文献情報
文献番号
199800304A
報告書区分
総括
研究課題名
介助犬の基礎的調査研究 -介助犬の実態と身体障害者への応用に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
高柳 哲也(奈良県立医科大学医学部神経内科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 真野行生(北海道大学医学部リハビリテーション医学講座)
- 藤田紘一郎(東京医科歯科大学医動物学教室)
- 長谷川篤彦(日本大学農学部生物資源科学部)
- 宮尾克(名古屋大学大学院多元数理学科)
- 鷲巣月美(日本大学獣医畜産学科獣医臨床病理学教室)
- 高柳友子(東京医科歯科大学医学部医動物学教室)
- 原和子(名古屋大学医学部保健学科作業療法学教室)
- 植村興(大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室)
- 太田光明(大阪府立大学農学部獣医生理学教室)
- 藤原佳典(東京都立大学都市研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
介助犬の国内外における実態を明らかにし、育成における問題点と必要とされる社会整備、育成体制整備を明らかにする。身体障害者への有効性と課題について明らかにする。
研究方法
国内における育成組織へのアンケート及び訪問調査により過去の育成頭数、現在訓練中の頭数、育成方法、認定基準、トレーナーの資格や人数、障害者の条件等について調査した。国外の育成組織及び情報機関に国内の介助犬実働数、公的補助及び登録制度の有無、社会参加状況等についてアンケート調査を行った。また、介助犬使用者3名に対して訪問調査を行い、介助項目、介助犬の有効性、満足度、譲渡条件や負担等について調査した。
結果と考察
国内は6団体(調査対象は9)から9頭が実働しており、英、米、カナダでは個人を含めて多数の育成組織があり、数千頭の実働数があることが推察されたが、介助犬の登録制度、公的認定制度がないため正確な実働の実態および質、育成体制に関する情報を把握することは困難であった。育成体制は国内外共に統一した基準はなく、質の確保がなされておらず、障害者自身の負担や不安が生じていた。介助犬は手指代償機能、歩行補助具機能、環境代償機能及び介助者の負担軽減、緊急時連絡手段の確保等の機能的効果に加えて孤独感の解消、安心等の精神的効果をもたらし、C6-7頚髄損傷、筋ジストロフィーや多発性硬化症患者にとって有効であることがわかった。その他の神経・筋疾患、他領域疾患への応用も可能と考えられるので、さらなる研究が必要である。しかし、犬の世話に介助が必要でありこれらの設定や指導、評価が個々に合わせて必要とされる。
介助犬の候補犬導入前に行う適性評価は股関節脱臼などの遺伝性疾患を排除し、効率よくまた経済的に育成することを目的に獣医学的、行動学的適性評価を行った。その結果盲導犬非適性犬の導入ができた。また、成犬で適性犬を選出する上で、大型犬の収容先が少ない、非適性時の受け入れ確保が困難である、等の問題点が明らかとなった。次年度以降はこの方法による介助犬の育成状況における問題の有無、経過観察を行う必要がある。
介助犬の候補犬導入前に行う適性評価は股関節脱臼などの遺伝性疾患を排除し、効率よくまた経済的に育成することを目的に獣医学的、行動学的適性評価を行った。その結果盲導犬非適性犬の導入ができた。また、成犬で適性犬を選出する上で、大型犬の収容先が少ない、非適性時の受け入れ確保が困難である、等の問題点が明らかとなった。次年度以降はこの方法による介助犬の育成状況における問題の有無、経過観察を行う必要がある。
結論
介助犬は手指代償機能、歩行補助具機能、環境代償機能、介助者の負担軽減、緊急時の連絡手段確保等を必要とする障害者にとって有効な自立手段となり、自尊心の向上、孤独感の解消等の精神的効果も持つ。しかし、介助犬が障害者の自立手段として確立するためには、効率的育成方法を確立するためのさらなる調査とリハビリテーション医療としての育成体制及び介助犬・育成組織・トレーナーの基準を整備し、譲渡条件、社会での受け入れ体制や犬の世話に伴う負担を軽減する支援体制を整備する必要がある。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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