大規模地震に対する地域保健基盤整備実践研究

文献情報

文献番号
201330015A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模地震に対する地域保健基盤整備実践研究
課題番号
H25-健危-一般-004
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 幸男(福島県県北保健所  )
研究分担者(所属機関)
  • 中瀬 克己(岡山大学医療教育統合開発センターGIMセンター部門)
  • 佐々木 隆一郎(長野県飯田保健所)
  • 前田 秀雄(東京都福祉保健局保健政策部)
  • 坂元 昇(川崎市健康福祉局)
  • 金谷 泰宏(国立保健医療科学院危機管理研究部)
  • 近藤 久禎(国立病院機構災害医療センター)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学)
  • 宮崎 美砂子(千葉大学看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東日本大震災による大きな被害や様々な対応を経験したこと踏まえ、今後平常時から大規模地震に備えておく必要がある。東日本大震災発生以降に取りまとめられた「地域保健対策検討会報告書」において、発生後早期の情報収集・共有、具体的保健活動手法の全国的共有、保健調整機能の確保の重要性が指摘されている。 そこで、本研究では、政府が想定している大規模震災時に必要となる保健医療救護等活動を適切に提供するために、広域を含む支援の仕組みやそのための準備として保健所等を拠点とした基盤を整備できるよう検討する。
研究方法
発災直後の重傷度別被災者数推定による小地域別需給ギャップ等の量的推定、保健医療救護等を調整するための情報と入手・共有方策の検討、広域支援を含む効果的な保健医療救護等調整のための標準機構(日本版ICS)の試行と地域別検討、上記に必要な人材の構成や育成するために必要な事項の検討等を行う。
結果と考察
1.発災直後の重傷度別被災者数推定による小地域別需給ギャップ等の量的推定
(1)地震時建物倒壊に伴う人的損傷確率推定手法の提案
(2)地域保健と疫学研究者等の連携~浜松市における検討~
(3)今後の広域大規模災害における保健医療人的支援の量的限界に関する研究-東日本大震災支援実態調査と南海トラフ巨大地震の被害想定にもとづく比較分析
2.保健医療救護等を調整するための情報と入手・共有方策
(1)災害時の被災市町村支援における地域診断項目とその活用について
3.保健医療救護等の調整を行うための機構の地域別検討
(1)南海地震地域における地域保健基盤整備に関するモデル実践について
(2)公衆衛生チーム派遣による災害時における公衆衛生機能支援のあり方
(3)愛知県の災害時保健所機能強化及び相互支援体制の検討
(4)都道府県を超えた近隣保健所間での連携の試み
(5)東日本大震災を振り返り新たな大規模地震に備えて
4.必要な人材の構成や育成にするために必要な事項の検討
(1)国における人材育成の現状と対策
(2)保健所対象の広域的災害医療情報システム(EMIS)研修の現状調査について
結論
政府想定の大規模地震に備えるために、健康被害と支援等の量的推定と把握方策、域内外からの支援の調整方策、これらを担う人材やその育成について検討した。
1.被災者の負傷程度を外傷重症度指標による導入で試み、関数化しモデル地区の浜松市において人的被害推定を行い、その有用性を検証した。
2.モデル地域の浜松市において県の被害想定を踏まえ、中学校区単位で、被災者の規模(死者、重傷者、軽傷者数および慢性疾患患者数)を推計し、医療機関当たり死傷者数を地図化することで医療資源に対しニーズが過大な地域を見える化した。また発災時直後から時期区分し、被災地での把握情報項目案(地区診断項目)を作成した。
3.南海トラフ程度(レベル2想定)の大規模災害で東日本大震災と同程度の支援をするには全国の約37%の保健福祉職員を長期派遣する必要があると推計され、効果的効率的な救護調整が必要である。民間を含め地域の医療保健資源の活用を基本とし、広域支援を含め人的・物的保健医療資源の効果的な調整の方策として、モデル地域(高知県と山口、島根県)において県間の調整を具体的に検討した。広域支援を含め効果的な救護の調整には、現場(救護所や避難所等)から市町村、保健所、本庁まで、一貫した調整方法(日本版ICS)の共通理解が必要であり、保健所管内でイメージ図を作成した。
4.保健医療科学院の自治体職員向け研修では、発災後の公衆衛生情報の迅速な収集、共有化とICTの活用、また情報分析と対策立案演習を強化した内容とした。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201330015Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,800,000円
(2)補助金確定額
5,695,090円
差引額 [(1)-(2)]
2,104,910円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 16,683円
人件費・謝金 206,100円
旅費 1,920,240円
その他 1,752,067円
間接経費 1,800,000円
合計 5,695,090円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-06-02
更新日
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