文献情報
文献番号
201314038A
報告書区分
総括
研究課題名
治癒切除不能のstage4大腸がん症例に対する原発巣切除の意義を明らかにする研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-がん臨床-一般-007
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
金光 幸秀(独立行政法人 国立がん研究センター中央病院 大腸外科)
研究分担者(所属機関)
- 益子 博幸(札幌厚生病院 外科)
- 尾嶋 仁(群馬県立がんセンター 消化器外科)
- 滝口 伸浩(千葉県がんセンター 消化器外科)
- 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院 消化器外科)
- 小森 康司(愛知県がんセンター中央病院 消化器外科 )
- 田中 康博(大阪府立急性期・総合医療センター消化器外科)
- 池田 聡(県立広島病院 消化器外科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
13,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
大腸癌は、肝臓・肺・遠隔リンパ節・腹膜播種を認めても、原発巣と転移巣が切除可能であればともに切除することが標準治療であり、わが国の「大腸癌治療ガイドライン2014年版」でも推奨されている。一方、切除不能の遠隔臓器転移を有し、かつ原発巣に起因する症状のないStage IV大腸癌に対しては、原発巣切除を行うことの意義は不明であり、標準治療は定まっていない。遠隔転移を有する患者に対する原発巣切除に期待されるメリットとして、出血や狭窄の予防になることと、癌幹細胞が多く含まれると考えられる原発巣を早期に切除することが全身の癌細胞の制御に有利に働く理論的可能性があることである。デメリットとしては、手術に伴う合併症と、化学療法開始が遅れることである。
原発巣切除の意義を明らかにするには、充分な精度をもった検証的試験が不可欠であり、本研究では、標準治療である化学療法先行治療に対する、化学療法の前に原発巣切除を行う治療(原発巣切除術+術後化学療法)の優越性を、ランダム化比較第III相試験にて検証する。
原発巣切除の意義を明らかにするには、充分な精度をもった検証的試験が不可欠であり、本研究では、標準治療である化学療法先行治療に対する、化学療法の前に原発巣切除を行う治療(原発巣切除術+術後化学療法)の優越性を、ランダム化比較第III相試験にて検証する。
研究方法
試験デザインは、「化学療法単独治療」を対照とし「原発巣切除+術後化学療法」を試験治療としたランダム化比較第III相試験(優越性試験)であり、primary endpointは全生存期間,secondary endpointsは無増悪生存期間(progression-free survival)、有害事象発生割合、無病状態達成割合、化学療法単独群での緩和手術割合である。予定登録数は770例、登録期間5年、追跡期間3年である。
結果と考察
本試験の結果、「原発巣切除術+術後化学療法」の優越性が示された場合には、現在の標準治療である「化学療法先行治療」に延命効果で優る新しい標準治療が確立される。逆に、原発巣切除の有用性が検証されなかった場合にも、これまで十分な根拠がないまま広く行われていた化学療法施行前の原発巣切除に対して歯止めをかけ、原発巣は非切除のまま化学療法を先行する治療が第一選択として推奨されることになる。いずれの結果であっても、本試験の結果により、大腸癌治療ガイドラインが書き換えられ、標準治療の確立に資する重要な情報が得られる
結論
平成24年6月に患者登録を開始し、平成25年度のがん臨床研究事業(H25-がん臨床-一般-007)で試験を継続して行った(JCOG1007)。平成26年3月末現在、参加52施設から55例(予定登録数の7.1%)の登録が得られている。登録ペースは予定の半分程度に留まっているが、がん対策推進総合研究事業の助成を得て患者登録ペースはそれまでの2.3例/月から3.8例/月に促進された。
公開日・更新日
公開日
2015-09-03
更新日
-