デオキシニバレノールが呼吸器由来細胞やマウス肺に与える影響

文献情報

文献番号
201327055A
報告書区分
総括
研究課題名
デオキシニバレノールが呼吸器由来細胞やマウス肺に与える影響
課題番号
H25-食品-若手-020
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
豊留 孝仁(帯広畜産大学 動物・食品検査診断センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
デオキシニバレノールは小麦を中心とする穀類汚染の原因となるカビ毒(マイコトキシン)であり、食品の安全を考えるうえで非常に重要なカビ毒である。デオキシニバレノールについては主に経口摂取による毒性を念頭に研究が行われてきたが、本研究では吸入摂取を念頭に置いた肺や肺由来細胞への影響について検討を行ってきた。
研究方法
DONの吸入暴露を念頭に置いて、in vitroにおいて肺由来の細胞株A549株を用いてDON単回暴露の影響を検討した。
結果と考察
本研究において検討を行った結果、肺胞由来細胞株A549細胞に対して細胞増殖阻害を引き起こしていることが明らかとなった。さらに網羅的遺伝子発現変動解析からデオキシニバレノール処理によりA549細胞で有意に発現変動がみられる16遺伝子および5ノンコーディングRNAを見出した。これらのうち、5遺伝子については定量PCR法によっても発現変動を確認した。これらの遺伝子がデオキシニバレノールによる増殖阻害につながる毒性発現に重要な役割を果たしていることが推測された。
結論
肺由来A549細胞はDON処理によって細胞増殖が抑制されることが明らかとなった。また、DON処理によってG2/M期にとどまる細胞の割合が増大していた。さらにマイクロアレイ解析により、DON処理において有意に発現変動をしている16遺伝子と5ノンコーディングRNAを見出し、このうち5遺伝子については定量PCRによりその発現変動を確認できた。
 肺由来細胞に対してもDONは影響を及ぼすことが明らかとなり、吸入暴露でも毒性発現の可能性が示された。今後はマウスを用いた解析などにより、詳細なメカニズムを明らかとする。

公開日・更新日

公開日
2014-06-02
更新日
2015-06-29

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2015-05-12
更新日
-

収支報告書

文献番号
201327055Z