iPS細胞等を用いた移植細胞の安全性データパッケージ構築に関する研究

文献情報

文献番号
201335005A
報告書区分
総括
研究課題名
iPS細胞等を用いた移植細胞の安全性データパッケージ構築に関する研究
課題番号
H25-実用化(再生)-一般-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
川真田 伸(公益財団法人先端医療振興財団 細胞療法開発事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 郷 正博(公益財団法人先端医療振興財団)
  • 尾上 浩隆(独立行政法人理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター)
  • 田原 強(独立行政法人理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター)
  • 永井 洋士(公益財団法人先端医療振興財団)
  • 西下 直希(公益財団法人先端医療振興財団)
  • 金村 星余(公益財団法人先端医療振興財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(再生医療関係研究分野)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
当研究課題は、iPS細胞由来ドーパミン(DA)産生細胞、神経幹細胞、心筋細胞の造腫瘍性試験を実施し、各案件開発者に試験デザインと試験結果をfeed backする。さらに、iPS細胞等多能性幹細胞の生体内動態評価systemを開発することで、多能性幹細胞由来移植細胞の転移能も併せて評価する。
研究方法
本年度は、iPS細胞由来神経幹細胞移植による造腫瘍能評価のため、まずpositive controlとして脳-線条体にU251細胞(アストロサイトーマ: JCRB細胞バンク)を移植した。U251細胞1.0x10の1乗~1.0x10の5乗個をNOGマウスの線条体に移植し、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と経過観察中である。また、新規移植細胞生体内動態評価systemの開発としては、移植後の細胞の移植部位における定着や他の臓器への移動の有無を調べるために、ルシフェラーゼ高発現ベクターの構築および発現安定株4T1-Luc細胞の樹立を確認した。また、長期造腫瘍性試験における技術構築、ルシフェラーゼ高発現細胞株の樹立、移植細胞の定着および移動のためのラベリング技術開発等の技術基盤構築を行った。
結果と考察
NOG mouseを用いて脳線条体へU251細胞を10の5乗,10の4乗,10の3乗,10の2乗,10,1の容量で移植を行い、3, 6,12カ月の長期造腫瘍性試験を実施している。現在、途中段階ではあるものの,1x10の5乗でNOGマウス線条体移殖後、6週後に腫瘍を確認している。HE染色、KB染色、組織免疫染色、ヒト細胞特異的免疫染色等を行い、検出感度・観察期間の設定等を評価している。
2種類のルシフェラーゼ遺伝子発現ベクター (pCAG-Luc-iP, pLenti-Luc-iV) を構築し、発現したタンパク質がルシフェラーゼ活性を示すかどうか活性測定を行い、いずれも高い活性が示された。次いで、pCAG-Luc-iPベクターを導入したマウス乳癌由来細胞4T1の安定発現株(4T1-Luc細胞)を樹立し、その発現細胞を尾静脈から投与することで、マウス乳癌転移モデルを作製した。その結果、移植後13日目で乳腺リンパ節付近への転移が、検出された。現在Leti-vectorへの組み換えを行っている。
結論
本年度では、1.0x10の1乗~1.0x10の5乗個の腫瘍原生細胞を線条体に移植し、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と経過観察することで、(PI慶応大学岡野先生、中村先生、iPS細胞由来神経幹細胞移植による)脊髄損傷治療の前臨床試験である造腫瘍性試験のprotocol策定支援を行っている。また、体内動態評価system開発では、ルシフェラーゼ遺伝子発現ベクター (pCAG-Luc-iP, pLenti-Luc-iV) の構築およびルシフェラーゼの活性評価も確認できたことから、次年度に向けた移植細胞生体内動態評価法としてのルシフェラーゼ発現ヒトiPS細胞を用いたiPS細胞由来細胞の転移性試験の実施を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201335005Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
46,800,000円
(2)補助金確定額
46,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 24,605,345円
人件費・謝金 4,015,072円
旅費 104,540円
その他 7,357,758円
間接経費 10,800,000円
合計 46,882,715円

備考

備考
収入を超える支出との差額の出所:自己資金82,715円

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-