国内における食品を介した種々の放射性物質による暴露量の評価

文献情報

文献番号
201327048A
報告書区分
総括
研究課題名
国内における食品を介した種々の放射性物質による暴露量の評価
課題番号
H24-食品-指定(復興)-004
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
寺田 宙(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 飯島 育代(石田 育代)(神奈川県衛生研究所)
  • 三宅 定明(埼玉県衛生研究所)
  • 太田 智子(日本分析センター)
  • 山口 一郎(国立保健医療科学院 生活環境研究部 )
  • 児玉 浩子(帝京大学 医学部)
  • 杉山 英男(松本大学 人間健康学部健康栄養学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後、多くの都市を対象とした放射性物質の摂取量調査を実施することが求められていることから、陰膳方式による食品中の放射性物質のトータルダイエットスタディ(TDS)を行っている。本研究の2年目にあたる平成25年度は、平成24年度に引き続き陰膳試料中の放射性CsとK-40を分析するとともに、一部の試料についてはPuと自然放射性物質であるPo-210の分析も行った。さらに、厚生労働省の食品中の放射性物質の検査ならびに平成22年国民健康・栄養調査の結果をもとに、事故直後から2013年12月までの積算実効線量の推計を試みた。
研究方法
(1)対象集団と試料
対象地域については以下の10都道府県とした。
北海道、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県、大阪府、高知県
(福島県は相馬市、南相馬市、福島市、郡山市、伊達市、会津若松市の6都市)
成人については福島県内の6都市と、福島県以外の9都道府県の計15地域を対象とし、それぞれの地域から3名を選定して研究協力者とした。幼児については前述の15地域のうち、岩手県、神奈川県、高知県の3県を除いた12地域において3名の研究協力者を選定した。研究協力者には2日分の食事(陰膳試料)を提供していただいた。預託実効線量は当該試料を1年間摂取し続けたものとし、陰膳試料中の放射性物質濃度、2日分の食事の量とICRPの預託実効線量係数を基に算出、評価した。
(2)測定方法
陰膳試料は大型のブレンダ―を用いて混合・均一化し、乾熱乾燥した後、450℃で24時間灰化処理した。灰化物をプラスチック製容器に充填し、分析用試料とした。γ線放出核種である放射性Cs、K-40の測定は「ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー」(文部科学省放射能測定法シリーズ7、平成4年改訂)に準じて行った。定量結果は試料採取終了日における測定試料あたりの放射能として算出した。Puは放射能測定法シリーズNo.12「プルトニウム分析法」、Po-210はMiuraらの方法に従って測定した。
結果と考察
調査対象とした15の地域ではいずれも陰膳試料から原発事故で特徴的なCs-134が検出され、福島原発事故の影響が認められた。全80試料中、放射性Cs濃度(Cs-134 と Cs-137の合計値)が最も高かったのは伊達市(幼児)の11.3 Bq/kgで、平成24年度の結果と比較すると高めの値を示したものの、現在の一般食品に対する放射性物質の基準値(100 Bq/kg)の約9分の1であった。当該試料を1年間摂取し続けた場合の預託実効線量は73.7μSvで、現行の食品の基準値を設定する上で基となった年間線量の上限値1 mSvの約14分の1、自然放射性物質のK-40による預託実効線量(467μSv)との比較では約6分の1と推計された。また、食品中の放射性物質に係る規格基準基準値で規制対象となっているPuについては分析を行った全29試料から検出されず、福島原発事故前の水準にあることが示された。一方、自然放射性物質であるPo-210による預託実効線量はK-40とほぼ同レベルで、福島原発事故由来の放射性物質の被ばくへの寄与については自然放射性物質の方が人工放射性物質よりも大きく小さく、人工放射性物質その寄与は大きく見積もっても13分の1程度であることが明らかとなった。
厚生労働省の地方自治体等が実施している食品中の放射性物質の検査ならびに平成22年国民健康・栄養調査の結果を基に推計した福島原発事故発生直後から平成25年12月までの積算実効線量(mSv)は50パーセンタイル値が0.14、99パーセンタイル値が0.36、99.9パーセンタイル値が0.49で、現行の食品の基準値を設定する上で基となった年間線量の上限値が1 mSvであることを考慮すると十分に小さな値である。
結論
平成25年度のTDSでは一部、放射性Cs濃度が高い試料が確認されたが、当該試料中の放射性Cs濃度は現行の一般食品に対する放射性物質の基準値と比較すると約9分の1、当該試料を1年間摂取し続けた場合の預託実効線量は年間線量の上限値の約14分の1であった。また、Puについては分析を行った全29試料から検出されず、福島原発事故前の水準にあることが示され、全体としては幼児を含め食事による福島原発事故由来の放射性物質の暴露量は十分に小さいレベルにあると評価できる。

公開日・更新日

公開日
2018-07-12
更新日
-

収支報告書

文献番号
201327048Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
9,913,866円
差引額 [(1)-(2)]
86,134円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,533,471円
人件費・謝金 2,675,500円
旅費 452,018円
その他 1,252,877円
間接経費 0円
合計 9,913,866円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-07-20
更新日
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