文献情報
文献番号
201324125A
報告書区分
総括
研究課題名
炎症を介した発作重積状態を伴う急性脳症の病態にもとづく治療法開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-難治等(難)-一般-009
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
水口 雅(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 佐久間 啓(東京都医学総合研究所 )
- 奥村 彰久(順天堂大学 医学部)
- 高梨 潤一(亀田総合病院)
- 廣瀬 伸一(福岡大学 医学部)
- 齋藤 真木子(東京大学 大学院医学系研究科)
- 山内 秀雄(埼玉医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
遅発性拡散低下を呈する急性脳症(けいれん重積型急性脳症、二相性脳症)(以下AESD)と難治頻回部分発作重積型急性脳炎(以下AERRPS)は、いずれも日本人小児に多く、急性期に発熱とともにけいれん重積状態を生じ、慢性期(回復後)にてんかんと発達障害を残すこと、急性期・慢性期を通じて難治性であることなど共通点が多い。従来、厚生労働科学研究・難治性疾患克服研究では「重症・難治性急性脳症の病因解明と診療確立に向けた研究」班(水口班)がAESDについて、「難治頻回部分発作重積型急性脳炎の病態解明のための包括的研究」班(佐久間班)がAERRPSについて、それぞれ独立に研究を進めてきた。平成22~24年度の両班の研究により、有熱時発作けいれん状態の病態にアデノシン、インターロイキン1β(IL-1β)が深く関与していることが示唆された。また国際的にもAESDとAERRPSを包含する概念として「炎症を介した発作重積状態を伴う急性脳症(AEIMSE)」が提唱され、炎症とてんかんの二面性をもつ疾患スペクトラムとして注目されるようになった。
そこで平成25年度、両班は統合して新たな研究班を結成し、AEIMSEに関する臨床的研究と同時に遺伝子解析、機能解析をさらに推進し、近い将来の治療法開発の基礎を固めることとした。
そこで平成25年度、両班は統合して新たな研究班を結成し、AEIMSEに関する臨床的研究と同時に遺伝子解析、機能解析をさらに推進し、近い将来の治療法開発の基礎を固めることとした。
研究方法
遅発性拡散低下を呈する急性脳症(AESD)や難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS)など、炎症を介した発作重積状態を伴う急性脳症(AEIMSE)の臨床、遺伝、病態を解明するための研究を行った。とくにテオフィリン関連脳症について、日本小児神経学会の支援する共同研究として全国から症例を集積して、臨床的・遺伝学的に検討した。また腸管出血性大腸菌脳症について、2011年のO-111集団感染事例における臨床疫学的研究を行った。
結果と考察
テオフィリン関連脳症のほとんどが遅発性拡散低下を呈する急性脳症(AESD)の臨床像を呈すること、AESDのリスクファクターである遺伝子変異(SCN1A, SCN2A)・多型(CPT2, ADORA2A)を有することを明らかにした。腸管出血性大腸菌脳症について、頭部CT・MRI所見の特徴(両側の深部灰白質病変、急速に進行するびまん性脳浮腫)を明確にするとともに、メチルプレドニゾロン・パルス療法の有効性を示唆した。
結論
テオフィリン関連脳症は、臨床的にも遺伝学的にも、遅発性拡散低下を呈する急性脳症(AESD)と高度にオーバーラップする。腸管出血性大腸菌脳症では脳浮腫の急速な進行が死亡に直結する。メチルプレドニゾロン・パルス療法は脳症の治療法として有望である。
公開日・更新日
公開日
2014-07-23
更新日
2015-06-30