重症喘息を対象としたCTLA4-Ig(Abatacept、オレンシア(R))の適応拡大をめざした医師主導治験および非臨床研究

文献情報

文献番号
201322044A
報告書区分
総括
研究課題名
重症喘息を対象としたCTLA4-Ig(Abatacept、オレンシア(R))の適応拡大をめざした医師主導治験および非臨床研究
課題番号
H25-難治等(免)-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
森 晶夫(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 信之(独立行政法人国立病院機構東京病院)
  • 谷本 安(独立行政法人国立病院機構南岡山医療センター 臨床研究部)
  • 松元 幸一郎(九州大学病院呼吸器科)
  • 神沼 修(公益財団法人東京都医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
31,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ガイドラインの普及と治療薬の進歩により、喘息全般の治療水準は向上したが、重症の喘息症例では、入手可能な治療薬をすべて使用してもなお不十分な治療効果、極めて不満足なQOLに悩まされている。治療抵抗性を特徴とする重症喘息機序の解明と新規治療法の開発は喘息研究分野に残された最大の課題である。重症喘息病態を特徴付けるT細胞レベルのステロイド抵抗性は、特に重要な課題である。
研究方法
本研究では、森らが実施してきた厚生労働科学研究で明らかになったCTLA4-Igのステロイド抵抗性改善効果を臨床レベルで検証する目的に、オレンシア®の重症喘息への適応拡大をめざした医師主導治験を計画した。
結果と考察
2年目以降のフェーズII試験入りをめざして、まず初年度には、日本アレルギー学会より推薦を受け申請した結果、日本医師会治験推進センター治験候補薬リストに掲載された。そこで、CROを選定し、PMDA戦略相談を受け、GCP準拠書類の作成を開始した。PMDA事前面談を経て、プロトコール、治験文書を最終調整中である。加えて、非臨床レベルのエビデンスを確立する目的に、培養細胞系(in vitro)およびT細胞移入喘息モデル(in vivo)で、ステロイド抵抗性の解析・治療モデルを樹立し、CTLA4-Ig(abatacept、オレンシア®)によるステロイド感受性回復効果を解析した。また、より低価格の治療法開発をめざして、低分子のcostimulatory signal阻害薬、siRNAの介入効果についても検討した。
結論
今年度の本研究班の成果によって、1)重症喘息に対する世界初のcostimulatory signalをターゲットとする治療介入試験の実施に向け、順調なタイムラインで医師主導治験に向けた環境整備、準備、書類作成が進行中である。2)非臨床研究においては、クローン化T細胞移入によるステロイド抵抗性マウス実験喘息を確立し、CTLA4-Igの効果をin vivoで解析できた。オレンシアを用いてステロイド抵抗性病態に介入する前臨床エビデンスが十分に得られた。3)抗原感作が成立した後であっても、CD86発現を抑制することによって喘息様反応が抑制されることから、ヒトの気管支喘息においてもCD86-CD28シグナルの遮断が新たな治療手段として有望であることが明らかになった。本研究は、既存の治療薬の効果に限界のある重症・難治症例の治療法開発に向けて、大いに役立つものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2014-08-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201322044Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
40,000,000円
(2)補助金確定額
40,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 19,598,456円
人件費・謝金 520,320円
旅費 1,087,672円
その他 9,793,552円
間接経費 9,000,000円
合計 40,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-08-25
更新日
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