文献情報
文献番号
199800309A
報告書区分
総括
研究課題名
専門職及び関連職種の養成研修のあり方に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
柴田 貞雄(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院)
研究分担者(所属機関)
- 松井亮輔(北星学園大学)
- 赤塚光子(東京都心身障害者福祉センター)
- 中野敏子(明治学院大学)
- 石川到覚(大正大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
身体障害、知的障害、精神障害すべての障害を対象とし、リハビリテーションと障害者福祉に関わる専門職及び関連職種の養成研修のあり方を研究し、障害者の自立と社会参加を支援する人材養成・研修のあり方を明らかにする。
研究方法
実態調査、訪問調査、ヒアリング及び関連資料の収集・分析
(1)地方自治体に対し、職員の養成・研修実施状況に関するアンケート調査の実施
(2)各種職能団体及び各種養成研修機関からの関係資料の収集及びヒアリング
(3)各種施設における職員の配置状況、研修実施の状況に関する調査
(4)障害者の自立と社会参加を支援する専門職員及びサービス利用者である障害者
へのグループインタビューの実施
(1)地方自治体に対し、職員の養成・研修実施状況に関するアンケート調査の実施
(2)各種職能団体及び各種養成研修機関からの関係資料の収集及びヒアリング
(3)各種施設における職員の配置状況、研修実施の状況に関する調査
(4)障害者の自立と社会参加を支援する専門職員及びサービス利用者である障害者
へのグループインタビューの実施
結果と考察
(1) 都道府県・指定都市を対象とし、障害保健福祉担当課長宛、「障害者の保健福
祉における専門職員及び関連職員の養成・研修の実施状況に関する調査」を実施
した。身体障害、知的障害、精神障害等すべての障害者を対象とする各種施設、
地域事業、相談事業に携わる51職種につき、地方自治体が直接実施しているもの、
民間団体に委託実施しているもの、民間団体等が独自に実施している養成研修等
の状況を把握した。
回答は47都道府県及び12指定都市から得られた。各自治体における養成・研修
実施状況はまちまちであり、各自治体が実施した職種数は5職種から31職種と幅
があり、全自治体による実施率が80%以上の職種は、身障相談員、知的障害者相
談員、要約筆記者であり、実施率が10%未満の職種は、歩行・訓練指導員、職能
判定員、地域生活支援ワーカー、コーディネーター等、専門性が高い職種か、近年スタートした事業に従事する職名が多かった。
(2) 各種職能団体・養成研修施設における養成研修の実施状況と課題を把握するた
めに、主要9機関からヒアリングと討議を実施した。長い歴史のある機関、近年、専門職団体として組織された団体等それぞれに特徴があった。歴史の長い機関においては、近年のニーズに対応するために養成研修の実施方法、カリキュラムの見直しが必要とされており、比較的新しい機関や団体においては、生涯研修体制などの取り組みが開始されようとする段階であった。
(3) 各種施設における職員の配置状況、研修の実施状況については、施設の種類、対象障害、地域によって差異があった。先駆的な取り組みをしている施設において聞き取り調査を実施した結果では、職員研修の重要性が認識され、施設単位の研修、国、都道府県等による研修への参加、職能団体等による外部研修の活用などが行われていた。
(4) 障害者の自立と社会参加を支援する専門職員へのグループインタビューと、サービス利用者である障害者へのグループインタビューを実施した。専門職員としては、保健系職員と福祉系職員に対して実施した。地域における自立生活を支える実践的専門性、専門性の必須要素、専門性の枠組み等を把握することを目的とした。実践的な専門性としては、利用者の意識や態度に変容をもたらすこと、満足感を与えること、共感すること、サービスの質の向上にに寄与すること、新たなシステムや制度を開発することなどが求められた。
専門性の必須要素としては、利用者を尊重し、多様なニーズを満たすための幅広い情報の収集、柔軟性、積極性、客観的な判断、継続性、創造性、洞察力、専門知識、情報分析力などの基本的能力の他、基本姿勢として、専門職としての自覚、責任感、向上心、倫理観が求められ、また、マネジメント能力としては、評価能力、統合能力、リーダーシップ、調整力、サービス開発能力などが必要であることが明らかになった。
(5) 各種実態調査、訪問調査、関連資料の収集、ヒアリング、グループインタビュ
ーなどにより、各種障害者施設や地域利用事業に従事している専門職及び関連職
種の養成研修の実態が明らかになった。都道府県・指定都市等による障害者関係
の職員の養成研修の取り組み状況は区々さまざまであった。また、各種施設につ
いては、その種別、障害によっても差があり、職員の質の向上をめざして先駆的
な取り組みをしている施設もあった。しかし、これらの取り組みを体系化し、充
実していくためには、職員設置基準の見直し、基本的検討、体制づくりが必要と
される。
祉における専門職員及び関連職員の養成・研修の実施状況に関する調査」を実施
した。身体障害、知的障害、精神障害等すべての障害者を対象とする各種施設、
地域事業、相談事業に携わる51職種につき、地方自治体が直接実施しているもの、
民間団体に委託実施しているもの、民間団体等が独自に実施している養成研修等
の状況を把握した。
回答は47都道府県及び12指定都市から得られた。各自治体における養成・研修
実施状況はまちまちであり、各自治体が実施した職種数は5職種から31職種と幅
があり、全自治体による実施率が80%以上の職種は、身障相談員、知的障害者相
談員、要約筆記者であり、実施率が10%未満の職種は、歩行・訓練指導員、職能
判定員、地域生活支援ワーカー、コーディネーター等、専門性が高い職種か、近年スタートした事業に従事する職名が多かった。
(2) 各種職能団体・養成研修施設における養成研修の実施状況と課題を把握するた
めに、主要9機関からヒアリングと討議を実施した。長い歴史のある機関、近年、専門職団体として組織された団体等それぞれに特徴があった。歴史の長い機関においては、近年のニーズに対応するために養成研修の実施方法、カリキュラムの見直しが必要とされており、比較的新しい機関や団体においては、生涯研修体制などの取り組みが開始されようとする段階であった。
(3) 各種施設における職員の配置状況、研修の実施状況については、施設の種類、対象障害、地域によって差異があった。先駆的な取り組みをしている施設において聞き取り調査を実施した結果では、職員研修の重要性が認識され、施設単位の研修、国、都道府県等による研修への参加、職能団体等による外部研修の活用などが行われていた。
(4) 障害者の自立と社会参加を支援する専門職員へのグループインタビューと、サービス利用者である障害者へのグループインタビューを実施した。専門職員としては、保健系職員と福祉系職員に対して実施した。地域における自立生活を支える実践的専門性、専門性の必須要素、専門性の枠組み等を把握することを目的とした。実践的な専門性としては、利用者の意識や態度に変容をもたらすこと、満足感を与えること、共感すること、サービスの質の向上にに寄与すること、新たなシステムや制度を開発することなどが求められた。
専門性の必須要素としては、利用者を尊重し、多様なニーズを満たすための幅広い情報の収集、柔軟性、積極性、客観的な判断、継続性、創造性、洞察力、専門知識、情報分析力などの基本的能力の他、基本姿勢として、専門職としての自覚、責任感、向上心、倫理観が求められ、また、マネジメント能力としては、評価能力、統合能力、リーダーシップ、調整力、サービス開発能力などが必要であることが明らかになった。
(5) 各種実態調査、訪問調査、関連資料の収集、ヒアリング、グループインタビュ
ーなどにより、各種障害者施設や地域利用事業に従事している専門職及び関連職
種の養成研修の実態が明らかになった。都道府県・指定都市等による障害者関係
の職員の養成研修の取り組み状況は区々さまざまであった。また、各種施設につ
いては、その種別、障害によっても差があり、職員の質の向上をめざして先駆的
な取り組みをしている施設もあった。しかし、これらの取り組みを体系化し、充
実していくためには、職員設置基準の見直し、基本的検討、体制づくりが必要と
される。
結論
障害者保健福祉施策は、身体障害、知的障害、精神障害の3障害を統合的に対
応する方向に、また、施設中心から地域生活支援の方向に動いている。 社会福祉
基礎構造改革において、従来からの措置制度から利用契約制度への変更が打ち出
されるなど、大きな変換期にある。
このような動向において、「福祉専門職の教育課程等に関する検討」、「福祉
サービスの質の向上に関する検討」、「障害者(児)施設におけるサービス評価
基準の検討」などが厚生省において取り組まれている。これらの動向も踏まえた
上で、さまざまな障害者の自立と社会参加を支援するための優秀な職員を確保す
るための養成研修のあり方を、今後、具体的に研究していかなければならない。
また、障害者の自立と社会参加を支援するために必要な職員の職種、必要数、
専門職教育におけるカリキュラムの内容、資格制度、現任訓練、生涯研修体制な
どを、新たな社会福祉の実施体制との関連において明らかにする必要がある。
都道府県域、障害保健福祉県域、市町村域における役割と業務内容を明確化し、それぞれの圏域において必要とされる職種、職員数を明確化し、これらの職員
の養成研修は、国、都道府県、市町村、職能団体等、どこが責任を持って実施す
るのかについても、検討・整理しなければならない。
さらに、施設から地域生活への移行を促進し、社会リハビリテーション(社会生
活力を高める支援)を担うリハビリテーションソーシャルワーカーの養成を、社
会福祉士、精神保健福祉士の資格制度との関連において検討するとともに、重度・
重複障害者の自立と社会参加を地域においてトータルに支援するケアマネジャー
の養成が、当面の喫緊の課題であろう。
応する方向に、また、施設中心から地域生活支援の方向に動いている。 社会福祉
基礎構造改革において、従来からの措置制度から利用契約制度への変更が打ち出
されるなど、大きな変換期にある。
このような動向において、「福祉専門職の教育課程等に関する検討」、「福祉
サービスの質の向上に関する検討」、「障害者(児)施設におけるサービス評価
基準の検討」などが厚生省において取り組まれている。これらの動向も踏まえた
上で、さまざまな障害者の自立と社会参加を支援するための優秀な職員を確保す
るための養成研修のあり方を、今後、具体的に研究していかなければならない。
また、障害者の自立と社会参加を支援するために必要な職員の職種、必要数、
専門職教育におけるカリキュラムの内容、資格制度、現任訓練、生涯研修体制な
どを、新たな社会福祉の実施体制との関連において明らかにする必要がある。
都道府県域、障害保健福祉県域、市町村域における役割と業務内容を明確化し、それぞれの圏域において必要とされる職種、職員数を明確化し、これらの職員
の養成研修は、国、都道府県、市町村、職能団体等、どこが責任を持って実施す
るのかについても、検討・整理しなければならない。
さらに、施設から地域生活への移行を促進し、社会リハビリテーション(社会生
活力を高める支援)を担うリハビリテーションソーシャルワーカーの養成を、社
会福祉士、精神保健福祉士の資格制度との関連において検討するとともに、重度・
重複障害者の自立と社会参加を地域においてトータルに支援するケアマネジャー
の養成が、当面の喫緊の課題であろう。
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