文献情報
文献番号
201328057A
報告書区分
総括
研究課題名
患者数が特に少ない希少疾病に対する医薬品の有効性・安全性評価のためのガイダンス作成に関する研究
課題番号
H25-医薬-指定-012
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
成川 衛(北里大学薬学部 臨床医学(医薬開発学))
研究分担者(所属機関)
- 荒戸 照世(北海道大学大学院 医学研究科)
- 土田 尚(国立成育医療研究センター病院 総合診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
希少疾病用医薬品の中でも患者数が特に少ない疾病に対する医薬品(以下「ウルトラオーファンドラッグ」)については、治験の困難さや市場規模の小ささなどの障害が特に大きく、開発が進まない状況にある。本研究は、このようなウルトラオーファンドラッグの開発にあたり、少数の被験者でも合理的に有効性・安全性を評価するために留意すべき事項等をまとめた文書を作成すること等により、その開発の推進を図ることを目的とする。
研究方法
(1) 近年、我が国で承認されたウルトラオーファンドラッグの臨床データパッケージを審査報告書等に基づきretrospectiveに調査し、特に試験デザイン及び評価方法について体系的に分析した。その結果に基づき、薬効評価時の留意事項、今後他のケースで参考にできる事項などを抽出し整理した。
(2) 日米欧における希少疾病用医薬品の開発促進のための制度及び実際の指定状況等の比較検討を行うとともに、国内企業に対して希少疾病用医薬品の開発経験に関するアンケート調査を行った。
(3) 特に欧州における希少疾病用医薬品の開発促進のための枠組み、薬効評価の方法・考え方について調査した。
(2) 日米欧における希少疾病用医薬品の開発促進のための制度及び実際の指定状況等の比較検討を行うとともに、国内企業に対して希少疾病用医薬品の開発経験に関するアンケート調査を行った。
(3) 特に欧州における希少疾病用医薬品の開発促進のための枠組み、薬効評価の方法・考え方について調査した。
結果と考察
(1) ウルトラオーファンドラッグの開発においては、無作為化比較試験や用量設定試験を含む海外臨床試験データの活用、特に日本人を対象とした臨床研究や使用実態調査結果の参考資料としての活用、無作為化比較試験に限定しない工夫した試験デザインの採用、適切な製造販売後調査によるエビデンスの補強等が重要である。
(2)(3) 日本、欧州及び米国における希少疾病用医薬品の指定に対する基本的な考え方に大きな違いはないが、その基準や指定を受けた医薬品(開発機関)に対するインセンティブの内容・程度について各極間で相違が見られる部分もあった。日本での希少疾病用医薬品の開発経験からは、優先審査及び再審査期間(10年)が大きなメリットとして捉えられている場合が多かった。
(2)(3) 日本、欧州及び米国における希少疾病用医薬品の指定に対する基本的な考え方に大きな違いはないが、その基準や指定を受けた医薬品(開発機関)に対するインセンティブの内容・程度について各極間で相違が見られる部分もあった。日本での希少疾病用医薬品の開発経験からは、優先審査及び再審査期間(10年)が大きなメリットとして捉えられている場合が多かった。
結論
今後、これまでの研究で得られた情報を活用しながら、ウルトラオーファンドラッグの薬効評価のあり方について具体的な検討を加え、少数の被験者でも合理的に有効性・安全性を評価するための留意事項・参考とすべき事項等をまとめた文書を作成するとともに、その開発を促進するための制度的な仕組みについても検討を行うこととする。
公開日・更新日
公開日
2015-06-29
更新日
-