国内侵入のおそれがある生物学的ハザードのリスクに関する研究

文献情報

文献番号
201327018A
報告書区分
総括
研究課題名
国内侵入のおそれがある生物学的ハザードのリスクに関する研究
課題番号
H24-食品-一般-007
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 一成(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 紺野 勝弘(富山大学・和漢医薬学総合研究所)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所)
  • 岡田由美子(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 豊福 肇(山口大学・共同獣医学部獣医学科病原制御学講座)
  • 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品に侵入の恐れが生物学的ハザードの中で、細菌と自然毒について、リスクに関する調査および研究を行った。細菌に関する研究では、食水系細菌感染症にはサルモネラ症、赤痢、コレラなどがあり、国内外でさまざまな汚染ルートを介して多くの患者を発生させている公衆衛生上重要な感染症である。海外で発生した食中毒の侵入防止には、情報収集と菌株の解析とデーターベースの活用が不可欠であることから菌株情報解析を行う。自然毒研究では、食用と毒のくのこや高等植物の判別を正確に行う手法、検査法がないことからこれらの開発と整備を行うとともに、データベース等を活用して、広く自然毒のリスクを周知させるようにする。
研究方法
海外で発生した食中毒の情報収集とともに、分離菌株の解析を通じて国内外の流行菌型を特徴づけ、そのデータバンクの構築を行う。情報収集を通じて海外における流行菌型の調査を行い、これを国内の状況と照らし合わせて、新たな検査体制、サーベイランス体制の検討に用いることで、突発的な中毒事例に対応可能できるか、検討した。国内で中毒事例が特に多いツキヨタケとクサウラベニタケについて、遺伝子全国からサンプルを収集して遺伝子配列を解析行い、系統樹解析を行ってきた。その結果を用いて生のきのこの判別に有効なPCR-RFLP法およびリアルタイムPCR法を開発する。
結果と考察
最近海外で発生したサルモネラ集団発生食中毒の中から、輸入食品もしくは複数国が関連した事例をまとめた。起因菌の血清型はほぼ全て異なっていた。推定原因食品は野菜・調味料・肉類であった。その他、ペットフードやカメから感染拡大した事例もあり、一部は米国から輸出されているものもあった。今後注意が必要な項目である。リステリアのPFGEによる分子型別と集団事例に関する情報収集について行った。INFOSAN、INFASAN emergencyアラートとして報告された事例について調査した。
クサウラベニタケとツキヨタケについて、調理加熱したサンプルでも検出可能なPCR-RFLP法を構築した。発生件数の多いバイケイソウ、チョウセンアサガオ、トリカブト、スイセンの迅速・簡便な鑑別法のPCR-RFLP法を構築した。食中毒に関する知識についての調査から、きのこの場合には、特に見分けの難しさと危険性を一層周知させる必要が感じられた。
結論
細菌に関しては、食および人のグローバル化により、海外から様々な食品および人が国内に入りやすくなっている。同時に、食中毒菌により汚染された食品が入ってくる機会も増加していると考えられる。海外の発生状況の情報収集および国内の監視体制の整備、発生時の迅速な情報週、連携ならびに分離菌株のデータベースの一層の拡充を図る必要がある。
自然毒に関しては、新たな簡便な検査法を整備し検査の裾野を拡大させるとともに、植物性自然毒の危険性、リスクをさらに一般国民に向けて情報提供を行い周知させることが一層求められる。これまでに作成した自然毒データベースをさらに拡充させ、検査法整備にも役立てることが必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-06-26
更新日
-

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2015-06-26
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-

収支報告書

文献番号
201327018Z