生活習慣病予防のための運動を阻害する要因とその対策に関する研究 

文献情報

文献番号
201315023A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防のための運動を阻害する要因とその対策に関する研究 
課題番号
H24-循環器等(生習)-一般-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学大学院  医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 福本 義弘(東北大学大学院 医学系研究科)
  • 坂田 泰彦(東北大学大学院 医学系研究科)
  • 代田 浩之(順天堂大学 医学部)
  • 安田 聡(国立循環器病研究センター)
  • 門上 俊明(済生会二日市病院)
  • 矢野 雅文(山口大学大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々は、過去6年間の厚生労働省科研費研究(平成18〜23年度)により、全国規模の大規模かつ詳細な生活習慣病患者データベース(1万人登録)を確立し、既に生活習慣病に対する運動療法の調査研究を行ってきた。しかしながら、実際には様々な理由により十分な運動療法が行えない症例を多く認めることを明らかにした。そこで本研究では、日本人の生活習慣病予防に必要な運動を阻害する要因を明らかにし、その対策を検討することを目的とする。
研究方法
本研究では、既に「健康づくりの運動指針2006」を基にした運動療法の指導を行っている20歳以上の10,000例の生活習慣病コホート集団において、運動療法が不十分な症例に対し、その阻害要因を調査する。
 平成25年度は、平成24年度に引き続き本データベース登録症例において約200項目に及ぶ臨床基本情報を収集し、また新たに運動阻害要因に関するアンケート調査を行った。送付総数は8660であり、その60%にあたる5189症例から回答を得て解析を行った。
結果と考察
平成25年度の調査により以下の5点が明らかとなった。

・生活習慣病および慢性心不全症例全体では、整形外科的疾患、運動習慣や運動意志に関連する要因が運動習慣を妨げている。
・身体活動量の低い群では上記に加えて、主治医の指導不足が運動習慣の不足の理由となる。
・身体活動量の高い群では日常生活での十分な身体活動そのものが運動習慣の不足に関連しうる。
・女性では整形外科的疾患や運動の苦手意識が阻害要因となる。
・経済的理由や運動施設の有無は運動の阻害要因とはならない。

以上、1万人の生活習慣病患者登録データに基づき、不十分な身体活動量が生活習慣病増悪因子であり、身体活動量の向上に対する阻害要をが明らかにした。今後その対策をが検討し、生活習慣病治療における運動療法介入の重要性を明らかにする。本研究により、運動療法介入が容易になり、生活習慣病の早期からその進行を効果的に予防することが示されれば、生活習慣病の結果生じる心血管病の発症が予防でき、臨床応用できる極めて有用なエビデンスが得られることが期待される。
結論
大規模な日本人の生活習慣病コホート集団において、生活習慣病予防を阻害する要因に関する詳細な基礎データが初めて得られたと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-09-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201315023Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
5,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,283,564円
人件費・謝金 1,278,036円
旅費 271,400円
その他 14,000円
間接経費 1,153,000円
合計 5,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-