文献情報
文献番号
201328007A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の添付文書の在り方に関する研究
課題番号
H23-医薬-一般-008
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
外 須美夫(九州大学 麻酔・蘇生学分野 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 松田 勉(山形大学大学院医学系研究科医薬品医療機器評価学講座)
- 廣瀬 稔(北里大学医療衛生学部医療工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,990,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療機器の添付文書は薬事法第63条の2に規定された医療機器を安全に使用するために最も基本となる文書で、医療機器企業が作成し製品への添付等が義務付けられている。また、添付文書の記載方法については平成17年3月10日付薬食発第031003号厚生労働省医薬食品局長通知「医療機器の添付文書の記載要領について」等でもって示されている。
しかしながら、この添付文書に対しては、警告の内容が多すぎて理解するのに時間がかかる、現状の医療実態に即していない、同機種でありながら各社で記載内容に差があるとの指摘がなされており、最新の医療に則しかつ医療関係者が理解しやすいものとなるよう見直しが求められている。
そこで、本研究班は、個別の問題品目の添付文書を見直すとともに、今後の医療機器添付文書全般の在り方について検討することを目的とし3年計画で実施したものである。
しかしながら、この添付文書に対しては、警告の内容が多すぎて理解するのに時間がかかる、現状の医療実態に即していない、同機種でありながら各社で記載内容に差があるとの指摘がなされており、最新の医療に則しかつ医療関係者が理解しやすいものとなるよう見直しが求められている。
そこで、本研究班は、個別の問題品目の添付文書を見直すとともに、今後の医療機器添付文書全般の在り方について検討することを目的とし3年計画で実施したものである。
研究方法
平成23年度は、全国の病院を対象としたアンケート調査を実施し、医療関係者の添付文書に関する問題意識や認識の現状及び問題品目の事例を把握した。
平成24年度は、①添付文書に関する我が国と米国、EU、GHTFの規制等の比較、②米国での医用電気機器のIFUの利用状況等の実態調査、③アンケート調査において添付文書の記載内容が不適切等の指摘があった医療機器7品目群の添付文書の改訂に向けた検討、④アンケート調査の自由記載の分析、⑤20品目群の医療機器添付文書における【警告】および【禁忌・禁止】の項の記載分量等の比較を実施した。
平成25年度は、①医療機器添付文書の改訂回数、改訂項目、それらの国産製品および輸入製品等の違いなどについての調査、②自由記載欄の意見及び昨年まで実施した調査結果も踏まえての今後の添付文書の在り方についての検討、③医療機器7品目群についての添付文書見直しを実施した。また、これまでの検討結果を踏まえ、平成17年に厚生労働省より示されている添付文書の記載要領(医薬食品局長通知及び安全対策課長通知)を見直し、改定案としてとりまとめた。
平成24年度は、①添付文書に関する我が国と米国、EU、GHTFの規制等の比較、②米国での医用電気機器のIFUの利用状況等の実態調査、③アンケート調査において添付文書の記載内容が不適切等の指摘があった医療機器7品目群の添付文書の改訂に向けた検討、④アンケート調査の自由記載の分析、⑤20品目群の医療機器添付文書における【警告】および【禁忌・禁止】の項の記載分量等の比較を実施した。
平成25年度は、①医療機器添付文書の改訂回数、改訂項目、それらの国産製品および輸入製品等の違いなどについての調査、②自由記載欄の意見及び昨年まで実施した調査結果も踏まえての今後の添付文書の在り方についての検討、③医療機器7品目群についての添付文書見直しを実施した。また、これまでの検討結果を踏まえ、平成17年に厚生労働省より示されている添付文書の記載要領(医薬食品局長通知及び安全対策課長通知)を見直し、改定案としてとりまとめた。
結果と考察
記載要領の改定案を、現行の内容と比較する形で取りまとめた。
結論
医療機器の添付文書については、平成25年11月27日に公布された改正薬事法において、従来の規定に加え、以下の規定が新たに設けられた(別途、交付の日から1年を超えない政令で定める日から施行)。
1)医療機器の製造販売業者は、最新の知見に基づき添付文書を作成し、厚生労働大臣に届け出るものとし、届け出た添付文書は直ちにウェブサイトに掲載すること。
2) 添付文書がウェブサイトに掲載され、かつ医療機関が承諾した等の場合は、医療機器への添付文書の添付を省略できること。
こうした時期に、今後の医療機器添付文書の在り方について検討するため、全国の病院を対象としたアンケート調査から我が国の現在の添付文書の問題点をとりまとめ、また、欧米等の法的規制の比較及び米国の医療機関におけるIFUの利用状況の実態調査から欧米の状況を把握し、さらに添付文書の【警告】欄等の記載分量の比較及び改訂回数等の比較等の調査も実施した。そして、これらの結果を踏まえ、今後の医療機器添付文書の在り方について検討し、記載要領の改定案として取りまとめた。
医療機器の添付文書は、薬事法でもって規定された医療機器を安全に使用するための最も基本となる文書である。今後、改正薬事法の施行に合わせ、今回の検討結果を踏まえて早期に記載要領が見直されることが期待される。なお、今回の検討は限られた時間内で実施したものであり、今後も、例えば今回の見直しが医療関係者にとって有益であったかの調査を実施する等、引き続き医療関係者にとってより理解しやすい添付文書にするための努力が望まれる。
1)医療機器の製造販売業者は、最新の知見に基づき添付文書を作成し、厚生労働大臣に届け出るものとし、届け出た添付文書は直ちにウェブサイトに掲載すること。
2) 添付文書がウェブサイトに掲載され、かつ医療機関が承諾した等の場合は、医療機器への添付文書の添付を省略できること。
こうした時期に、今後の医療機器添付文書の在り方について検討するため、全国の病院を対象としたアンケート調査から我が国の現在の添付文書の問題点をとりまとめ、また、欧米等の法的規制の比較及び米国の医療機関におけるIFUの利用状況の実態調査から欧米の状況を把握し、さらに添付文書の【警告】欄等の記載分量の比較及び改訂回数等の比較等の調査も実施した。そして、これらの結果を踏まえ、今後の医療機器添付文書の在り方について検討し、記載要領の改定案として取りまとめた。
医療機器の添付文書は、薬事法でもって規定された医療機器を安全に使用するための最も基本となる文書である。今後、改正薬事法の施行に合わせ、今回の検討結果を踏まえて早期に記載要領が見直されることが期待される。なお、今回の検討は限られた時間内で実施したものであり、今後も、例えば今回の見直しが医療関係者にとって有益であったかの調査を実施する等、引き続き医療関係者にとってより理解しやすい添付文書にするための努力が望まれる。
公開日・更新日
公開日
2015-04-28
更新日
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