を含む中核の安全性試験を完了する。治験薬のGMP製造を開始し、治験プロトコールを作成してFIH医師主導治験の準備を行う。
研究事業4.(経口VEGF阻害剤)
抗体薬と同じ作用機序を持つ低分子化合物の最適化および前臨床試験を実施する。平成25年度も昨年度に引き続きリード化合物から誘導体の合成と最適化を行う。
研究事業5.(Olaparib)
未承認抗がん剤を用いた乳がんに対する早期第II相試験を医師主導治験で実施する。平成25年度は、平成24年度に開始した医師主導治験を継続して実施する。
結果と考察
研究事業1. 3. 4.については、それぞれ製剤化および前臨床試験を実施し、一部遅れがあるものの概ね順調にFirst in human試験実施に向けた開発が進んでいる。研究事業2.5.では、医師主導治験が順調に進捗している。また、企業・規制当局との産官学連携での新薬開発に関するシンポジウムを3年連続で開催した。
結論
アカデミア発のシーズ開発、未承認薬を用いた早期臨床開発共にほぼ順調に研究が進捗した。個々の開発を進めると共に、得られた経験・ノウハウ・問題点を蓄積されつつあり、医師主導治験を恒常的に実施するプラットフォームが形成されつつある。また、産官学連携での問題共有・解決の場についてもできつつある、最終的には政策提言へつなげることを目的とする。
公開日・更新日
公開日
2015-03-11
更新日
-