文献情報
文献番号
201315070A
報告書区分
総括
研究課題名
重症循環器疾患等に関する医療内容の評価に資するデータレジストリシステムの構築
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-027
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
嶋津 岳士(大阪大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 木村 剛(京都大学 医学研究科)
- 坂本哲也(帝京大学 医学部)
- 飯原弘二(九州大学 医学研究科)
- 森村尚登(横浜市立大学 医学研究科)
- 清水直樹(東京都立小児総合医療センター 小児科)
- 織田 順(東京医科大学)
- 石見 拓(京都大学 環境安全保健機構)
- 大田祥子(一般社団法人HIMAP(ハイマップ))
- 丹野克俊(札幌医科大学)
- 川内敦文(高知県健康政策部医療政策課)
- 北村哲久(大阪大学 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交代
青木則明(平成25年9月1日~平成26年1月31日)→ 大田祥子(平成26年2月1日~平成26年3月31日)
研究分担者追加
森村尚登(平成26年1月28日~平成26年3月31日)
所属機関異動
研究分担者 飯原弘二
独立行政法人国立循環器病研究センター(平成25年9月1日~平成25年9月30日)
→九州大学大学院医学系研究科(平成25年10月1日~平成26年3月31日)
研究報告書(概要版)
研究目的
各種重症循環器疾患に対する医療内容と質、医療体制を評価するために、以下の4項目を目的として本研究を企画した。すなわち、1)心筋梗塞、脳卒中、病院前心停止等の重症循環器疾患等について、コアとなる共通のレジストリシステム・ネットワークを構築すること、2)病態毎又は医療機関毎に医療内容を把握し、医療提供プロセスの評価ならびにクオリティインジケーターの検討を行い、見える化をはかること、3)重症循環器疾患等の危険因子、予後規定因子等について検討し、発症予測・予後予測を通じた予防的アプローチ・先進医療の実現をめざすこと、4)各関係学会にとって自律的運営が可能なレジストリを構築し、研究班以外の外部の研究者等にも広く利用可能な形とすること。
研究方法
初年度として、そのコアとなる共通のレジストリシステムのための項目選定と既存レジストリの現状に関する調査を行った。また、データベースの構築と運用方法を検討し、システムの概要設計を進めた。合わせて、パイロットスタディパイロットスタディ(PS)用のシステム環境の整備、フィールド(調査実施地域)の準備を進めた。
コアレジストリ(CR)の設計に当たっては、①既存のレジストリとの統合性、②重症循環器疾患に対する治療診療の質、病院前を含む医療体制を評価し、フィードバック可能であること、③消防機関、医療機関及び行政機関の既存のレジストリとの連携による効率的運用、④個人情報に配慮したデータの運用および外部の研究者等による幅広い利用促進、を共通の課題に設定して検討を進めた。重症循環器疾患に対する治療診療の質、医療体制を評価するためには、対象地域をできる限り網羅することが重要とのコンセンサスを得て、地域を網羅する前提で、各疾患のアウトカムに影響しうるコア項目の絞り込みを進めた。症例数の少ない小児症例データの横断的活用についての検討も課題としてあげられた。また、重症循環器疾患に対するレジストリシステムを有効に機能させるために、地域の救急ニーズの多くを占める高齢者救急医療の実態を把握する必要があるため、「独居」・「転倒」を捕捉できるように考慮した。病院前心停止については、消防機関の救急蘇生統計をベースに、日本救急医学会と連携を図り、病院前後の蘇生記録を連結できるレジストリの構築、学会主導でのコアレジストリ枠組み作りを進めた。PSの実施地域として、基盤が整っており、地域網羅的取り組みが可能な大阪府泉州地域、堺市、および函館市を選定し、PS実施の準備を開始した。
コアレジストリ(CR)の設計に当たっては、①既存のレジストリとの統合性、②重症循環器疾患に対する治療診療の質、病院前を含む医療体制を評価し、フィードバック可能であること、③消防機関、医療機関及び行政機関の既存のレジストリとの連携による効率的運用、④個人情報に配慮したデータの運用および外部の研究者等による幅広い利用促進、を共通の課題に設定して検討を進めた。重症循環器疾患に対する治療診療の質、医療体制を評価するためには、対象地域をできる限り網羅することが重要とのコンセンサスを得て、地域を網羅する前提で、各疾患のアウトカムに影響しうるコア項目の絞り込みを進めた。症例数の少ない小児症例データの横断的活用についての検討も課題としてあげられた。また、重症循環器疾患に対するレジストリシステムを有効に機能させるために、地域の救急ニーズの多くを占める高齢者救急医療の実態を把握する必要があるため、「独居」・「転倒」を捕捉できるように考慮した。病院前心停止については、消防機関の救急蘇生統計をベースに、日本救急医学会と連携を図り、病院前後の蘇生記録を連結できるレジストリの構築、学会主導でのコアレジストリ枠組み作りを進めた。PSの実施地域として、基盤が整っており、地域網羅的取り組みが可能な大阪府泉州地域、堺市、および函館市を選定し、PS実施の準備を開始した。
結果と考察
各種重症循環器疾患に対する医療内容と質、医療体制を評価するためのレジストリシステムの構築を開始した。
①コアレジストリ(CR)の設計・構築と運用を行うコアレジストリグループに加え、②心筋梗塞、③脳卒中、④病院前心停止の各重症循環器疾患別ワーキンググループ、および⑤高齢者救急レジストリに関するワーキンググループを組織して、既存のレジストリ(データベース)等を評価したうえでレジストリに登録する項目を決定した。そして、現場の担当者の負担をできるだけ少なくすることができる登録システムを検討し、FAX-OCRを用いたシステムの概要設計を行った。また、次年度以降にPSを実施するために、基盤が整っており、地域網羅的取り組みが可能な大阪府泉州地域、堺市、および函館市を選定し、PS実施の体制を整備した。
①コアレジストリ(CR)の設計・構築と運用を行うコアレジストリグループに加え、②心筋梗塞、③脳卒中、④病院前心停止の各重症循環器疾患別ワーキンググループ、および⑤高齢者救急レジストリに関するワーキンググループを組織して、既存のレジストリ(データベース)等を評価したうえでレジストリに登録する項目を決定した。そして、現場の担当者の負担をできるだけ少なくすることができる登録システムを検討し、FAX-OCRを用いたシステムの概要設計を行った。また、次年度以降にPSを実施するために、基盤が整っており、地域網羅的取り組みが可能な大阪府泉州地域、堺市、および函館市を選定し、PS実施の体制を整備した。
結論
コアレジストリおよび各種疾患レジストリのための項目を作成した。これらを公表して関連する学会(日本救急医学会、日本循環器学会、日本脳卒中学会等)や研究者および地方自治体、消防機関等との連携や共同研究の機会を広げることが可能となった。また、次年度より実施するPSによって地域のレジストリ登録が進めば、各疾患に対する医療の質、医療体制、プレホスピタルケアを評価することができるようになるので、地域の医療者、医療機関、行政、消防機関等へのフィードバックを行うことが可能となると期待される。
公開日・更新日
公開日
2015-09-07
更新日
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