文献情報
文献番号
201324018A
報告書区分
総括
研究課題名
神経変性疾患に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-015
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
中野 今治(東京都立神経病院 )
研究分担者(所属機関)
- 祖父江 元(名古屋大学 大学院医学系研究科 神経内科学)
- 戸田 達史(神戸大学 大学院医学研究科 神経内科)
- 中島 健二(鳥取大学 医学部医学科脳神経医科学講座 脳神経内科学分野)
- 長谷川一子(独立行政法人国立病院機構 相模原病院 神経内科)
- 水澤 英洋(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 脳神経病態学)
- 饗場 郁子(独立行政法人国立病院機構 東名古屋病院 神経内科)
- 青木 正志(東北大学 大学院医学系研究科 神経内科(神経・感覚器病態学講座 神経内科学分野))
- 阿部 康二(東北大学 大学院医学系研究科 神経内科(神経・感覚器病態学講座 神経内科学分野))
- 漆谷 真(京都大学 医学部付属病院 神経内科)
- 岡本 幸市(公益財団法人 老年病研究所 神経内科)
- 小野寺 理(新潟大学 脳研究所生命リソース研究センター 分子神経疾患資源解析)
- 郭 伸(東京大学 大学院医学系研究科 疾患生命工学センター臨床医工学部門)
- 梶 龍兒(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床神経科学分野)
- 柏原 健一(一般財団法人操風会 岡山旭東病院 神経内科)
- 川上 秀史(広島大学 原爆放射線医科学研究所 分子疫学研究分野)
- 吉良 潤一(九州大学 大学院医学研究院 神経内科学分野)
- 桑原 聡(千葉大学 大学院医学研究院 神経内科学)
- 小久保康昌(三重大学 大学院地域イノベーション学研究科)
- 斎藤加代子(東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター)
- 佐々木秀直(北海道大学 大学院医学研究科 神経内科学分野 )
- 佐野 輝(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 社会・行動医学講座 精神機能病学分野)
- 園生 雅弘(帝京大学医学部 神経内科)
- 高橋 均(新潟大学 脳研究所病態神経科学部門 病理学分野)
- 高橋 良輔(京都大学 医学研究科・臨床神経学)
- 辻 省次(東京大学 医学部附属病院 神経内科)
- 土井由利子(国立保健医療科学院 免疫調査研究分野)
- 徳田 隆彦(京都府立医科大学 分子脳病態解析学(神経内科))
- 野元 正弘(愛媛大学 大学院医学系研究科 薬物療法・神経内科学)
- 長谷川成人(公益財団法人東京都医学総合研究所 認知症・高次脳機能分野 病態細胞生物研究室)
- 服部 信孝(順天堂大学 医学部神経学講座)
- 藤本 健一(自治医科大学 内科学講座 神経内科学部門)
- 船越 洋(旭川医科大学 教育研究推進センター)
- 三輪 英人(順天堂大学 医学部附属練馬病院・脳神経内科)
- 村田 美穂(国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科診療部)
- 村山 繁雄(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 老年病理学研究チーム・神経病理学(ブレインバンク))
- 望月 秀樹(大阪大学 医学系研究科・神経内科学)
- 山中 宏二(名古屋大学 環境医学研究所 )
- 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医科学研究所 )
- 清水 俊夫(東京都立神経病院 脳神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
127,385,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動
研究分担者 漆谷 真
滋賀医科大学分子神経科学研究センター(~平成25年10月15日)→京都大学医学部付属病院神経内科(平成25年10月16日~)
研究報告書(概要版)
研究目的
ALS、SMA、SBMA、原発性側索硬化症、PD、PSP、CBD、ハンチントン病HD、有棘赤血球舞踏病と脊髄空洞症において、病態解明と治療法開発、診断・認定基準および個票の改訂、疫学調査実施、対症療法・ケアの開発改善を目指す.
研究方法
神経変性疾患調査研究班(変性班)内に、「病態に根ざした筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新規治療法開発」分科班(ALS分科班:青木正志分科班研究代表者)を設けて研究を継続・推進した.また、「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」において、理研・京大拠点および慶応拠点に応募した班員が研究を実施した.
結果と考察
1.研究対象疾患
1)運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症ALS、脊髄性筋萎縮症SMA、原発性側索硬化症PLS、球脊髄性筋萎縮症SBMA)、2)パーキンソン病とその関連疾患(パーキンソン病PD、進行性核上性麻痺PSP、大脳皮質基底核変性症CBD)、3)舞踏運動関連疾患(ハンチントン病HD、有棘赤血球舞踏病ChA)および脊髄空洞症SMの10疾患
2.研究班全体の課題
1)の推進:理研・京大拠点と慶応拠点両拠点に多くの班員が参画し、「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」実施のための準備を行った.
2)ALSの多施設共同コホート研究(JaCALS)では、2013年12月現在で882例のALS、273例のコントロールの臨床情報と同数のゲノム遺伝子を集積した.登録例の神経症状を定期的にフォローして予後予測因子の探索を行った.重症度推移情報とゲノム遺伝子を用いて病勢の進行に関係する遺伝子多型の同定を試みた.全ゲノム網羅的な遺伝子多型タイピングの結果とALSFRSの経時的変化を混合分布モデルでパターン化し、発症年齢、性、発症部位および遺伝子多型との関連を解析したところ、P値が10−8台の遺伝子多型が8個捉えられた.また、本コ
ホートに於けるC9ORF72遺伝子変異の頻度は遥かに低いことが判明した.
Parkinson病関連疾患、特にPSPとCBDに於いて各種生体試料を集積すべく、試料収集の準備を進め、コンソーシアムJALPACを立ち上げた.班として活動して行く予定である.
このほかにPD、SMA、ChAにおいて班員が独自に構築した試料収集体制が活動した.
3)日本神経学会ALS診療ガイドライン作成委員会において変性班主任研究者である中野が委員長に、変性班班員が数多く委員に就任して、ALS診療ガイドラインの作成に取り組み、2013年12月15日に発刊した.
4)HDマニュアルが完成し、患者団体はじめ関係者に配布した.さらにそのpdf版を難病情報センターHPおよび神経変性班HPにアップロードした.
1)運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症ALS、脊髄性筋萎縮症SMA、原発性側索硬化症PLS、球脊髄性筋萎縮症SBMA)、2)パーキンソン病とその関連疾患(パーキンソン病PD、進行性核上性麻痺PSP、大脳皮質基底核変性症CBD)、3)舞踏運動関連疾患(ハンチントン病HD、有棘赤血球舞踏病ChA)および脊髄空洞症SMの10疾患
2.研究班全体の課題
1)の推進:理研・京大拠点と慶応拠点両拠点に多くの班員が参画し、「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」実施のための準備を行った.
2)ALSの多施設共同コホート研究(JaCALS)では、2013年12月現在で882例のALS、273例のコントロールの臨床情報と同数のゲノム遺伝子を集積した.登録例の神経症状を定期的にフォローして予後予測因子の探索を行った.重症度推移情報とゲノム遺伝子を用いて病勢の進行に関係する遺伝子多型の同定を試みた.全ゲノム網羅的な遺伝子多型タイピングの結果とALSFRSの経時的変化を混合分布モデルでパターン化し、発症年齢、性、発症部位および遺伝子多型との関連を解析したところ、P値が10−8台の遺伝子多型が8個捉えられた.また、本コ
ホートに於けるC9ORF72遺伝子変異の頻度は遥かに低いことが判明した.
Parkinson病関連疾患、特にPSPとCBDに於いて各種生体試料を集積すべく、試料収集の準備を進め、コンソーシアムJALPACを立ち上げた.班として活動して行く予定である.
このほかにPD、SMA、ChAにおいて班員が独自に構築した試料収集体制が活動した.
3)日本神経学会ALS診療ガイドライン作成委員会において変性班主任研究者である中野が委員長に、変性班班員が数多く委員に就任して、ALS診療ガイドラインの作成に取り組み、2013年12月15日に発刊した.
4)HDマニュアルが完成し、患者団体はじめ関係者に配布した.さらにそのpdf版を難病情報センターHPおよび神経変性班HPにアップロードした.
結論
個別研究の推進: 最新技術を駆使して個別研究を推進し、病態機序の解明、治療法の開発および対症療法の改善に貢献した.
公開日・更新日
公開日
2014-07-23
更新日
2015-06-30