精神保健福祉士の活動評価及び介入方法の開発と普及に関する研究

文献情報

文献番号
201317056A
報告書区分
総括
研究課題名
精神保健福祉士の活動評価及び介入方法の開発と普及に関する研究
課題番号
H24-精神-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
石川 到覚(大正大学 人間学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎香(早稲田大学 人間科学学術院)
  • 伊東秀幸(田園調布学園大学 人間福祉学部)
  • 中村和彦(北星学園大学 社会福祉学部)
  • 金子努(県立広島大学 保健福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,300,000円
研究者交替、所属機関変更
平成24年度の分担研究者1の住友雄資(高知県立大学)は、勤務する研究機関(福岡県立大学)への異動により、本研究課題の研究環境と条件が整わず、平成25年度より、岩崎香(早稲田大学)に交替した。

研究報告書(概要版)

研究目的
研究課題の中核となる精神科医療と障害保健福祉サービス及び介護サービス等に加え、行政機関等において精神保健福祉士の活動評価及び介入方法の開発とともに、その普及のための研修プログラムづくりをめざすことにある。そして、精神科医療と障害保健福祉・介護サービス及び行政との円滑な連携を精神保健福祉士によって促進させることであり、それら相互の連携強化が図れる人材やシステムづくりには、基本的な条件整備のための財源が必須となり、そうした条件づくりの裏付けとなるエビデンスを提示することを前提にしている。
研究方法
研究方法は4つの研究分担班により、わが国の精神保健医療福祉における精神保健福祉士の基礎的な現況と実態を踏まえ、ナショナル・サーベイによる量的調査を基本に置きながら、質的な内容においては、事例研究及び質的研究法を中心にした研究方法によって当該の研究課題を解明する。今後、精神保健福祉施策が市町村で展開されている中での精神障害者の地域生活支援は、精神科医療機関と地域生活に係る機関や事業所等に地域移行支援・地域定着支援での連携の実際及び必要性についての調査を実施し、並行して先駆的事例の聞き取り調査を実施し、精神保健福祉士によって円滑な連携が図られることの結果や効果を明らかにする。
結果と考察
【医療研究班】の研究結果から精神保健福祉士が医療機関における多職種チームで調整機能を果たし、医療機関内外における連携の強化を図ることで在院日数の短縮、病床回転率の上昇、外来患者数の増加などと関連していることを示した。【行政研究班】では、精神保健福祉センターにおける精神保健福祉士の必置の課題が浮き彫りになり、精神保健福祉活動を活発に進めている市町村が精神保健福祉士の配置による専門性を活かしたミクロからマクロまでの包括的な実践を明らかにした。【障害研究班】では制度の変革期のため、様々な課題を抱えていても、精神保健福祉士が保持すべき「包括的なアセスメント力」と関係機関や地域との「連携力」が求められ、それらのスキルアップの機会(研修等)が不足していることが明らかとなった。【介護研究班】では、地域で精神疾患にかかる困難事例を少なからず抱えている実状が明らかとなる一方、精神科医療機関との連携に多くの課題を抱えており、それらの課題解消の手立てとしては、連携に関する研修の実施を要することの課題を提示した。以上の4研究班の研究成果を踏まえ、精神保健福祉士に対する新たな研修プログラムの開発と普及のための企画の策定作業を進めてきた。
結論
総括的な結論からは、精神保健福祉士の配置が各サービス提供に有効となることが明らかとなり、今後「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を踏まえ、精神保健福祉士が果たすべき役割を明確化する。そして、新たな政策課題に対応できる精神保健福祉士の専門性を高めるための養成教育及び研修体制の具体的な実施内容や方法などを提言するとともに、市町村における包括的・総合的な地域生活支援システムの構築に係る課題が示唆された。したがって、本研究の最終年度となる平成26年度の研究では、精神保健福祉士の活動評価及び介入方法の開発と普及に向けた新たな研修プログラムの試行を繰り返しながら、その具体的な展開の検証作業を行う。そして、4つの分担研究班による試行過程をPDCAサイクル(策定→実施→評価→修正)でもって検討を加え、先の「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」に準じ、今後、精神保健福祉士に求められている専門性を獲得するための包括的・総合的な養成教育及び研修等に関する提言を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
201317056Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,960,000円
(2)補助金確定額
3,960,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 155,703円
人件費・謝金 267,108円
旅費 1,342,080円
その他 1,535,144円
間接経費 660,000円
合計 3,960,035円

備考

備考
支出金には、利子35円が含まれている。

公開日・更新日

公開日
2015-06-03
更新日
-