成人期以降の発達障害者の相談支援・居住空間・余暇に関する現状把握と生活適応に関する支援についての研究

文献情報

文献番号
201317060A
報告書区分
総括
研究課題名
成人期以降の発達障害者の相談支援・居住空間・余暇に関する現状把握と生活適応に関する支援についての研究
課題番号
H24-精神-一般-010
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
辻井 正次(中京大学 現代社会学部)
研究分担者(所属機関)
  • 肥後祥治(鹿児島大学 教育学部)
  • 岸川朋子(特定非営利活動法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト)
  • 鈴木勝昭(浜松医科大学 子どものこころ発達研究センター)
  • 萩原 拓(北海道教育大学 旭川校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
5,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
成人期の発達障害者、特に、成人期になってから診断を受けた発達障害者の地域生活支援は十分ではない。本研究は、成人期以降の発達障害者に対する効果的な支援サービス構築のために必要となる基礎的な情報を収集し、成人の発達障害者を支援する現行システムの問題点や改善点を検討することを目的とした。
研究方法
本年度の研究は、次の3つの研究を実施した。①成人期以降の発達障害者の生活および就労を支援する全国の専門支援機関(発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、精神保健福祉センター、若者サポートステーション、ジョブカフェ)を対象とし、来所する成人の発達障害者が持ちかける相談内容や各支援機関が提供している支援・指導に関する調査、②一人暮らしをしている成人の発達障害者を対象とした生活上の困難や問題に関する実態調査、③グループホームの支援者を対象とし、居住している発達障害者に認められる生活面での問題や支援者が直面している問題に関する実態把握に向けての面接調査、を実施した。
結果と考察
専門支援機関を対象とした調査では、成人の発達障害者から人とのかかわりや生活面に関する相談の頻度が多いことが示された。この結果と一致するように、グループホームの支援者を対象とした聞き取り調査でも、入居者に見られる中核的な問題は対人関係であることが示された。また、ほとんどの支援機関では、成人の発達障害者に対して人とのかかわりに関する支援・指導は行っていたものの、いずれの支援機関でも生活スキルに関する支援・指導を行っている施設は少なく、成人の発達障害者への生活スキルの支援や指導が不十分であることが明らかとなった。同様に、名古屋市で一人暮らしをしている成人発達障害者を対象とした聞き取り調査からは、整理整頓や清掃といった生活面のスキル不足に関する問題が示され、一人暮らしをしていている成人の発達障害者であっても定期的な訪問支援の必要性が確認された。加えて、グループホームの支援者を対象とした面接調査から、支援者の疲弊や専門家との連携の必要性が見出された。
結論
本年度実施した3つの研究結果から、成人の発達障害者が求める生活スキルへの支援た指導を拡充するなど、成人発達障害者の就労や日常生活の安定に向けてより効果的かつ包括的な支援モデルを構築するとともに、支援者側をサポートする環境整備の必要性も浮き彫りとなった。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201317060Z