文献情報
文献番号
201328019A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療実用化加速に資するヒト幹細胞由来製品及び関連要素の品質及び安全性確保に関する総合的研究
課題番号
H23-医薬-指定-022
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
早川 堯夫(近畿大学 薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 青井 貴之(神戸大学大学院医学研究科 iPS細胞応用医学分野)
- 梅澤 明弘((独)国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究部)
- 小澤 敬也(東京大学医科学研究所 附属病院 先端医療研究センター)
- 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
- 澤 芳樹(大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座)
- 松山 晃文((独)医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 難治性疾患治療開発・支援室)
- 大和 雅之(東京女子医科大学 医学部先端生命医科学系)
- 山中 伸弥(京都大学 iPS細胞研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
21,470,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,わが国の再生医療実用化を推進するための適正な規制環境を世界に先駆けて整備し、国民の保健・医療の向上に資するとともに,当該分野の国際的優位性の確保を目指す行政施策活動の一環として位置づけられる。具体的には,「ヒト自己体性幹細胞」,「ヒト同種体性幹細胞」,「ヒト自己iPS(様)細胞」,「ヒト同種iPS(様)細胞」及び「ヒトES細胞」加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する5つの指針案を作成し,行政的に通知し,円滑な施行に資すること,情報の国際発信を行うことを目的とする。また,製品の開発や評価をケース・バイ・ケースの原則に従い,製品の由来や種類,対象疾患,開発段階等を踏まえたアプローチをしていく際に,ベースとなるべき共通基本要件,評価基準の必要性に関する研究を目的とする。さらに,新規細胞基材,新規製造関連資材,新規製造方法,新規適用法に対する規制と環境整備に関する研究を目的とする。
研究方法
H24年度通知の5指針とその作成経緯及び視点について,国際発信を目指し,国際学会での発表,各国規制当局や研究者等との情報交流,意見交換及び英語論文の作成と専門学術誌への投稿を行った。その他の課題に関しても,学問・技術の進捗,海外の動向,再生医療の実用化に関する国内外関係者との議論などをもとにした調査・研究を行った。
結果と考察
H24年度通知の5指針とその作成経緯及び視点について,国際発信を目指し,国際学会での発表,各国規制当局や研究者等との情報交流,意見交換及び英語論文の作成と専門学術誌への投稿を行った。その他の課題に関しても,学問・技術の進捗,海外の動向,再生医療の実用化に関する国内外関係者との議論などをもとに、調査・研究を行った。
(i) 国際社会への情報発信について,第11回国際幹細胞学会 ,第1回国際生物製剤標準化連盟(IABS),JST国際シンポジウムにおいて,5指針の概要を発表するとともに,米国FDAやEUその他の規制担当者,研究者や企業関係者等と意見交換を行った。また研究の背景と5指針全文を以下に示す論文にし,日本再生医療学会英文誌Regenerative Therapyに投稿した。Study on Ensuring the Quality and Safety of Pharmaceuticals and Medical Devices Derived from the Processing of 1) Autologous Human Somatic Stem Cells. 2) Allogenic Human Somatic Stem Cells. 3) Autologous Human Induced Pluripotent Stem Cell (-Like Cells). 4) Allogenic Human Induced Pluripotent Stem Cell (-Like Cells). 5) Human Embryonic Stem Cells.
(ii) 全製品に共通の基本要件・基準をベースに、各製品に応じたケース別に上乗せする方策が、製品の開発や評価をース・バイ・ケースの原則に従い効率的、効果的、合理的に促進させるために必要であることを示した。内容としては、1)一般原則 2)GCTP(Good Cell・Tissue Practice) 3)製品の製造方法&品質(試験・評価・管理) 4非臨床安全性試験 5非臨床有効性(POC)試験 6臨床試験 7)細胞種別 8細胞バンクの概念と技術要件 9)普遍的に利用可能な新規細胞特性解析手法及び品質評価手法 10)ウイルス安全性 11)造腫瘍性試験 12)抗原性 13)リスク評価によるース・バイ・ケースアプローチなどが挙げられた。
(iii) わが国独自のシーズに対し活用できる規制環境や整備について検討し提言した。具体的には再生医療用ES細胞やiPS細胞,同種iPS細胞ストック,iPS細胞の“good clone”と“defective clone”の原材料としての活用方策,生物由来原料基準の合理的見直し,成育疾患への治療戦略構築や規制の活用,脂肪組織由来多系統前駆細胞を用いる製品に適合させた承認申請packageなどである。
(i) 国際社会への情報発信について,第11回国際幹細胞学会 ,第1回国際生物製剤標準化連盟(IABS),JST国際シンポジウムにおいて,5指針の概要を発表するとともに,米国FDAやEUその他の規制担当者,研究者や企業関係者等と意見交換を行った。また研究の背景と5指針全文を以下に示す論文にし,日本再生医療学会英文誌Regenerative Therapyに投稿した。Study on Ensuring the Quality and Safety of Pharmaceuticals and Medical Devices Derived from the Processing of 1) Autologous Human Somatic Stem Cells. 2) Allogenic Human Somatic Stem Cells. 3) Autologous Human Induced Pluripotent Stem Cell (-Like Cells). 4) Allogenic Human Induced Pluripotent Stem Cell (-Like Cells). 5) Human Embryonic Stem Cells.
(ii) 全製品に共通の基本要件・基準をベースに、各製品に応じたケース別に上乗せする方策が、製品の開発や評価をース・バイ・ケースの原則に従い効率的、効果的、合理的に促進させるために必要であることを示した。内容としては、1)一般原則 2)GCTP(Good Cell・Tissue Practice) 3)製品の製造方法&品質(試験・評価・管理) 4非臨床安全性試験 5非臨床有効性(POC)試験 6臨床試験 7)細胞種別 8細胞バンクの概念と技術要件 9)普遍的に利用可能な新規細胞特性解析手法及び品質評価手法 10)ウイルス安全性 11)造腫瘍性試験 12)抗原性 13)リスク評価によるース・バイ・ケースアプローチなどが挙げられた。
(iii) わが国独自のシーズに対し活用できる規制環境や整備について検討し提言した。具体的には再生医療用ES細胞やiPS細胞,同種iPS細胞ストック,iPS細胞の“good clone”と“defective clone”の原材料としての活用方策,生物由来原料基準の合理的見直し,成育疾患への治療戦略構築や規制の活用,脂肪組織由来多系統前駆細胞を用いる製品に適合させた承認申請packageなどである。
結論
5指針とその背景について,国際学会発表,各国規制当局等との情報交流,英語論文作成と専門学術誌への投稿によりに情報発信した。また,全製品に共通の基本要件,基準をベースとした各製品に応じたケース別に上乗せする方策が,製品開発・評価の促進さに必要であることを明示した。さらに、わが国の独自のシーズに対して活用できる規制環境・整備について,現在渦中の素材や課題を取り上げ,提言した。これらの結果は,我が国の各種ヒト幹細胞加工製品の実用化に大きく寄与すると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2018-06-08
更新日
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