文献情報
文献番号
201325049A
報告書区分
総括
研究課題名
今後の歯科医師臨床研修制度の改善のための実態把握及び効果的なプログラム等構築・運用等に関する研究
課題番号
H24-医療-指定-045
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
俣木 志朗(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 杉戸 博記(東京歯科大学水道橋病院)
- 大渡 凡人(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
1,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今後の歯科医師臨床研修制度において、より効果の高いプログラム及び運用等の改善を図るための基礎資料を収集する目的で、平成25年度の歯科医師臨床研修の実施状況を調査することにより、研修歯科医の分布状況、特に歯科診療所における歯科医師臨床研修の実施状況、在籍状況を検討した。
また、平成22年度及び平成23年度の歯科医師臨床研修修了者すべてを対象としたアンケート調査の各質問項目の回答結果から、「研修歯科医の動向について」「歯科医師臨床研修制度の満足度に関する検討」「全身管理、在宅歯科診療、チーム医療を目的とした研修の実態」および「歯科医師臨床研修における子育て支援について」の調査研究を行った。
また、平成22年度及び平成23年度の歯科医師臨床研修修了者すべてを対象としたアンケート調査の各質問項目の回答結果から、「研修歯科医の動向について」「歯科医師臨床研修制度の満足度に関する検討」「全身管理、在宅歯科診療、チーム医療を目的とした研修の実態」および「歯科医師臨床研修における子育て支援について」の調査研究を行った。
研究方法
25年度に歯科医師臨床研修の研修歯科医の募集を行ったすべての単独型及び管理型臨床研修施設269施設の研修プログラム343プログラムを対象とした。臨床研修施設の施設長宛に調査票を郵送し、あわせて当該問い合わせ先担当者にE-mailにて同一の調査票を送付した。調査票の回収はE-mail、FAX、郵送及び電話回答により行った。修了研修歯科医を対象としたアンケート調査では、平成22年度及び平成23年度の歯科医師臨床研修修了者すべてを対象とした。当該年度に臨床研修歯科医を受け入れた歯科医師臨床研修施設の施設長宛に「歯科医師臨床研修修了者調査票」を送付し、「歯科医師臨床研修修了登録交付申請書1式」の配布時にアンケート調査票を配布するよう協力依頼をした。回答用紙の提出については、歯科医師臨床研修修了登録公布申請書を各地方厚生局に提出する際、封筒に同封して送付することとした。
結果と考察
平成25年度の1年目研修歯科医の総数は2,378名、月平均の都道府県ごとの研修歯科医数は最大408名、最少0名であった。研修中断例は10例であった。研修歯科医数の都道府県格差はやや縮小したが、都市部への集中傾向は不変であった。歯科診療所で臨床研修を行った研修歯科医数は全体の約3割弱であり、昨年度とほぼ同じであった。平成22年度、23年度の臨床研修修了者を対象としたアンケート調査の結果、研修歯科医の動向については、臨床研修は卒業大学に近いところで行うものの、その後、臨床研修施設とは離れた実家の近接地に就職する傾向が認められた。また、女性は男性に比べ、わずかではあるが、実家と卒業大学、臨床研修施設、就職先が近接する範囲にある可能性が窺われた。臨床研修制度の満足度については、両年度ともに70数%以上の研修歯科医が肯定的な回答であり、否定的な回答は10%程度に留まった。臨床研修制度全体の満足度については、「歯科診療所」が「歯科大学病院」、「医学部附属病院・病院歯科」よりも高い傾向を示した。また、「医学部附属病院・病院歯科」では、単独型プログラムのほうが群方式に比べ高く、単独型プログラムでも、群方式プログラムでも「歯科診療所」の満足度が他の施設に比較して高かった。全身管理、在宅歯科診療、チーム医療の研修実態については、いまだに「見学」が主体であり、今後はさらに医科領域の職種との、密接な治療体験を増やす必要がある。歯科医師臨床研修制度における子育て支援について、育児休暇に関しては男性の休暇取得に対する意識が高いこと、勤務先への要望としては、子どもの急変による休暇等の対応が最も多かった。
結論
本研究の結果から、多くの問題点が抽出され、今後の歯科医師臨床研修制度におけるより効果の高い研修プログラム及びその運用等の改善を図るための基礎資料を収集することができた。
公開日・更新日
公開日
2018-06-18
更新日
-